マンションの立地を検討する際、新宿・渋谷・池袋ならすぐにイメージできますが、地名に「武蔵」が付くとイメージが湧かなくなるという人がいるかもしれません。しかし、歴史を紐解くと武蔵とは今でいう首都圏にあたるエリアだったのです。武蔵の意味を知れば、マンション購入の選択肢はさらに広がるかもしれません。
目次
武蔵とはどこのエリアを指すのか
小平市立図書館のホームページによると、武蔵の国は豊島郡から秩父郡まで元は22の郡に分かれていました(天正10年頃)。豊島郡は今の豊島、新宿と、渋谷、千代田、港の一部を含んでいます。埼玉も各郡に分かれており、神奈川の川崎、鶴見、保土ヶ谷、横浜なども含んで、武蔵の国が成り立っていたのです。東京と埼玉が元は1つだったというのは、意外に思う人がいるかもしれません。
周辺の国も、山梨県が甲斐の国、千葉県が上総の国、神奈川県が相模の国など、NHKの大河ドラマではお馴染みの地名が並びます。したがって、武蔵、上総、相模などは今も鉄道の駅名として名残を遺しているのです。
武蔵は人気のエリアをほぼカバーしている
武蔵の国の成り立ちを見れば明らかなように、武蔵は現在の首都圏にあたる地域を多く含んでいるのがわかります。東京都と埼玉県に加え、神奈川県の人気エリアである横浜市と川崎市も含まれますので、マンション経営の人気エリアをほぼカバーしています。
武蔵という地名は決して立地として劣るものではなく、駅歩10分以内の物件であれば十分に入居者の確保が見込めるエリアと考えてよいでしょう。
南武線は駅名に武蔵が付く宝庫
鉄道の沿線では、JR南武線が駅名に武蔵が付く宝庫といえます。武蔵小杉、武蔵中原、武蔵新城、武蔵溝ノ口と4駅連続で並ぶことはよく知られています。これは、武蔵が付かない小杉、中原、新城、溝口(ノが付かない)がいずれもJRに同名の駅が存在していたために、武蔵を冠して区別したのが理由といわれています。
この4駅は、武蔵小杉、武蔵中原、武蔵新城が川崎市中原区、武蔵溝ノ口が川崎市高津区と、いずれも川崎市に所在しています。したがって、この駅名を見れば、川崎市が武蔵の国であったことがわかります。
武蔵が付く人気のエリアは?
では、駅名に武蔵が付く人気のエリアを紹介しましょう。
・武蔵小杉
おそらく武蔵と付く駅名では最も人気の高いエリアでしょう。それもそのはず、JR南武線・横須賀線・湘南新宿ライン、東急東横線・目黒線と5つの鉄道路線が乗り入れているのです。もっとも、上述したように南武線の武蔵4駅は連続していることから、武蔵中原、武蔵新城、武蔵溝ノ口も武蔵小杉で乗り換えれば都心へのアクセスは同じように魅力的ともいえます。SUUMO主催の「住みたい街ランキング2024」で首都圏部版第14位にランクインしています。
・武蔵浦和
JR埼京線の通勤快速停車駅であることから、駅前を中心にマンションが林立する人気のエリアです。文教都市浦和の一部であることから駅前に歓楽街はなく、子育てに適した住環境の良さが魅力。JR埼京線で大宮・池袋・新宿・渋谷に、JR武蔵野線で東京ディズニーリゾートにそれぞれ直通で行けるなど、交通アクセスも至便です。
・武蔵境
JR中央線と西武多摩川線の鉄道2路線とバス4路線を利用できます。駅前には大型商業施設や商店街、飲食店が充実しており、ショッピングや会食に便利です。住民の交流の場を創出する「武蔵野プレイス」には図書館や音楽スタジオも入っています。
・武蔵小金井
「江戸東京たてもの園」の最寄り駅として知られています。小金井公園はお花見シーズンには多くの人で賑わいます。JR中央線で都心へのアクセスも良く、アルヒ株式会社主催の「本当に住みやすい街大賞2020」で第7位にランクインするなど、住環境も良好です。
以上、武蔵という地名の歴史と人気エリアについて見てみました。2020年は、武蔵地名エリアに所有地を持つオーナーには追い風が吹いています。新型コロナウィルスの予防対策として、テレワークが普及しているのがその理由です。各企業は、これまでのオフィス勤務偏重から、テレワークによる自宅勤務へ分散化を進めています。
テレワーク中心であれば、住居は必ずしも都心である必要はないのです。これからは都心から少し離れた住環境の良い「武蔵」の魅力が再認識されるかもしれません。武蔵小杉と武蔵小金井が住みたい街ランキングで上位に入選しているのがその表れともいえるかもしれません。もちろん、都心のマンションも引き続き有力ですが、そこに武蔵地名エリアを加えることで、マンション経営の選択肢はさらに広がるはずです。
武蔵に関するQ&A
最後に武蔵に関する基本的な疑問を確認しておきましょう。
Q.武蔵とはどのエリアを指すのでしょうか?
A.武蔵とは「武蔵國(むさしのくに)」ともいい、東京都(23区、多摩を含む全地域)、埼玉県(全地域)、神奈川県の川崎市、横浜市などの非常に広いエリアを指します。
「住みたい街」が数多く含まれることから、マンション経営をするにあたっては注目したいエリアでもあります。
Q.特に人気のエリアはどこでしょうか?
A.武蔵と名がつくエリアで特に人気なのが以下になります。
・武蔵小杉(神奈川県川崎市中原区)
JR南武線・横須賀線・湘南新宿ライン、東急東横線・目黒線と5つの鉄道路線が乗り入れている利便性が高いエリア。再開発によってタワーマンションが立ち並ぶなど近年注目を浴びている。
・武蔵浦和(埼玉県さいたま市南区)
JR埼京線の通勤快速停車駅であり、駅前はタワーマンションが林立している。文教都市として知られる浦和が近いことから歓楽街などはない。公立の名門小中学校が近いことから塾などが多い。また緑豊かな街で、子育てに適した住環境。都内へのアクセスもいい。
・武蔵境(東京都武蔵野市)
JR中央線と西武多摩川線の鉄道2路線とバス4路線が利用できる。新宿まで快速で16分。駅前は大型商業施設や商店街、飲食店が充実しているが、離れれば閑静な住宅街になる。また武蔵境駅からバスで約8分のところには、都立公園として最大の小金井公園があるなど、子育てに適した住環境。
・武蔵小金井(東京都小金井市)
駅前には商業施設があり、アルヒ株式会社主催の「本当に住みやすい街大賞2020」で第7位になるなど住環境がいいエリア。武蔵境同様、小金井公園に気軽に行くことができる。立川には電車で10分、吉祥寺には9分、新宿には24分でアクセス可能。都会の喧騒に疲れた人には最適。
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