医者は高給で知られる職業ですが、研修医の収入は決して高いとはいえません。研修医は医療現場で専門的な知識や技術を身につける必要があるため、仕事以外に割ける時間は限られます。研修医が年収1000万円を稼ぐにはどうすればいいのでしょうか。
今回は、年収1000万円を目指す研修医の方におすすめの投資方法を解説します。
目次
研修医の平均年収はどれくらい?
研修医とは、専門医となるために医療現場である病院で研修を受けている医師のことです。研修医は「初期研修医」と「後期研修医」の2つに分かれます。
最初の2年間は初期研修医として臨床研修を受け、専門領域以外にもさまざまな診療科を経験します。2年間の臨床研修の後は、専門医として活躍できるように3年以上の専門研修を受けます。
厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、研修医(医師の経験年数0~4年)の平均給与・賞与は以下の通りです。
経験年数 | 所定内給与額(月額) | 年間賞与その他特別給与額 | 想定年収 |
---|---|---|---|
0年 | 51万1,000円 | 7万8,400円 | 約620万円 |
1~4年 | 64万7,900円 | 55万6,700円 | 約830万円 |
上記はあくまでも平均であり、勤務先や経験年数によって差があるため、年収1000万円を稼ぐ研修医もいるかもしれません。しかし、本調査結果から、多くの研修医は年収600~800万円程度と考えられます。研修医が医師としての収入だけで年収1000万円に到達するのは簡単ではないでしょう。
研修医が年収1000万円を稼ぐ方法
研修医が年収1000万円を稼ぐには以下2つの方法が考えられます。
・投資を始める
副業やアルバイトに取り組む
副業やアルバイトに取り組み、医師とは別に収入を得る方法です。副業がうまくいったり、高収入のアルバイトが見つかったりすれば、医師の収入と合わせて年収1000万円に到達するかもしれません。
ただし、初期研修医は研修に専念する義務があり、副業やアルバイトは禁止されています。後期研修医は副業やアルバイトが可能ですが、研修医は学ばなくてはならないことが多く、仕事や勉強以外に使える時間は少ないでしょう。
時給で稼ぐ仕事はまとまった時間が必要になるため、研修医には不向きといえます。
投資を始める
研修医が収入アップを目指すなら、投資を始める方法もあります。副業やアルバイトとは異なり、投資はお金が働いてくれるのが特徴です。株式や不動産といった資産に投資すれば、利益の分配(配当金など)や値上がり益を得られる可能性があります。
ただし、投資に元本保証はないので損失が生じるリスクもあります。しかし、投資方法を工夫することでリスク軽減は可能です。時間や手間がかからない投資方法を選択すれば、忙しい研修医でも取り組みやすいでしょう。
研修医におすすめの投資方法7選
研修医が収入アップのために投資を始める場合、どんな方法を選べばよいのでしょうか。ここでは、研修医におすすめの投資方法を7つ紹介します。
株式投資
株式投資は、上場株式を保有して値上がり益や配当金を得る方法です。購入時より株価が値上がりすれば、購入価格と売却価格の差額が利益となります。また、株式を保有している間は年1~2回の頻度で配当金を受け取れます。
仕事が忙しい研修医の場合、何度も株価をチェックすると仕事に支障が出るかもしれません。株式投資に取り組むなら配当金を目的に長期保有して、タイミングが合えば値上がり益を狙うといいでしょう。
投資信託
投資信託とは、多くの投資家から集めた資金を1つにまとめ、専門家が株式や債券などで運用する金融商品です。運用で得られた収益は、投資金額に応じて投資家に分配されます。
投資信託は積立投資に対応しており、一度積み立ての設定をすれば証券会社が自動的に買い付けてくれるので、時間や手間をかけずに投資に取り組めます。
投資の利益には税金がかかりますが、つみたてNISAやiDeCo(個人型確定拠出年金)などの非課税制度を利用すれば利益に課税されないので有利な運用が可能です。
投資信託は購入時に販売手数料、保有している間は信託報酬(運用管理費用)がかかります。手数料を比較したうえで運用コストが低い商品を選びましょう。
J-REIT
J-REIT(不動産投資信託)は、多くの投資家から集めた資金でオフィスビルや商業施設などの不動産を購入し、その運用益を投資家に分配する金融商品です。証券取引所に上場しており、株式と同じように売買できます。
J-REITは、年1~2回の決算ごとに保有口数に応じた分配金を受け取ることができ、「利益の90%超を分配する」などの条件を満たすと実質的に法人税が免除されるため、分配金利回りは比較的高い傾向にあります。
また、J-REITは投資口価格が変動するので、購入時より値上がりすれば売却益を得ることも可能です。
インフラファンド
インフラファンドとは、太陽光発電などの再生可能エネルギー発電設備に投資できる金融商品です。J-REITと似た仕組みを持ち、投資金額に応じて分配金を受け取れます。
再生可能エネルギー発電には「固定価格買取制度(FIT)」があり、国が長期にわたって固定価格での電気の買取を保証しています。インフラファンドを運営する投資法人はFIT制度によって安定した利益を得られるため、分配金利回りも高い傾向にあります。
2024年8月現在、東京証券取所に5銘柄が上場しており分配金利回りは5~6%台です。投資口価格は変動するので、売買タイミングによっては値上がり益を得ることも可能です。
不動産投資クラウドファンディング
不動産投資クラウドファンディングとは、不特定多数の投資家からインターネットを通じて資金を集め、その資金で不動産運用を行うサービスです。運用期間中は定期的に分配金が支払われ、運用終了後に元本が返還されます。
1万円程度から投資可能で、投資対象不動産の管理は事業者に任せられます。株式や投資信託のような日々の値動きがないので、価格動向を気にする必要がないのも魅力です。
投資家は元本と利息の入金を確認するだけで済むため、忙しい研修医でも取り組みやすいでしょう。ただし、運用状況によっては元本割れする可能性があります。
ソーシャルレンディング
ソーシャルレンディングとは、インターネットを通じて不特定多数の投資家から集めた資金を企業に貸し出すサービスです。投資家は、貸付先企業が支払う利息を原資に分配金を受け取れます。
不動産投資クラウドファンディングと同じく1万円程度から投資可能で、日々の値動きがないため手間がかかりません。
ただし、貸付先企業で返済遅延や債務不履行(デフォルト)が発生すると、分配金や元本の支払いに影響が出る恐れがあります。
不動産投資
不動産投資とは、マンションやアパートなどの不動産を貸し出して家賃収入を得る投資方法です。入居者がいれば、毎月家賃収入を得られます。
他の投資方法に比べると投資金額は大きくなりますが、金融機関の融資を利用することも可能です。家賃収入からローンを返済することで、少ない自己資金で効率よく資産を増やせます。家賃の回収や入居者募集などは管理会社に委託できるため、仕事が忙しい研修医でも始めやすいでしょう。
ただし、不動産投資は空室になると家賃が入ってきません。空室リスクに備えるには都心部などの人口が多く、一定の賃貸需要が見込める地域の物件に投資することが大切です。また、収支がすぐにプラスになるとは限らないため、将来に向けて資産を作ることを目的に取り組むといいでしょう。
特に新築ワンルームマンション経営はリスクが比較的少なく、初心者向きと言われています。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
→新築ワンルームマンション経営で成功する人が絶対に知っている、重要な条件と注意点
研修医が投資を始める際の注意点
研修医が投資を始める際は以下の点に注意が必要です。
・本業に支障が出ない範囲で取り組む
・必要に応じて確定申告をする
余裕資金で始める
収入や資産を増やすために、「少しでも多くのお金を投資に回そう」と思うかもしれません。しかし、投資は元本保証がなく損失が発生するリスクがあります。生活に支障が出ないように、しばらく使う予定がない余裕資金で投資を始めることが大切です。
本業に支障が出ない範囲で取り組む
投資で収入や資産が増えたとしても、本業である医師の仕事に支障が出ては意味がありません。将来専門医として活躍するためには、研修医のうちにさまざまな経験を積む必要があります。投資で収入アップを目指すなら、なるべく時間や手間がかからない方法を選びましょう。
必要に応じて確定申告をする
本業以外に年20万円超の収入がある場合は、原則として確定申告をしなくてはなりません。投資の場合、確定申告が必要かは商品・サービスによって異なります。
例えば、株式を「特定口座(源泉徴収あり)」で取引すれば申告は不要です。一方、不動産投資で家賃収入を得ている場合は「不動産所得」として確定申告が必要です。確定申告を怠ると脱税行為とみなされる恐れがあるので、忘れずに手続きをしましょう。
まとめ
研修医が年収1000万円を稼ぐには、本業以外の収入源を確保する必要があります。ただし、研修医は忙しく、最初の2年間は副業・アルバイトが禁止されています。研修医が時間や手間をかけずに収入アップを目指すなら、毎月家賃収入を得られる不動産投資を検討しましょう。
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