不動産市場は「需要」によって活性化します。不動産経営は、そこに住む人や利用する人がいなければ、事業が立ち行かなくなってしまいます。近年では、少子高齢化が社会問題となっていますが、それに伴った市場環境の悪化も懸念されています。それは不動産市場も例外ではありません。少子高齢化社会は、不動産の可能性にどのような影響を与えるのでしょうか。

少子高齢化社会が不動産の可能性に与える影響
(画像=Monkey Business Images/Shutterstock.com)

人口は減少し続け、高齢化が深刻に

国立社会保障・人口問題研究所が発表している2018年人口統計資料集によると2016年の日本の人口は約1億2,693万人となっています。前年の調査から約16万人が減少したことになります。

将来推計では、2030年には、人口の約31.2%が65歳以上、さらに国民の平均年齢が50歳になると予測しています。また、高齢化は日本だけではなく、世界の主要国でも社会問題になっています。その中でも日本は2005年以降、65歳以上の人口割合が最も高い国であることが同じ資料から見てとることができます。

所得税収が減ることから起きる医療問題も

日本の税収の内訳をみると、約半分は個人や法人からの所得税が占めています。このまま少子高齢化が進めば、労働市場の人材が少なくなり、納税者が減ることで税収が減少してしまうことも想定されます。税収が減少すると、税金によって補助されている医療の予算も削減されてしまうおそれがあります。

2018年現在、医療費のうち1~3割は自己負担であり、残りの医療費は国が負担しています。人口が多い自治体は税収も多くなりますが、人口が少ない自治体では税収が少なくなります。医療費そのものは全国で同じでも、税金で運営される公立病院では提供できるサービスに差が生まれ、地域間で医療格差が拡大する可能性があります。

高齢化とインフレの関連性

もう一点、頭に入れておきたいポイントは、日本の経済状況は高齢化によりインフレが起こる可能性があるということです。

ニュースや新聞などで、企業の「人手不足」「売り手市場」というワードを目にする機会が多いのではないでしょうか。総務省統計局の「労働力調査(基本集計) 平成30年(2018年)4月分 」によると、就業者数は6,671万人で前年同月に比べ171万人の増加、雇用者数は5,916万で前年同月に比べ159万人が増加しています。

就業者と雇用者が増加している一方、完全失業者数は180万人となり、前年同月に比べ17万人減少しました。同調査からは雇用が増えて、失業者率が減少している状況が読み取れます。

経済では、失業率とインフレは密接な関係があるとされ、失業率が高くなれば賃金が下がり、失業率が低くなれば逆に賃金が上昇します。このような失業率とインフレの関係を示した理論は「フィリップス曲線」と呼ばれています。

労働需要が増加する=失業率が低くなれば、賃金が高くなります。企業は労働力を確保するために、賃金を上げて多くの労働者を雇用しようとするのです。もちろん賃金が上がることは、現役世代であれば嬉しいことですが、現役世代の賃金が上昇すると、その分人件費コストが物価に反映され、需要と供給のバランスが崩れ、結果インフレを引き起こすことがあるのです。こうしたインフレは、年金生活者にとっては大きな打撃になるかもしれません。

少子高齢化とインフレにはどう対処すればいい?

今後、国内においては少子化が進んでゆくことが懸念されています。政府主導の移民の受け入れなどが活性化しない限り、この問題の解決は難しく、またそれを受け入れたとしても今度は治安の悪化などさまざまな問題が噴出することでしょう。いずれにせよ、少子化を解決することは容易ではありません。

一方、インフレが生じた場合、インフレ率に応じて日本円による資産は減少してゆきます。これを増やすにはインフレ率を上回る投資をしなければなりません。投資というとすぐに思いつくのは日本株ですが、少子化による雇用の悪化が懸念されている中で日本の株式市場がインフレを上回る成長率を長期的に保持できる可能性は甚だ低いと予想されます。また、高いリターンを誇る海外株式市場や外国為替証拠金取引(FX)などはリターンと同じ分だけ高いリスクが生じてしまいます。

では、これらに対処できるものはあるのでしょうか。少子高齢化とインフレに対抗できる投資。それはマンション経営です。2018年7月現在、地方では人口の減少が続いていますが、総務省の調べによると、三大都市圏は2050まで人口の増加が見込まれています。そして、マンション経営を行う際は、金融機関からの融資を受けて物件を購入するため、大きなレバレッジを利かせることが可能です。自分の手持ち資金や収入では、過疎化が進行しつつある地方の中古物件しか買えないとしても、金融機関から借り入れをすることで東京などの都心に新築の物件を持つことが可能となるでしょう。

また、マンション経営は物件を現物で持てるのが特徴です。収入源である家賃のコントロールも容易なため、インフレが生じたのであれば、そのインフレ率に合わせて家賃を上げることができるようになります。

将来のリスクはマンション経営で回避する

上述したように、今後の日本経済は少子高齢化とインフレという2つの課題を抱えています。労働力が減ってゆく中で、物価のみが上がってゆくのですから、今後、年金をはじめとする私たちの社会保障費全般はさらに先送りされるか、減額されるおそれもあるでしょう。これらの問題を解決し、安心とゆとりのある将来を望むのであれば、その手段にマンション経営を取り入れてみることは一考に価します。

そもそも投資の世界では、不動産は「インフレ資産」と呼ばれることもあり、インフレの際、価値の目減りする預金などに代わって生活を支えてくれる頼もしい礎となり得ます。いずれにせよ、これから先、年金などの政府主導の補助ではなく、私たちが自分自身で資産を守ってゆく時代になることだけは間違いありません。

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