「保険」という言葉でイメージする商品は、家族のために加入する死亡保険や自動車の任意賠償保険などではないでしょうか。しかし、巷には他にも多種多様な保険商品があり、特に新規参入のハードルが低い少額短期保険はユニークな「おもしろ保険商品」が際立っています。「おもしろ保険」のラインナップを眺めていると人生にはさまざまなリスクがあることが実感できるでしょう。

想定しきれないほどの出来事があることを考えると、ライフプランを立てるのは無駄と思うかもしれません。しかしこういった「おもしろ保険」が持つ意味を知ることは、今後のライフプランを見つめ直す良いきっかけにもなります。ここではさまざまな「おもしろ保険」を紹介しながら、ライフプランの重要性について解説していきます。

おもしろ保険にみるライフプランの重要性
(画像=Mizkit/Shutterstock.com)

実際にあるユニークな少額短期保険

少額短期保険制度は保険業法の改正により2006年に生まれました。一般的な生命保険や損害保険と少額短期保険の大きな違いは、引受上限額などの規制がある代わりに少ない資本金でも設立できることから新規参入しやすい点です。そのため以下のように個性的な保険がたくさん生まれています。

  • レスキュー費用保険(日本費用補償少額短期保険株式会社) 海以外の野外活動時に遭難して捜索や救助を受けた際、かかった費用が対象になる保険です。年間保険料4,000円で救助活動の人件費やヘリコプターの運行費用などの実費が300万円まで補償されます。登山だけでなくスキーやロッククライミングなどのアウトドアスポーツ、渓流釣り、写真撮影など 野外活動全般が対象であることが特徴です。

  • ぜんちのあんしん保険(ぜんち共済株式会社) 知的障がいや発達障がい、ダウン症、てんかんなどに該当する人とその家族・親族を対象にした保険です。入院など医療保障を中心に、被害事故発生時の弁護士費用、個人賠償責任保険などが付帯されます。例としてベーシックプランの内容を見てみると、月額1,300円で特定疾病以外の病気やケガの入院1日5,000円(30日限度)、死亡保険金10万円、個人賠償責任保険国内5億円などとなっています。

死亡保険金を抑える代わりに個人賠償責任保険や弁護士費用などを手厚くした保険といえるでしょう。ニッチなターゲットですが、障がいがあると一般的な保険に加入できない場合もあるため、このような保険を待ち望んでいた人は少なからずいることでしょう。

  • モバイル保険・スマホ保険 スマートフォンや携帯電話はキャリアに月額料金を支払って故障に備えている人も多いかもしれません。しかし、格安SIMの場合は充分なサポートを得られない人もいるのではないでしょうか。修理費用や盗難などに対応した保険は、複数の少額短期保険業者が取り扱っています。例えば月額700円で「年間最大10万円まで何度でも補償」「1契約で最大3端末まで補償」という商品もあります。

夢のある保険コンテスト

一般社団法人日本少額短期保険協会は、2015年から毎年3月2日に消費者からアイデアを公募する「おもしろミニ保険大賞コンテスト」を開催しています。コンテストでは「こんな保険あったらいいな」というアイデアを募集しており、入賞作品の中から最優秀賞1名、優秀賞2名、佳作3名が選定されます。ここでは将来実現するかもしれない夢のある「おもしろ保険」の応募内容の一部を紹介します。

  • 甲子園保険(2015年佳作) 甲子園出場を決めた学校に遠征費や滞在費を支払う保険です。個人のライフプランにおいて習い事にかかる費用は無視できないため、こういった保険があると役に立つかもしれません。

  • 桜散る保険(2016年優秀賞) 大学などの入学試験に不合格だったときに「もう1年だけ」浪人時代の予備校代を保険会社が支払うというアイデアです。

  • それでも僕はやってない(2015年佳作) 痴漢冤罪による弁護士費用や裁判費用を補償する保険です。2007年に冤罪事件を扱った映画として公開された『それでも僕はやっていない』のタイトルをつけていることにユーモアのセンスを感じます。痴漢冤罪の際に弁護士へのヘルプコールが付いた保険など、実用性の高い保険は2020年2月時点で商品化されています。

  • 出席停止の病気保険(2015年最優秀賞) 子どもがインフルエンザなどで一定期間学校や幼稚園を休むことになったとき、収入の減少や医療費などを補う架空の保険です。共働き夫婦が増え待機児童の問題も解消していない現在、ニーズは多いかもしれません。似たような保険として、自分や家族が急な病気やケガで旅行に行けなくなった場合のキャンセル料を補償する「旅行キャンセル費用補償保険」というものは2020年2月時点で実現しています。

これらは発生する可能性としては低いものの、発生するとライフプランに極めて重大な変化を及ぼすことも考えられます。いずれも架空の保険商品ですが、アイデアを出した人は現実にこのようなことで困っているのかもしれません。実現化しているような保険もあるため、さまざまなアイデアが今後も期待されます。

未来を見える化することで今やるべきことがわかる

ライフプランを綿密に立てても突発的な事態によってすべてが覆される可能性は十分あり得ます。それではライフプランを立てることに意味はないのでしょうか? 決してそのようなことはありません。ライフプランと現状を可視化することで「このまま達成できるかどうか」「難しいのであれば何をするべきか」などが少しずつ見えてきます。

例えば老後に悠々自適な暮らしをしたいのであれば、定年退職するまでに老後資金として約2,000万円が必要になるかもしれません。しかしライフプランをしっかりと立てておけば、「約2,000万円を定年退職までに貯めるには毎月いくら積み立てていく必要があるのか」など具体的な金額をイメージすることができます。

もし突発的な事情で計画の維持が難しくなったら、その時点でライフプランの修正をすればいいのです。またライフプランの作成はリスクの分析にも役立ちます。例えば世帯収入が自分だけかつ勤め先から受け取る給与のみの場合は、万が一のときに残されてしまう家族が路頭に迷わないよう死亡保険へ加入しておくのが一般的です。

自営業者であれば病気で働けなくなったときに備えて所得補償保険や医療保険を検討することが必要になります。ライフプランを作成するには将来やりたいことや理想の生活をイメージして、時系列で収入と支出の一覧表を作成し「見える化」しておくとよいでしょう。このようにして作った表をキャッシュフロー表といいます。

インターネット上でさまざまなひな形をダウンロードすることも可能です。しかし詳細な内容を作りたければファイナンシャル・プランナーに相談するとよいでしょう。

ライフプランは目標に向かうためのツール

ニッチなニーズに応えたおもしろ保険や一般消費者による「こんな保険がほしい」というアイデアを紹介しました。これらの多種多様ぶりからは、人生がいかに起伏に富んでいるかが分かります。だからこそライフプランをしっかりと立てることでリスクに備え、ときには修正しながら理想の生活に向かっていくことが大切です。

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