最終更新日:2024/6/4

世の中には、「珍しい投資用不動産」が存在しています。はじめて不動産投資を行う人の中には、一般的な物件ではなく、変わり種の不動産にひかれる人もいるでしょう。ニッチビジネスともいえる珍しい物件の不動産投資は、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。本稿では、変わった投資用不動産について説明します。

珍しい不動産投資には手を出すな!ニッチビジネスが迎える末路
(画像=Tinnakorn jorruang/Shutterstock.com)

目次

  1. 世の中にはさまざまな投資用不動産が存在する
  2. 変わり種の不動産投資には危険がいっぱい
  3. シェアハウス騒動の結果は?
  4. 不動産投資は安定性を重視すること

世の中にはさまざまな投資用不動産が存在する

投資用不動産というと、多くの人はマンションやアパートを想像するのではないでしょうか。しかし、投資用不動産はそれだけに留まらず、さまざまな種類があります。例えば、山林投資です。人里離れた山林であっても、水や植物・鉱物などの資源を確保することを目的とした売買もありえるでしょう。また、無人島の不動産売買というものもあります。

無人島を購入する目的は、「お金持ちが個人で所有する」「港湾を作る」「リゾート施設を作る」などさまざまです。このほかにも、変わった投資用不動産はあります。例えば、設備が不便だったり欠落していたりするようなデメリットを抱えた不動産だけを紹介しているような業者です。また、地方の僻地(へきち)のため、ほとんど無料で売買できるような物件だけを紹介しているところもあります。

さらに、時代のニーズを先取りして民泊用の収益物件のみを集めているところなど、一口で投資用不動産といっても、実態はさまざまなのです。

変わり種の不動産投資には危険がいっぱい

変わり種の不動産物件というものは、いわゆる「ニッチビジネス」と呼ばれる分野に含まれます。これらを活用して物件を運用することも、ニッチビジネスを行うことといえるでしょう。すき間産業ともいわれるこの分野には、いくつかの特徴があります。ニッチビジネスは、ほかの業者がいなかったり、ごく少数であったりするため、価格付けが比較的自由です。

安価であっても、顧客を独占できるため高収益が見込めます。一方のデメリットは、まず市場の幅が狭いことです。例えば、テレビの大河ドラマなどで一時的に地方に人が訪れるようになった場合、ブームが去ってしまうとそこは単なる僻地に戻ってしまう可能性が高くなります。そういった場所に物件を購入すると、ずっと空き室になってしまいかねません。

また、市場が大当たりした場合、さまざまな人が柳の下の2匹目のドジョウを狙ってくるため、あっという間に市場は飽和状態になってしまう可能性もあります。さらに、不動産として考えると仮に無人島であれば、自分で風車を立てたりインフラを整えたりすることから始めなければいけません。そのため、一般的な不動産投資よりもはるかに難易度は高くなりかねないのです。

シェアハウス騒動の結果は?

同様に変わった不動産として、2018年4月に話題になった女性専用のシェアハウス「かぼちゃの馬車」が挙げられます。シェアハウスを展開していた株式会社スマートデイズは、家賃保証のうえ、毎月数万円ほどの利益が得られることをうたい文句にオーナーを募集していました。ところが、シェアハウスとしてあまり質の良くないアパートを乱立させていきます。

そのため、かぼちゃの馬車は入居率が低下し採算が取れなくなり、結果的に賃貸料の支払いがストップしてしまったのです。女性専用のシェアハウスというと、顧客ニーズはありそうな印象を受けます。しかし、物件がニーズにそぐわないものでは意味がありません。このように変わった不動産投資に手を出してしまうと、ほかに比較できる事例がないため、さまざまなリスクが押し寄せてくる可能性があるのです。

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不動産投資は安定性を重視すること

不動産投資はもちろん、あらゆる投資に通じる言葉として「淡々」と行うということが肝心です。投資というと、ギャンブル的な発想と混同して大儲けすることばかりを想像してしまう人は結構いるのではないでしょうか。しかし、本物の投資というのは、おもしろいことばかりではありません。不動産投資においてもこれは同じです。あらゆるリスクを想定し、リスクを低下させたり排除したりしたうえで感情的にならず「淡々」と行い続けることが大切になります。

例えば、マンション経営であれば、20年、30年という長い期間管理会社と二人三脚で歩み続けることが重要です。そのため、不動産投資を行う際には長期投資を前提とした安心感ある物件選びを心がけることをおすすめします。

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