100万円で資産運用はできる?おすすめの方法7選と運用する際の注意点を解説
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まとまった資金として「100万円」を手にしたとき、どう活用すべきか悩む方は多いのではないでしょうか。銀行に預けるだけでは金利がほとんどつかない現在、投資による資産運用は賢い選択肢の一つです。

2024年には新NISA制度がスタートし、投資初心者にとっても資産運用のハードルが下がった今、2025年はまさに“はじめ時”とも言えるタイミングです。

この記事では、100万円をどう投資すればよいかという疑問に対し、目的やリスク許容度に応じたおすすめの投資方法を解説していきます。

目次

  1. 100万円のおすすめ投資プラン3選
  2. NISAやiDeCoを活用して、投資効率を最大化しよう
  3. 100万円投資で失敗しないためのポイント
  4. 100万円投資を始めるまでのステップ
  5. 100万円を活かすには「目的」と「分散」がカギ

100万円のおすすめ投資プラン3選

100万円で資産運用はできる?おすすめの方法7選と運用する際の注意点を解説
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投資には「これが正解」という唯一の答えはありません。大切なのは、自分の目的やライフスタイル、そしてリスク許容度に合った方法を選ぶことです。ここでは、「損をできるだけ避けたい」「安定的に増やしたい」「高いリターンを狙いたい」といった目的別に、100万円のおすすめ投資プランを3つご紹介します。

【堅実型】できるだけ損を避けたい人におすすめの投資

投資にまだ慣れておらず、大きなリスクは取りたくないという方には、「元本割れリスクが比較的低い商品」を組み合わせる方法が向いています。

個人向け国債(変動10年)

日本国が発行する債券で、信用リスクは非常に低いとされています。金利は半年ごとに見直され、市場金利が上がれば利息も増加します。中途換金制度もあるため、流動性にも優れています。

個人向け社債(格付けの高い企業)

大手企業が発行する社債は、国債より若干利回りが高く、比較的安定した利息収入が期待できます。ただし、発行体の信用リスクはゼロではないため、格付けの確認は重要です。

【安定運用型】中長期でじっくり増やしたい人向け

「多少のリスクは受け入れてもいいから、数年後に資産を増やしていきたい」という方には、分散投資を意識した中長期型の運用がおすすめです。

インデックス型投資信託

特定の株価指数に連動する投資信託は、コストが低く、広範囲に分散された投資が可能です。短期的には上下に大きく動くことがありますが、長期保有で市場全体の成長を取り込むことができます。

ロボアドバイザー

ロボアドバイザーは、AIやアルゴリズムがユーザーに合った資産配分を自動で最適化するサービスです。100万円をまとめて投資しても、内部で株式や債券、不動産などに幅広く分散するように運用することも可能なため、リスクを抑えながら中長期的なリターンを狙えます。

【攻めの型】高いリターンを狙いたい人向け

「100万円を元手に、大きく増やしたい」という意欲的な方には、リスクを理解したうえで高リターンを狙える商品に挑戦する方法があります。

米国個別株・グロース株

テスラやアップル、マイクロソフトなどの成長性の高い米国企業に直接投資する方法です。値動きは大きいものの、優良企業を見極めることができれば大きなリターンも期待できます。

暗号資産

近年注目を集める投資先として、ビットコインをはじめとする暗号資産があります。大きな値動きがあり、ハイリスク・ハイリターンの代表格ともいえる投資先ですので、少額から始めてリスクをコントロールすることが求められます。

国内株の信用取引(※経験者向け)

資金を担保にレバレッジをかけて投資できる信用取引は、少ない元手で大きなリターンを狙える手法です。ただし、その分リスクも高く、相場が想定と逆方向に動いた場合には大きな損失を被る可能性があります。あくまでも投資経験者向けの手法であり、資金管理とリスク管理を徹底できる方のみ検討すべきでしょう。

NISAやiDeCoを活用して、投資効率を最大化しよう

100万円で資産運用はできる?おすすめの方法7選と運用する際の注意点を解説
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投資の成果を高めるうえで、「どこで買うか」「どう保有するか」は非常に重要です。その中でも、NISAやiDeCoといった税制優遇制度を活用することで、利益にかかる税金を抑えながら資産を増やすことができます。

NISA(少額投資非課税制度)

NISAは、投資信託や株式で得た利益が非課税となる制度です。通常、投資の利益には約20%の税金がかかりますが、NISA口座内での運用ではこの税金がかからないため、利益をそのまま再投資に回すことができ、資産形成を加速させやすくなります。2024年には制度が大きく刷新され、現在は「新NISA」として生涯にわたって使えるようになりました。

新NISAでは、年間最大360万円までの投資が可能で、「つみたて投資枠」(年間120万円)と「成長投資枠」(年間240万円)を自由に組み合わせることができます。現状、生涯で非課税で投資できる上限は1,800万円となっています(そのうち成長投資枠の上限は1,200万円)。

いつでも解約・引き出しが可能で、投資資金の自由度が高い点も特徴です。これから投資を始めたい初心者にも非常に適した制度といえるでしょう。

iDeCo(個人型確定拠出年金)

iDeCoは、将来の年金資金を自分で積み立てて運用する制度で、掛金の全額が所得控除の対象となる点が最大の魅力です。

さらに、運用益も非課税となるため、長期での積み立て効果とあわせて高い節税効果が期待できます。

月々の掛金上限は職業によって異なり、以下のように上限が設けられています。

区分該当する人掛金上限(月額)
国民年金第1号被保険者
自営業者・フリーランス6万8,000円
国民年金第2号被保険者
(厚生年金保険の被保険者)
会社員(企業型DC・確定給付なし)2万3,000円
会社員(企業型DCのみに加入)2万円
会社員(確定給付型年金に加入)1万2,000円
公務員1万2,000円
国民年金第3号被保険者
専業主婦(夫)など2万3,000円
任意加入被保険者 任意加入している自営業者など6万8,000円

※「企業型DC」「確定給付型年金」については、ご自身の勤務先の制度内容を確認しましょう。

ただし、原則として60歳になるまで資金の引き出しはできません。そのため、短期的に使う可能性がある資金には向いておらず、長期拘束されることを十分理解した上で活用しましょう。

100万円投資で失敗しないためのポイント

投資は正しく行えば資産形成の強力な味方になりますが、使い方を誤ると「せっかくの元手を減らしてしまった」という結果にもなりかねません。ここでは、100万円を投資する際に押さえておきたい重要なポイントをご紹介します。

「長期・分散・積立」こそが投資の基本

投資で失敗しないために最も大切な考え方は、「長期・分散・積立」の3つの柱です。これは、金融庁などの公的機関も推奨している、初心者にも安心な投資の基本戦略です。

長期:短期的な値動きに一喜一憂せず、数年〜数十年単位でじっくり運用することで、複利の効果やリスク平準化が期待できます。

分散:特定の資産や地域に偏らず、複数の商品に投資することで、ひとつの値下がりによる影響を和らげます(例:株+債券、国内+海外など)。

積立:毎月一定額をコツコツと投資する「ドルコスト平均法」を活用することで、購入タイミングのリスクを分散し、高値づかみを避けることができます。

「急いで儲けよう」という考えは、しばしば失敗の原因になります。焦らず、着実に資産を育てていく姿勢が、結果として安定した資産形成につながります。

参考:資産形成の基本(金融庁)

高利回り・高配当の「うまい話」には要注意

SNSやYouTubeなどでは、「誰でも儲かる」「利回り年10%以上保証」など、派手な投資案件を紹介しているケースも見かけます。こうした情報には、根拠が曖昧なものや、最悪の場合は詐欺に近いものも含まれています。

信頼できる証券会社や金融機関、公式な制度を通じた投資であるかを必ず確認しましょう。わからない点があれば、金融機関の窓口や信頼できるファイナンシャルプランナーに相談することをおすすめします。

生活資金と投資資金を混同しない

「100万円すべてを投資に使ってしまったけど、急な出費が発生して困った」というケースは少なくありません。投資資金はあくまで“余裕資金”であるべきで、生活費や急な医療費、家電の買い替えなどに備えた資金は別途確保しておくことが大前提です。

100万円投資を始めるまでのステップ

実際に100万円の投資を始めるにあたり、どのような手順で進めていくべきでしょうか。ここでは、初心者でも安心して投資を始められるように、投資を始めるまでの具体的なステップをご紹介します。

ステップ1:投資の目的と期間を明確にする

最初に行うべきは、「何のために投資をするのか」を自分なりに整理することです。

  • 5年後に住宅購入の頭金にしたい
  • 老後資金の足しにしたい
  • 資産を着実に増やしたい

といった目的によって、選ぶ商品や運用スタイルは大きく変わります。

また、「いつまでに使う予定があるか(=運用期間)」を決めることで、リスクの取り方も見えてきます。

ステップ2:証券口座を開設する

目的が定まったら、次は証券口座の開設です。初心者の方には、以下のようなポイントで選ぶのがおすすめです。

  • つみたてNISAやiDeCoに対応しているか
  • スマホでも操作しやすいか
  • 投資信託やETFの取り扱いが充実しているか
  • 手数料が明確で安いか

また、すでに投資したい商品やジャンル(例:米国株、テーマ株、特定の投資信託など)が決まっている場合は、その商品が取り扱われているかどうかも事前に確認しておきましょう。証券会社によっては、一部の商品が購入できないケースもあります。

ステップ3:少額から運用を始めて慣れる

いきなり100万円全額を投資するのではなく、まずは少額からスタートするのが安心です。たとえば、最初は20万円程度から始めて投資の仕組みや感覚をつかみ、その後に徐々に投資額を増やしていくという方法が安心です。 特に株式投資などでは、最初から大きな資金を投じると、相場の変動に一喜一憂してしまい、冷静な判断ができなくなる可能性があります。少額からスタートすれば、万が一損失が出ても心理的ダメージが小さく、学びとして捉えることができます。

投資信託やロボアドバイザーなど、商品によっては100円からでも始められるので、まずは実際にやってみることが大切です。操作に慣れ、値動きにも冷静に対応できるようになれば、徐々に投資額を増やしていくことができます。 また、投資を始めたら継続的に勉強することも重要です。投資セミナーへの参加や投資関連の本を読むことで知識を深め、より良い投資判断ができるようになるでしょう。投資は一度始めたら終わりではなく、常に学び続けるプロセスだと考えましょう。

100万円を活かすには「目的」と「分散」がカギ

100万円という資金は、投資を始めるに十分なスタートラインです。 大切なのは、「自分の目的に合った手法を選ぶこと」と、「長期・分散・積立という投資の基本」を意識することです。

加えて、投資は始めた後の“継続力”が何より重要です。一度に成果が出るものではありませんが、焦らずコツコツ続けることで、将来に向けた大きな土台を築いていくことができます。

投資は、正しい知識と冷静な判断があれば、あなたの資産形成を力強くサポートしてくれるツールになります。100万円という資金をスタートに、長期的な視点で着実に資産を育てていきましょう。

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