100万円で資産運用はできる?おすすめの方法7選と運用する際の注意点を解説
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丸山 優太郎
丸山 優太郎
日本大学法学部新聞学科卒業のライター。おもに企業系サイトで執筆。金融・経済・不動産系記事を中心に、社会情勢や経済動向を分析したトレンド記事を発信している。

資産運用は多額の資金が必要というわけではなく、100万円でも十分に行うことができます。特に投資初心者にとっては、100万円程度から始めるのが適しています。本記事では、100万円を運用する際におすすめの方法や注意点などについて解説します。

目次

  1. 1.100万円で始められるおすすめの資産運用7選
  2. 2.100万円の資産運用で活用したいおすすめの制度
  3. 3.100万円で資産運用をする際の注意点
  4. 4.100万円は初めての資産運用にちょうどよい金額

1.100万円で始められるおすすめの資産運用7選

100万円で資産運用はできる?おすすめの方法7選と運用する際の注意点を解説
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2024年1月から新NISA(少額投資非課税制度)が始まり、これまで投資経験のない人も新たにNISA口座を開設するケースが増えています。

日本証券業協会の調べによると、2024年1~5月累計のNISA口座開設数は前年比で2.6倍に達しています。明らかに新制度スタートの影響と考えられます。収入が思うように伸びない中、余剰資金を運用して少しでも資産を増やしたいと考える人が多いようです。

ここでは、100万円で始められる代表的な資産運用法として、以下の7つを紹介します。

1-1.株式投資

株式投資は証券取引所に上場している企業の株式を売買して、売却益(キャピタルゲイン)や配当金(インカムゲイン)などを得る投資方法です。

具体的には、成長株を長期に保有して株価の上昇に期待する方法と、安定して配当金を増やし続ける「連続増配株」で高配当利回りを得る方法などがあります。

また、株主になると自社製品や優待券がもらえる株主優待を目的に投資する人も多いです。優待投資は株主優待を目的に保有を続けるので、自動的に長期投資になるメリットがあります。

最近では1株単位で売買できる証券会社も増えているので、株価の高い優良株でも数千円、数万円で投資できるようになりました。値下がりリスクに不安を感じる人は、1株投資から始めて徐々に株数を増やしていく方法も有効です。

1-2.債券投資

債券投資は国内外で発行される国債や社債などを購入する投資方法です。リスクの低い投資方法として定評がありますが、近年の超低金利で資産運用先としての魅力は薄れています。

個人向け国債の利率は2024年7月4日~2024年7月31日募集分で、固定金利3年が0.38%(税引前)、固定金利5年が0.61%(税引前)、変動金利10年が0.72%(税引前)となっています。

一方、海外で発行される国債は今も高利率のものがあります。米国債は、2024年7月12日のニューヨーク債券市場で10年債(表面利率4.375%)の利回りが4.18%を付けています。日本国債とは比較にならないほどの利回りで、為替が円安になる要因にもなっています。

また、地方自治体が発行する地方債や、企業が発行する社債も債券の中では利率が高いほうです。社債の例として2024年7月30日払込期日の「三井住友フィナンシャルグループ10年(最短5年)無担保社債」の利率は1.393%です。

1-3.投資信託

投資信託は一般的には株式投資信託のことを指します。テーマに沿って多数の銘柄を組み入れたファンドをファンドマネージャーなどのプロが運用するので、高い運用利回りが期待できる商品です。

株式投資信託には大きく分けて「インデックス型投資信託」と「アクティブ型投資信託」があります。インデックス型投資信託は、日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)、米国のS&P500などの主要な株価指数と連動した投資成果を目指す商品です。

もう1つのアクティブ型投資信託は、ファンドマネージャーによる独自の銘柄選択で、ベンチマークになる株価指数を上回る運用成果を目指す商品です。

インデックス型は安定した運用が見込める半面、株価指数を上回る利益になることはありません。アクティブ型は銘柄構成が良ければ大きな運用成果を狙える半面、株価指数を下回る結果になる場合もあります。一長一短なので、「安定」か「成長」か自分の求める投資スタイルに合わせて選ぶことが必要です。

1-4.ETF(上場投資信託)

ETFは、東京証券取引所に上場している投資信託です。ファンドの運用方法は非上場の投資信託と変わりませんが、株式と同じようにリアルタイムで売買できます。ETFの運用タイプは基本的にインデックス投資信託です。

インデックス投資信託の代表的な銘柄である「1570 NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」は、売買高ランキングで上位10銘柄に入るほど市場で人気を集めています。日経平均と同じ動きをするため、この銘柄を買うことで日経平均採用銘柄をまとめて買うのと同じ運用効果があります。

逆に日経平均が下落することで利益が出るETFもあります。「1357 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信」がその銘柄で、日経平均株価の変動率に対して-2倍の動きになるように設計されている銘柄です。したがって、市場が上昇したときはレバレッジが買われ、下落したときはインバースが買われることになります。

ほかにも各種株価指数に連動して動く銘柄があるので、自分が注目している指数を選んで投資するのもよいでしょう。

1-5.REIT(不動産投資信託)

REITは、複数の不動産でポートフォリオを組んで運用する投資信託です。投資法人が投資家から集めた資金で不動産を購入し、運用の結果得た利益を投資家に配当する仕組みです。

J-REITはETFと同様に東京証券取引所に上場しており、非上場のREITと区別するためにJの頭文字が付けられています。平均利回りが4.65%(2024年7月12日現在、以下同)と高いのが魅力です。

J-REITは不動産に特化した投資信託なので、運用成績は極めて安定しており、上場58銘柄の中で無配はなく、利回りランキング最下位の銘柄でも3.44%を確保しているので、安心して投資できます。

上場しているREITはリアルタイムで売買できるので、株式投資を行っている人には、やりやすい不動産投資といえます。

1-6.不動産クラウドファンディング

不動産クラウドファンディングは1口1万円から手軽に投資できる、不動産小口化商品です。複数の不動産を運用するREITと異なり、単一の不動産で運用することから現物不動産投資に近い感覚があります。

募集する不動産はマンションなどの居住用住宅、オフィス、商業施設、ホテル、店舗、土地、海外物件など多彩で、毎月新しいファンドの募集が行われます。募集方式は先着式と抽選式があり、先着式の優良案件はすぐに満口となります。不動産クラウドファンディングは買えないことがデメリットといわれるくらい人気のある商品です。

運用期間は3ヵ月、6ヵ月、12ヵ月、24ヵ月などファンドによって異なるので、運用期間の異なるファンドに分散投資するのも有効な方法です。

利回りが概ね3~8%程度と高いですが、運用期間が決まっているので、長期投資には向いていません。

1-7.マンション投資

マンション投資は、借入金を利用して他人資本で運用することができる投資方法です。100万円を頭金にして融資を受けられれば、少額の自己資金でもマンションを購入できます。入居者を得て順調に経営できれば、ローン返済は家賃収入で行うので、少額の支払いで運用することが可能な大変有利な投資方法といえます。

ただし、空室リスクがあるので、需要が高いエリアの物件を購入する必要があります。具体的には「都心の駅徒歩10分以内」の物件が好立地物件といわれています。

物件タイプ別では新築ワンルームマンションが、需要が多い点で優位になります。新築で探しているユーザーは潜在的に多く、ワンルームは学生や単身の会社員などが中心層であるため、通勤・通学の便を考え駅近物件が人気です。

さらに、ローン完済後は家賃収入の多くが手元に残るため、年金収入と合わせて老後資金にゆとりを持たせることができます。

2.100万円の資産運用で活用したいおすすめの制度

100万円で資産運用はできる?おすすめの方法7選と運用する際の注意点を解説
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100万円を資産運用するときに気になるのが売却益や配当金にかかる税金です。そこで利用したいのが、NISA(少額投資非課税制度)とiDeCo(確定拠出型個人年金制度)です。2つの制度の概要を確認しておきましょう。

2-1.NISA(少額投資非課税制度)

NISAは非課税投資枠の範囲内で購入した株式や投資信託から得られる売却益や配当金・分配金が、非課税になる税優遇制度です。2024年1月から始まった新NISAでは、個別株と投資信託を買える「成長投資枠」が年間240万円、一定の投資信託のみ買える「つみたて投資枠」が年間120万円の合計360万円まで非課税で投資できるようになりました。

一般口座で得た利益には20.315%(復興特別所得税を含む)の税金がかかり、100万円の利益に対しては約20万円の税金が源泉徴収されます。NISAのメリットがいかに大きいかがわかります。

NISAには総枠があり、1,800万円まで(内数として成長投資枠は1,200万円まで)非課税で投資できます。NISA口座内で保有している株式などを売却した場合は、総枠の再利用が可能なのも大きなメリットです。

18歳以上から利用でき、保有期間は無期限なので、生涯非課税で投資を続けることが可能です。

2-2.iDeCo(確定拠出型個人年金)

iDeCoは自分で決めた金額を掛金として拠出し、毎月積み立てて運用した資金を、60歳以降に年金として受け取る個人年金制度です。受け取れる年金は運用結果によって異なるので、年金と資産運用を併せ持った性質の制度といえます。

掛金や受け取る年金は所得控除でき、積立中の運用益も非課税となります。毎月の拠出金額は職業によって以下のように上限が設けられています。

区分毎月の拠出額
国民年金第1号被保険者
(自営業者等)
6万8,000円
国民年金第2号被保険者
(厚生年金保険の被保険者)
確定給付型の年金及び企業型DCに加入していない場合(公務員除く)2万3,000円
企業型DCのみに加入している場合2万円
確定給付型の年金のみ、または確定給付型と企業型DCの両方に加入している場合1万2,000円
公務員1万2,000円
国民年金第3号被保険者
(専業主婦(夫)等)
2万3,000円
国民年金任意加入被保険者 6万8,000円

iDeCoは一度に100万円を投資することはできませんが、例えば会社員の場合、月2万3,000円をiDeCoで、月6万円をつみたてNISAで運用すれば、年間約100万円を積み立てることができます。iDeCoとNISAを上手く併用して無駄なく運用するのもよいでしょう。

3.100万円で資産運用をする際の注意点

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資産運用にはリスクが伴います。少しでも資産を増やすつもりが、投資した商品が期待に反して値下がりし、思わぬ損失を被ることがあります。100万円で資産運用をする際は、以下の5つの点に注意しましょう。

3-1.余剰資金の100万円で始める

100万円で資産運用する場合は、余剰資金で行うことが大前提です。ぎりぎりの生活費の中から投資しても落ち着いて運用することは難しいです。相場が上昇しているときはよいですが、コロナショックのような暴落が起きたときは慌てて売却することになりかねません。

当面使うつもりがない資金を投じれば、多少の値下がりがあっても、相場が回復するまで保有を続けることができます。

3-2.知識や情報はある程度備えておく

運用資金が少額であったとしても、投資の知識や情報はある程度備えておくことが望ましいです。知識は良質なノウハウ本である程度蓄積できます。情報は口座開設した証券会社のホームページで得るのが最も効率がよいです。

インターネット上にある投資系のサイトも参考になりますが、紹介される推奨銘柄はあくまで証券アナリストなどの個人的見解なので、最終的な投資の判断は自分で行う必要があります。

また、最近はSNSを利用して有名人の写真や名前を出して釣る投資詐欺も増えているので、「2倍3倍が狙える銘柄」など誇大な表現がある広告には、手を出さないようにしましょう。

3-3.分散投資でリスクを抑える

リスクの低い資産運用を行うには分散投資が基本です。株価1万円の銘柄を100株購入した場合、値下がりすると損失が膨らむ一方となります。

しかし、株価3000円の銘柄を、業種を変えて3銘柄に100株ずつ分散投資した場合、1つは値下がりしても残りの2つは値上がりしているケースがあります。評価益があることで心に余裕を持てるので、慌てて損切りする心配もありません。

分散投資の具体的な方法には、日本株と外国株に分ける「地域の分散」、輸出関連株と内需関連株に分ける「業種の分散」、株式と不動産に分ける「カテゴリーの分散」、一定の株数を数回に分けて購入する「時間の分散」などがあります。

3-4.定期的にポートフォリオの見直しを行う

運用する資産の構成を表すポートフォリオは、定期的に見直す必要があります。

例えば、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)のポートフォリオは、国内債券、外国債券、国内株式、外国株式がそれぞれ25%になることを基本にしています。株式と債券が50%±11%の範囲から逸脱することがないように運用されていますが、2024年3月末時点では49.19%対50.81%なので基本にほぼ近いことがわかります。

このように定期的にポートフォリオの構成比をチェックし、バランスが崩れていたら増えすぎた資産を売却し、減った資産を買い増すなどの調整をする作業が必要です。

3-5.確定申告の必要性を確認する

投資の収益額によっては確定申告が必要になる場合があります。証券投資で100万円を運用する場合は、NISA(少額投資非課税制度)を利用すれば、いくら利益が出ても確定申告する必要はありません。

証券投資ではNISA以外でも、証券会社の特定口座(源泉徴収あり)を利用すると、証券会社が年間の譲渡損益、利子所得・配当所得を計算してくれるので、原則として確定申告は不要です。投資家には証券会社から「特定口座年間取引報告書」が送付されます。

一方で、一般口座や特定口座(源泉徴収なし)での取引は申告分離課税による確定申告が必要なので、利用する場合は注意しましょう。不動産投資クラウドファンディングも、ほかの雑所得と合計で20万円以上の所得があった場合は確定申告が必要です。

4.100万円は初めての資産運用にちょうどよい金額

100万円で資産運用はできる?おすすめの方法7選と運用する際の注意点を解説
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初めての資産運用でいきなり数千万円を投入するのはリスクが高いです。しかし、1万円を5%の利回りで運用しても収益はわずか500円にしかならないため、投資金額のバランスが重要です。

100万円という金額であれば5%の利回りで運用した場合、5万円の収益を得ることができ、投資成果としては十分です。100万円は多すぎず少なすぎず、ちょうどよい投資金額といえるでしょう。

ただし、運用方法や選ぶ商品によって成果は変わります。投資をする際には注意点を考慮し、非課税制度を活用しながら資産運用で成果を上げることを目指しましょう。

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