最終更新日:2024/9/26
 
日本で一番儲かっている会社は
(画像=TobiasArhelger/stock.adobe.com)
本間 貴志
本間 貴志
ビジネス書・実用書専門の「アスラン編集スタジオ」の編集ライターを経てフリー。2015年より秋田県に移住、テレワークによる柔軟な働き方を実践中。

一口に、「日本で一番儲かっている会社」といっても、さまざまな指標があります。ここでは、「売上高」「営業利益」「総資産額」「過去10年の純利益積み上げ」「1人当たり営業利益」など、計5つの指標のランキング1位および2位から10位までの会社を紹介します。儲かりまくっている、うらやましい会社はどこでしょうか。

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目次

  1. 日本で一番儲かっている会社、売上高1位はトヨタ自動車
  2. 日本で一番儲かっている会社、営業利益1位はトヨタ自動車
  3. 日本で一番儲かっている会社、総資産額1位は日本郵政
  4. 日本で一番儲かっている会社、過去10年の純利益積み上げで1位はトヨタ自動車
  5. 日本で一番儲かっている会社、1人当たり営業利益で1位はINPEX
  6. トヨタ自動車がずっと儲かっている会社でいられるかに注目!

日本で一番儲かっている会社、売上高1位はトヨタ自動車

日本で一番儲かっている会社は
(画像=wolterke/stock.adobe.com)

まず、国内上場企業の売上高ランキング(2024年9月時点)で見た場合の日本で一番儲かっている会社からです。断トツ1位はトヨタ自動車。2位ホンダに25兆円以上もの差をつけ、莫大な売上を叩き出しています。

順位企業名売上高業種
1位トヨタ自動車45兆953億円自動車
2位ホンダ20兆4,288億円自動車
3位三菱商事19兆5,676億円商社
4位伊藤忠商事14兆299億円商社
5位ENEOS13兆8,566億円石油
6位NTT13兆3,745億円通信
7位三井物産13兆3,249億円商社
8位ソニーグループ13兆207億円電気機器
9位日産自動車12兆6,857億円自動車
10位日本郵政11兆9,821億円サービス
(出所:日経新聞 電子版 「売上高ランキング」2024/9/11更新)

売上高ランキングの2位から10位にも目を転じてみましょう。最近は日本経済を支えてきたモノづくり産業の勢いが弱まっているとの見解もありますが、トヨタ自動車に加えて2位のホンダなど、製造業中心の企業がまだまだ存在感を示しています。

また、売上ランキングのトップ10では商社が目立つという傾向もあります。三菱商事(3位)、伊藤忠商事(4位)、三井物産(7位)などの商社がランクインしています。

日本で一番儲かっている会社、営業利益1位はトヨタ自動車

日本で一番儲かっている会社は
(画像=tadamichi/stock.adobe.com)

儲かっている会社の指標としては、やはり本業の利益を示す「営業利益」は外せないでしょう。ここでもトヨタ自動車が1位で、2位の日本電信電話(NTT)と3兆円以上の大きな差をつけています。

順位企業名営業利益業種
1位トヨタ自動車5兆3,529億円自動車
2位日本電信電話(NTT)1兆9,229億円通信
3位ホンダ1兆3,819億円自動車
4位ソニーグループ1兆2,088億円電気機器
5位INPEX1兆1,141億円鉱業
6位KDDI9,615億円通信
7位SB8,760億円通信
8位日本製鉄7,786億円鉄鋼
9位日立製作所7,558億円電気機器
10位関西電力7,289億円電力
(出所:日経新聞 電子版 「営業利益ランキング」2024/9/11更新)

ちなみに、ランキング1位のトヨタ自動車の「過去5年間の営業利益(2020年〜2024年)」の推移は次のとおりです。

年度営業利益(十億円)営業利益率
2020年2,3398.0%
2021年2,1978.1%
2022年2,9959.5%
2023年2,7257.3%
2024年5,35211.9%
(出所:トヨタ自動車公式サイト「業績ハイライト・財務指標」2024年9月時点

営業利益の推移を見ると、トヨタ自動車が中期的に安定的な利益を維持していることがわかります。

日本で一番儲かっている会社、総資産額1位は日本郵政

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(画像=J_News_photo/stock.adobe.com)

総資産額は、その会社の儲けを示す間接的な指標と考えられます。なぜなら、過去の儲けの積み上げが総資産額に反映されている可能性もあるからです。端的に、儲けのない会社は資産を増やすことができません。

総資産額の1位は日本郵政。2位のトヨタ自動車に200兆円以上というケタ外れの差をつけています。

順位企業名総資産額業種
1位日本郵政298兆6,891億円サービス
2位トヨタ90兆1,142億円自動車
3位日本取引所80兆6,826億円その他金融
4位ソフトバンクグループ46兆7,242億円通信
5位ソニーグループ34兆1,074億円電気機器
6位ホンダ29兆7,741億円自動車
7位日本電信電話(NTT)29兆6,042億円通信
8位SBI27兆1,393億円その他金融
9位三菱商事23兆4,595億円商社
10位楽天グループ22兆6,255億円サービス
(出所:日経新聞 電子版 「総資産額ランキング」2042/9/11更新)

ただし、日本郵政の総資産額は、民営化前の郵便事業の資産を引き継いだもの。日本の郵便事業は鉄道ネットワークとともに発展してきた歴史があるため、主要駅の近くに郵便関連の不動産を多数抱えているのです。

このような背景を考えると、利益を積み上げてきた結果の総資産額という意味では、トヨタ自動車が1位といえるのではないでしょうか。

日本で一番儲かっている会社、過去10年の純利益積み上げで1位はトヨタ自動車

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(画像=Artinun/stock.adobe.com)

念のため、東洋経済がまとめた「過去10年で純利益を積み上げた会社」も見てみましょう。この指標をチェックすることで、中長期的に儲け続けている会社がわかります。

純利益積み上げランキングでも、1位はやはりトヨタ自動車。ここまで見てきたように、「売上」「営業利益」「純利益の積み上げ」でいずれも1位のトヨタ自動車は、間違いなく「日本で一番儲かっている会社」といえるでしょう。

順位企業名10年間の純利益
1位トヨタ自動車25兆2,618億円
2位三菱UFJフィナンシャル・グループ9兆8,172億円
3位日本電信電話(NTT)9兆2,653億円
4位三井住友ファイナンシャル・グループ7兆2,599億円
5位ホンダ6兆7,190億円
6位ソフトバンク・グループ6兆1,395億円
7位ソニーグループ6兆460億円
8位KDDI5兆9,383億円
9位三菱商事5兆6,325億円
10位みずほフィナンシャル・グループ5兆2,441億円
(出所:東洋経済ONLINE「過去10年で純利益を積み上げた会社」2024/9/25)

日本で一番儲かっている会社、1人当たり営業利益で1位はINPEX

日本で一番儲かっている会社は、トヨタ自動車との結論だと「当然だろう」との声も聞かれそうです。最後に、トヨタ自動車がランキング1位に入っていない企業の儲けを示す指標も紹介したいと思います。

東洋経済がまとめた1人当たり営業利益ランキングの1位は、INPEXです。同社は石油や天然ガスの探鉱・開発・生産などをテーマにしてきた日本を代表するエネルギー分野の会社。最近では、エネルギーのクリーン化にも取り組んでいます。

順位企業名1人当たり利益平均年収
1位INPEX1億8,521万円926万円
2位JALCOホールディングス1億8,344万円1,040万円
3位アルデプロ1億6,444万円627万円
4位ランド1億6,044万円777万円
5位ロードスターキャピタル1億803万円1,124万円
6位京阪神ビルディング1億47万円992万円
7位任天堂8,824万円988万円
8位乾汽船7,681万円928万円
9位ワークマン7,679万円709万円
10位ヒューリック7,654万円1,803万円
(出所:東洋経済ONLINE 「1人当たり営業利益をドーンと稼ぐ」トップ500社)

2〜10位までの顔ぶれを見ても、これまでの儲かる企業ランキングとはかなり違います。とくに強いのは不動産関連企業。10位中、以下の6社は不動産関連企業です。

2位 JALCOホールディングス
3位 アルデプロ
4位 ランド
5位 ロードスターキャピタル
6位 京阪神ビルディング
10位 ヒューリック
*ただし、JALCOホールディングスはアミューズメントに関連した不動産業

不動産関連企業がここまで好調な理由としては、長期的に続く日本の低金利政策や活況の不動産マーケットなどが挙げられます。

トヨタ自動車がずっと儲かっている会社でいられるかに注目!

日本で一番儲かっている会社は
(画像=NicoElNino/stock.adobe.com)

ここで見てきたように、さまざまな財務指標で見たとき、「日本で一番儲かっている会社」はトヨタ自動車でした。しかし、これから先を考えると、「トヨタ自動車は衰退するのではないか?」との声も聞かれます。その理由として、例えば次の3つが挙げられています。

・海外勢と比べて電気自動車で遅れをとっていること
・巨大に発達したサプライチェーンの転換が簡単でないこと
・本格的な自動運転技術への対応が疑問視されていること

これらを克服するのは、たやすいことではありません。トヨタ自動車がどんな戦略でこれらの難題に挑むのか、あるいは、新たな日本一儲ける会社が台頭してくるのかに今後、注目していきましょう。

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