不動産投資は他の投資方法と比べて、成功率が高いと言われています。しかし不動産投資を成功させるには、選ぶ物件の条件が非常に重要です。
本記事では、株式投資など他の投資方法に比べ、不動産投資はどれくらい成功しやすいかを解説します。さらに、成功率の高い物件の選び方についても見ていきましょう。
目次
不動産投資の成功率とは
残念ながら不動産投資の成功率について、信頼性のある公的データはありません。そもそも成功の基準は人それぞれで異なり、一律に「〇〇万円の利益が得られたら成功」とは決められないからです。
例えば不動産投資で本業とは別の不労所得を得ることが目的の人と、投資家として不動産投資を事業化して成功するのが目的の人とでは、成功の基準が違います。
ただし、株式投資など他の投資方法に対してどれだけ成功しやすいかは「利回り」という目安で比較できます。利回りは投資した額に対し、どれくらい利益が得られるかの割合です。この数字が高いほど効率よく利益を出せるため、より成功に近い投資方法を選ぶことができます。
投資方法ごとの利回りで比べる
では具体的に、不動産投資と比べられることの多い投資方法の利回りを見てみましょう。ここでは、以下3つの利回りとそれぞれのメリット・デメリットを解説します。
・太陽光発電投資
・不動産投資
株式投資
株式投資は株式を保有し、業績を上げた企業から配当金を受け取って利益を得ます。この配当の利回りは2024年8月時点でおよそ2%が平均で、表面的な計算ですが100万円を投資して年間1万9,000円の利益です。この後お伝えする太陽光発電の10%、不動産投資の3%と比べると、決して高い利回りではありません。
もちろん多額の投資をすれば大きな利益を得ることはできます。しかし株式投資は不動産投資と違い、融資を使って投資資金を用意できないため多くの自己資金が必要です。先ほどの計算に当てはめれば、年間19万円の利益を得るだけでも1,000万円の資金を持っていなければならないのです。
これから投資を始める自己資金の限られた初心者の方にとって、不動産投資は成功率が高い投資方法とは言いにくいでしょう。
太陽光発電投資
太陽光発電投資は広い敷地に大規模な太陽光発電パネルを設置し、発電した電力を売る投資方法です。発電した電力を電力事業者などが買取る単価は、国によって一定期間固定されています。そのため将来の収益が下がるリスクが少なく、安定した投資方法と考えられています。
注目の利回りは9~10%と比較的高く、シミュレーション通りに発電すれば他の投資方法に比べ多くの利益が見込めます。一見すると成功率の高そうな太陽光発電投資ですが、注意したいのが近年問題になっている太陽光パネルの廃棄問題です。
太陽光パネルの廃棄問題
太陽光パネルの製品寿命は一般的に25~30年とされ、当然ですが寿命の尽きたパネルを廃棄するには費用がかかります。しかし太陽光発電投資の収支シミュレーションには、この処分費用が含まれていないケースが多く見られます。
しかも初期の太陽光発電設備のパネルが寿命を迎えるのは2040年頃とまだ先で、どれくらいの費用がかかるか未知数です。
また将来、太陽光発電を終えた土地をどうするかという問題もあります。売却しようとしても、稼働していない太陽光パネルが残った土地ではなかなか買い手は付かないでしょう。もしパネルを撤去できたとしても、太陽光発電施設は周囲に人家が少ない場所に設置されることが多く、土地の需要があるか疑問です。
太陽光発電は一時的に利益を得られたとしても、将来の成功率という点ではリスクを抱えているといえます。
不動産投資
不動産投資はマンションの一室などを所有し、他の人に貸して家賃収入を得る投資方法です。不動産投資の利回りは3%ほどで、仮に3,000万円の物件を所有すれば年間で90万円の利益が得られることになります。
もちろん投資額は小さくありませんが、先ほどの株式投資と違い融資を受けて物件を購入できます。そのため自己資金が最小限で済み、これから投資を始めるという方には大きなメリットになるでしょう。
ただし不動産投資で成功率を上げるには、物件の選び方がとても大切です。家賃収入を継続させるには空室にしないことが重要であり、入居者が集まりにくい物件を選んでしまうと成功率は大きく下がってしまいます。
しかし需要の高い物件を選べば空室を避けやすくなるだけでなく、将来に物件を売却するときも有利になります。不動産投資では次に挙げる、成功率を上げやすい条件を考慮しながら物件を選ぶようにしましょう。
成功率が高い物件の条件
不動産投資では、成功率を上げやすい物件を選ぶことが大切です。中でも次の3つの条件は、物件選びで特に重視することをおすすめします。
・入居者の多い建物タイプ
・差別化できる物件
需要の高い地域
不動産投資の成功率を高めるには、賃貸需要の高い地域の物件を選ぶことが重要です。いくらきれいで広い物件を所有しても、入居を希望する人がいなければ家賃が発生しません。例えば東京のように賃貸需要が下がりにくい地域なら、仮に空室になっても次の入居者が現れやすいはずです。
もちろん地方都市の中にも、賃貸需要が高いところもあるでしょう。しかし特定の企業の社員や大学に通う学生に依存しているケースが多く、もし撤退されてしまうと賃貸需要は落ち込んでしまいます。その点で都心は企業や大学が極端に減ることは考えにくく、不動産投資の成功率は高いと言えます。
入居者の多い建物タイプ
不動産投資の成功率を上げるには、需要の高い単身者向けワンルームタイプの物件を選びましょう。今後の日本は単身者の割合が増え続けることが予想され、2040年には2,000万世帯を超えるという推計さえあります。
他に家族向けのファミリータイプの物件もありますが、持ち家を希望する家族も多く分譲マンションや戸建てに転居してしまう可能性があります。しかし単身者は転職や転勤がない限り、長く住んでもらえることが期待できます。
安定して収益をあげ続けることも成功のためには大切であり、その点でワンルームマンションはとても有利だといえます。
特に新築のワンルームマンションの需要は年々高くなっていると言われています。詳しくは以下の記事を参考にしてください。
→新築ワンルームマンション経営で成功する人が絶対に知っている、重要な条件と注意点
差別化できる物件
都心では競合する賃貸物件も多いため、他と差別化しやすい物件であることも成功の大切な条件です。例えば新築のマンションなら、初期費用はかかるものの設備が最新で快適に住むことができます。特に最近ニーズの高い防犯設備が充実している物件なら、入居希望者に強くアピールできるでしょう。
逆に中古物件は価格が手頃なものの、部屋自体に魅力が少なく差別化の難しい物件も多い傾向です。そのため、近隣により家賃の安い物件が現れると転居されやすく収入の安定感に欠けます。対抗して家賃を下げると収益は下がり、長い目で見たときの成功率も低くなる恐れがあるでしょう。
不動産投資の成功率はパートナーが鍵を握る
不動産投資は他の投資に比べ初心者が始めやすく、しかも長期的に見たときに高い成功率が期待できます。しかし物件選びで失敗してしまうと、せっかくの不動産投資の優位性が活かせません。そのため需要の高い地域で、入居者の多いワンルームタイプや新築を選ぶなどの対策が大切です。
しかし自分で好条件の物件を選ぶのは、経験や知識がないとなかなか難しいかもしれません。そのため実際に不動産投資をするときは、物件を購入する不動産会社選びも大切になります。丁寧にサポートしてくれる会社を探し、より成功率の高い不動産投資ができるようにしましょう。
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