最終更新日:2024/05/08
 
マンション経営で「タワーマンション」はありなのか?その有効性と留意点
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田中 タスク
田中 タスク
エンジニアやWeb制作などを経験した後にFXと出会い、それを契機に投資系ライターとしての活動を開始。自身もさまざまな投資を経験し、その経験をいかした執筆活動に強みをもつ。長期的な視野にたって資産運用の重要性を強く感じ、不動産投資を含む中長期的な投資の生きた情報を発信するための記事制作に取り組む。初心者向けの資産運用アドバイスにも注力、安心の老後を迎えるために必要なマネーリテラシー向上の必要性を発信中。

都会的で洗練された住環境、そして「成功の象徴」というイメージも強いタワーマンションは、依然として高い人気を保っています。そんなに人気があるのであれば「タワーマンションを購入してマンション経営をするのはありなのでは?」と思われる方も多いことでしょう。

「人気が高い=空室リスクが低い」と考えることもできるため、確かにマンション経営でタワーマンションを活用するのは成功する確率は高いように思ますが、実際のところはどうなのでしょうか。

そこで本稿では、タワーマンション投資の概要からメリットとデメリット、そしてタワーマンション投資特有の事情を踏まえた成功のための戦略について解説していきたいと思います。

「マンション経営でタワーマンションってあり?」と一度でも思ったことがある方にとって非常に重要な情報なので、ぜひ最後までお読みください。

目次

  1. 人気を集めるタワーマンションは投資対象になるか
    1. そもそもタワーマンションとは?
    2. タワーマンションが人気を集めている理由
    3. 実はタワーマンションは安全性が高い
    4. 依然として増え続けるタワーマンション
  2. タワーマンション投資のメリット
    1. 好立地のタワーマンションが多い
    2. 人気が続く限りキャピタルゲインも期待できる
    3. 共有スペースやサービスが充実している
    4. マンション全体の戸数が多く管理費が割安になりやすい
    5. セキュリティが充実している
    6. 結果として空室リスクが低く出口戦略を描きやすい
  3. タワーマンション投資のデメリット
    1. 物件価格はどうしても高くなる
    2. 修繕、メンテナンスの費用が割高
    3. 総じて利回りが低め
  4. タワーマンション投資で意識したい事実と戦略
    1. ファミリータイプより単身者向けタイプ
    2. タワーマンションだからこそ立地にはこだわりたい
    3. 多数の物件が売りに出ているマンションは避ける
    4. 部屋からの眺望をセールスポイントにできるかチェック
    5. タワーマンションらしい物件を狙おう
  5. まとめ

人気を集めるタワーマンションは投資対象になるか

マンション経営で「タワーマンション」はありなのか?その有効性と留意点
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「いつかはタワーマンションに住みたい」という潜在的な願望も含めて、依然としてタワーマンションの人気は衰えるところを知りません。

それだけ人気のあるタワーマンションであれば「マンション経営にもいいのではないか」と考えるのは自然なことです。

そこで最初に、タワーマンションとはどんなマンションのことで、なぜ人気を集めているのかについておさらいをしておきたいと思います。

そもそもタワーマンションとは?

「タワーマンション」という言葉は今や日本語の1つになっているといってもよいほど一般的なものとなりました。

しかし法的な基準や明確な定義があるわけではなく、「高さ60メートル以上で20階建て以上のマンション」をタワーマンションと呼ぶのが一般的です。

タワーマンションには上質なサービスや内装などのイメージを持っている人が多く、高さや階数に加えて高級感のあるサービスや設備、内装などが完備されている高層マンションもタワーマンションに含まれるといえます。

タワーマンションが人気を集めている理由

タワーマンション人気は依然として強いものがありますが、そもそもなぜタワーマンションがこれほどの人気を集めているのでしょうか。

考えられる理由を列挙してみました。

1.都心に回帰している人口移動のニーズに応えている
2.「成功者」を象徴するような高層建築や高級感
3.高層階からの美しい眺望
4.充実した設備

タワーマンション人気を支えている要因に多くの人が持っている高級感や成功者のイメージがあることは間違いないでしょう。

実はタワーマンションは安全性が高い

タワーマンションなど高層建築物は災害時のリスクが高いと感じる人がいるかもしれません。

それゆえにタワーマンションには厳しい安全基準が設けられています。こうした基準をクリアすることでタワーマンションはむしろ安全性が高い建物であるといえます。

高さ60メートルは先ほど述べたようにタワーマンションであることの「条件」の1つですが、60メートルを超える高さの建物は構造体力上の安全性を確認して国土交通大臣の認定を受けることが義務づけられています。

建築基準法 第二十条一項(構造耐力)

高さが六十メートルを超える建築物 当該建築物の安全上必要な構造方法に関して政令で定める技術的基準に適合するものであること。この場合において、その構造方法は、荷重及び外力によって建築物の各部分に連続的に生ずる力及び変形を把握することその他の政令で定める基準に従った構造計算によって安全性が確かめられたものとして国土交通大臣の認定を受けたものであること。

(引用:e-GOV 法令検索 建築基準法

その他にも高さが100メートルを超える建物には避難用のヘリポートを設置することが要請されるなど、高層建築物はこうした厳しい基準をクリアしています。

こうした安全性の高さが住居としての魅力を高めることに繋がっています。

依然として増え続けるタワーマンション

さまざまな社会事情や魅力が重なり、大都市圏では今もタワーマンションが増え続けています。

不動産経済研究所が発表した「マンションデータニュース」の2021年4月版では、首都圏と近畿圏でいずれも超高層マンション(タワーマンション)が依然として多く建設され、人気を集めていることがデータを交えて発表されています。

大都市圏ではタワーマンションの人気が堅調で、今後もそのニーズに応える形で建設が続き、これからタワーマンションによるマンション経営に参入する人にも多くのチャンスがあると考えてよいでしょう。

タワーマンション投資のメリット

マンション経営で「タワーマンション」はありなのか?その有効性と留意点
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タワーマンションを活用したマンション経営には、主に6つのメリットがあります。それぞれのメリットについて、個別に解説します。

1.好立地のタワーマンションが多い
2.人気が続く限りキャピタルゲインも期待できる
3.共有スペースやサービスが充実している
4.マンション全体の戸数が多く管理費が割安になりやすい
5.セキュリティが充実している
6.結果として空室リスクが低く出口戦略を描きやすい

好立地のタワーマンションが多い

タワーマンションは駅前など好立地エリアに建てられることが多く、おおむね好立地の物件が多いという特徴があります。

立地条件に恵まれた土地は高額になるため取得のハードルが高いですが、タワーマンションであれば販売戸数が多いので採算に乗せやすいといえます。

人気が続く限りキャピタルゲインも期待できる

マンション経営による収入には、家賃から得られるインカムゲインと物件が値上がりしたときに売却することで得られるキャピタルゲインの2つがあります。

・インカムゲイン:家賃から得られる収入
・キャピタルゲイン:売却することで得られる収入

タワーマンションは販売後に人気がさらに高まって価格が上昇するケースも多いため、大都市圏のタワーマンションであればキャピタルゲインを期待できる物件は多数あります。

立地条件や設備など人気が集まりやすいタワーマンションの場合、最初からキャピタルゲインを狙って物件を購入する投資家もいます。

共有スペースやサービスが充実している

タワーマンションに住みたいと考える人の多くは、建物内の共有スペースやサービスなどが充実していることにも期待をしています。

コンシェルジュサービスがあるタワーマンションでは生活のさまざまな手続きなどを代行してくれますし、共有スペースが豪華な造りになっていることも満足感を高めてくれます。

また、建物内にゲストルームが用意されており、来客があったときにはその人を泊めることができるタワーマンションもあります。

こうしたサービスが充実しているのがマンション全体のメリットですが、特にタワーマンションはこうした設備やサービスの充実度を売りにしている物件が多く見られます。

マンション全体の戸数が多く管理費が割安になりやすい

タワーマンションに限らず、マンションは快適性や安全性を維持するために適切な管理が必要です。

建物内の戸数が多いことはタワーマンションの特徴の1つですが、管理費を負担する戸数が多いため1戸あたりの管理費負担が安くなる傾向にあります。

マンション経営でタワーマンションを活用する場合、その管理費を負担するのは入居者です。

家賃と管理費を足した金額をオーナーに支払う総額として認識する入居者にとって、管理費が安いことは入居者を募集しやすいメリットにつながります。

セキュリティが充実している

ほとんどのタワーマンションは大都市圏に集中しており、富裕層が入居するのでセキュリティへの配慮が欠かせません。

そのことはディベロッパーも十分認識しているので、ほとんどのタワーマンションはオートロックや映像で確認できるインターホン、防犯カメラ、外部からの侵入者を検知するシステムなど、セキュリティ機能がとても充実しています。

タワーマンションといえども今後は単身者の入居が多くなることが考えられる時代において、女性の一人暮らし需要があることも踏まえると、セキュリティが充実していることはとても重要です。

結果として空室リスクが低く出口戦略を描きやすい

タワーマンション投資のメリットを5つ挙げました。

これらのメリットを総合すると空室になりにくく、また売却時にも価格が下がりにくいのでマンション経営家としてはこの上ないメリットを兼ね備えていることになります。

次章で解説するように物件価格はどうしても高くなってしまいますが、それだけの価値は大いにあると結論付けられるでしょう。

タワーマンション投資のデメリット

マンション経営で「タワーマンション」はありなのか?その有効性と留意点
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続いてはタワーマンション投資のデメリットについて解説します。デメリットとして考えられることは、主に以下の3つです。

1.物件価格はどうしても高くなる
2.修繕、メンテナンスの費用が割高
3.総じて利回りが低め

物件価格はどうしても高くなる

タワーマンションは物件価格が総じて高くなります。

だからこそ高いブランドイメージがあるわけですが、マンション経営は利益を狙うための事業なので、「仕入れ価格」にもシビアである必要があります。

高額のマンション物件を購入して、それをしっかり回収して利益を出すことができるか。タワーマンション投資は初期投資額が大きくなるだけに収支のシミュレーションには高い正確性が求められます。

先ほどタワーマンションは売却時に価格が下がりにくいと述べましたが、物件価格の高さはそのメリットの裏返しです。

タワーマンションの物件価格が高いことは買う人にとってデメリットですが、売る人にとっては資産価値の目減りが少ないため大きなメリットとなります。

修繕、メンテナンスの費用が割高

タワーマンションは建物内の戸数が多いので管理費を安くしやすい一方で、充実の設備があるがゆえに修繕箇所やメンテナンス箇所が多いため、建物や設備を維持するコストは高くなります。

高層建築特有の非常用設備や高速エレベーターなどはいずれも特殊な設備なので、こうした設備を適切にメンテナンスするためにもタワーマンション特有のコストが生じます。

総じて利回りが低め

マンション経営の利回りは年間の家賃収入を物件の取得価格で割って求めます。

この構図で利回りを高くするには、分子である家賃収入を多くするか、分母である取得価格を安く抑えるか、もしくはその両方かです。

タワーマンションはどうしても物件価格が高くなるため、分母が大きくなります。またメンテナンスなどの費用も多めにかかるため、家賃を高めに設定しても利回りを高くするのは難しいでしょう。

タワーマンションに進出している不動産投資家のなかには、長期的にインカムゲインを狙うよりも物件の値上がりに乗じてキャピタルゲインを狙う人が多く見られ、それは利回りの低さも関係していると思われます。

タワーマンション投資で意識したい事実と戦略

マンション経営で「タワーマンション」はありなのか?その有効性と留意点
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タワーマンションにおけるマンション経営の概要やメリット、デメリットについて解説してきました。

最後にタワーマンション投資を検討している方に向けて、意識しておくべき事実と、それを踏まえた戦略について解説します。

1.ファミリータイプより単身者向けタイプ
2.タワーマンションだからこそ立地にはこだわりたい
3.多数の物件が売りに出ているマンションは避ける
4.部屋からの眺望をセールスポイントにできるかチェック
5.タワーマンションらしい物件を狙おう

ファミリータイプより単身者向けタイプ

タワーマンションというとファミリータイプの物件がほとんどで、ワンルームマンションのように単身者向けのものではないとのイメージをお持ちの方は多いかもしれません。

しかし、実際には単身者向けに設計された物件も少なくなく、「タワーマンション=家族向け」と決めつけるのは早計です。というのも、今後のマンション経営は単身者をターゲットにするのが妥当だと考えられるからです。

東京では一世帯当たりの人数が減少を続けており、この傾向は今後も続くと思われます。

核家族化の進行は以前から指摘されていますが、今後はその先にある単身者世帯の増加を不動産投資家は認識しておく必要があります。

タワーマンション投資においても単身者のマーケットを意識した物件選びや物件づくりが有効な戦略となります。

タワーマンションだからこそ立地にはこだわりたい

タワーマンションに入居者を希望される方の多くは好立地を期待しています。このことを踏まえて、タワーマンションだからこそ、購入する際には立地条件には妥協せずこだわりたいところです。

都市中心部の物件や駅直結の物件など高額になってしまいますが、資産価値が下がりにくいので家賃収入を狙うだけでなく資産形成の観点からも有効です。

多数の物件が売りに出ているマンションは避ける

「SUUMO」や「at home」といった不動産ポータルサイトは不動産市場の動向を知るのに役立ちます。

同一のタワーマンションから多数の売り物件が出ている場合、そのマンションは不人気である可能性が高いです。しかも売りに出ているということは売れていないことを意味しており、価格を下げなければ売れないと推測できます。

不動産ポータルサイトで多数の売り物件があるタワーマンションを避けるのは当然として、そのタワーマンションの類似物件にも注意が必要です。

同じエリアにあるタワーマンションの場合、もしかするとエリア全体が不人気なのかもしれません。

不動産ポータルサイトは誰でも無料で利用できる手軽なツールなので、市場調査にも役立ててみてください。

部屋からの眺望をセールスポイントにできるかチェック

すでに解説したように、部屋からの眺望はタワーマンションの醍醐味といっても大きな魅力です。

タワーマンションに入居する人のなかには眺望を期待している人も多いので、少々価格が高くなっても眺望に恵まれた物件を選ぶのは1つの戦略です。

タワーマンションらしい物件を狙おう

タワーマンション投資とそれ以外のマンション投資の違いは、運用する物件がタワーマンションであることです。

つまりタワーマンションに住みたい人を相手にするビジネスなので、購入する物件がタワーマンションらしい物件であることはとても重要です。

先ほど述べた眺望も然り、超高層マンションであることや戸数の多いマンション、そして設備やサービスが充実していることなど、タワーマンションらしさが1つでも多い物件を選ぶのがセオリーです。

まとめ

マンション経営で「タワーマンション」はありなのか?その有効性と留意点
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「マンション経営にタワーマンションはありなのか」という疑問にお答えするために、概要からメリットとデメリット、そして留意しておくべきことなどを順に解説しました。

今一度、そのメリットとデメリットを振り返ってみましょう。

メリットデメリット
好立地のタワーマンションが多い物件価格はどうしても高くなる
人気が続く限りキャピタルゲインも期待できる修繕、メンテナンスの費用が割高
共有スペースやサービスが充実している総じて利回りが低め
マンション全体の戸数が多く管理費が割安になりやすい-
セキュリティが充実している-
結果として空室リスクが低く出口戦略を描きやすい-

結論としてタワーマンション投資は高い利回りこそ期待できないものの、空室リスクの低さや資産価値の目減りが少ないなど一定のメリットがあるといえるでしょう。

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