会社員の学び直しの選択肢とは?年収アップを実現する5つのポイント
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本間 貴志
本間 貴志
ビジネス書・実用書専門の「アスラン編集スタジオ」の編集ライターを経てフリー。2015年より秋田県に移住、テレワークによる柔軟な働き方を実践中。

今ビジネスパーソンの間で「学び直し」が注目されています。しかし、将来を見据えずに勉強をしても、キャリアアップ、年収アップにはつながりません。ここでは、人生をよい方向に導く学び直しをするための基本的な考え方と、5つのポイントについて解説します。

学び直しをしている人は年収がアップしている割合が高い

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そもそも学び直しによってビジネスパーソンの年収は本当にアップするのでしょうか。

内閣府が調査分析した結果によると、学び直しに「取り組んでいる人」と「取り組んでいない人」を比較すると、取り組んでいる人は収入が増加しています。

調査結果
OFF-JT(社外勉強会など)に取り組んでいる人は「1割以上収入が上がった」と答えた割合が45.7%(していない人よりも13.1ポイント高)だった。
・調査期間:2020年2月〜3月
・収入変化の対象期間:2014年〜2019年の5年間
・調査人数:3万人

(出典:日本経済新聞 学び直しに収入増の効果、内閣府分析 OJTや海外留学

将来のキャリアアップ、年収アップのために、学び直しをうまく活用したいものです。

ビジネスパーソンの学び直しには3つの選択肢がある

これから学び直しを始めるビジネスパーソンにとって大切なことは、自分にとって必要な学び直しを適切に選ぶことです。そうでないと時間とお金を無駄にしかねません。

一口に学び直しといっても、以下のように3つの種類があります。

1.リカレント教育
2.リスキリング
3.OJT(職場内訓練)

この学び直しの種類選びでミスマッチが起きると、「将来、こうなりたい」という目的が達成できない可能性もあります。

学び直しの特徴と目的

それぞれの学び直しの(一般的にいわれている)特徴と目的は次のようになります。

種類特徴主な目的
リカレント教育今のキャリアを中断して学び直す長期的に通用するスキルを身につける
リスキリング今のキャリアを継続して学び直す時代の変化に適応するスキルを身につける
OJT(職場内訓練)勤務時間内に行うのが基本現在の実務に関わるスキルを身につける
(出典1:日本経済新聞 電子版(2021年10月18日付)
(出典2:リクルートワークス研究所 リスキリングとは −DX時代の人材戦略と世界の潮流−
※単に「学び直し=リカレント教育」の意味で使われることもある。

上記3種類の学び直しの大きな違いは、今のキャリアを継続するか否かです。

リカレント教育の場合、現在の仕事をいったん退職したり、長期休暇をとったりして学ぶスタイルが一般的です。これに対して、リスキリングやOJTは現在の仕事を続けながら学ぶのが基本です。

世界中でリスキリングが注目されている理由

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ここでは、3種類の学び直しのうち、注目度が高まっている「リスキリング/Reskilling」に着目していきます。

「リスキリング/Reskilling」は、日本のみならず世界でも注目されるキーワードです。

リクルートワークス研究所の調査によると、日本では2021年前半、英語圏では2020年半ばから後半にかけて、Googleでの「リスキリング/Reskilling」の検索数が一気に増加しています。

リスキリングがこれほどまでに注目される理由は、AI、DX、先端ITの広まりによって新しい職種が生まれたり、仕事の進め方が劇的に変わったりしているからだと思われます。

最近では、このような時代の変化に対応するため、大手企業を中心に従業員のリスキリングのための環境を用意する国内企業も増加しています。

日本経済新聞社が2021年9月に行った「社長100人アンケート」では、67.6%がリスキリングを実施していると回答しました。

しかし、大半のビジネスパーソンは、リスキリングのための環境を「自分で用意するしかない」のが現実です。

こういった人はリスキリングを実施している企業に勤める人たちと差がつかないよう、自らの努力で学び直しに取り組むことが大切です。

年収アップにつながる学び直し(リスキリング)5つのポイント

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とはいっても、やみくもに学び直し(リスキリング)を行っても年収アップにはつながりません。

時代に求められるスキルを選び、そのスキルを効率的に身につけることでキャリアアップ、年収アップが実現しやすくなります。

これを達成するためのポイントは次の5つです。

1.学び直しのトレンドをつかむ
2.資格取得にこだわらない
3.習得スキルを研究する
4.身近な挑戦からはじめる
5.オンラインを最大活用する

ポイント1:学び直しのトレンドをつかむ

自発的に学び直しをする場合、学ぶテーマを自分で決めなければなりません。「時代に適応するために何を学んだらよいのか……」といった具合に、この段階で迷ってしまう人もいるでしょう。

時代に求められるテーマを見つけるには、まず学び直しやリスキリングに関する情報を収集してトレンドをつかむ必要があるでしょう。参考になる情報源の例としては、ビジネスパーソンの読者が多い日本経済新聞などがあります。

また、「内閣府 学び直し」「文部科学省 学び直し」のようなキーワードで検索すると、リスキリングに役立つ公的な(信頼性の高い)調査や提言が見つけやすいです。こちらも参考にしましょう。

ポイント2:資格取得にこだわらない

学び直しでよくある勘違いは「資格取得をすればキャリア形成につながる」というものです。

前述のように、リスキリングは時代の変化に適応するスキルを身につけるための学び直しです。そのため、将来消失するかもしれない仕事の資格を取得しても、年収アップにつながる可能性は少ないです。

資格の有無にとらわれず、まずは「これからの時代にどのようなスキルが求められているか」を追及していくことが大切です。そして、結果的に資格取得が必要であれば、取り組むのがよいでしょう。

ポイント3:習得スキルを研究する

それでは、現在から将来にかけて、社会に求められるスキルとは具体的にどのようなものでしょうか。

これは業種・職種・企業によって違うと思いますが、例えば前出の「社長100人アンケート」でリスキリングを実行している企業では「プログラミング」「統計・データ解析」「マーケティング」などのテーマが人気を集めます。

また、Yahooでは約8,000人の全社員に対して(役割に応じて)「データサイエンティスト」「データアナリスト」「AIを実務で活用」の3つのスキル取得を2023年度までに勧めることを発表しています。

こういった主要企業がどのようなリスキリングを推奨しているかも学ぶテーマを探すときのヒントになります。

ポイント4:身近な挑戦からはじめる

ビジネスパーソンの学び直しの大きな壁となるのが「勉強する時間がない」というものです。

内閣府の調査によると、働いている人の32.4%が学び直しの障害として「仕事が忙しくて余裕がない」を挙げています。

多忙な人は、リスキリングをしたいけれど踏み出せなかったり、実際に始めても挫折してしまったりするケースもあると思います。

この点で不安がある人は、(比較的)短期間で勉強ができ、なおかつ現在の実務の知識を生かしやすい分野を学んでみるのもよいでしょう。

一例としては、普段WEBマーケティングやネットビジネスに関わっている人なら、Googleが用意する(広告に関する)認定資格などがあります。

・検索広告の認定資格
・ディスプレイ広告の認定資格
・動画広告の認定資格
・ショッピング広告の認定資格
・広告測定の認定資格

詳しくはGoogle公式「Google広告の認定資格について

ポイント5:オンラインを最大活用する

勉強する時間がないなかで学び直しをするには、「オンラインの最大活用」も鍵になります。

オンラインで学ぶことで、移動する時間を節約できたり、スキマ時間を効率的に活用しやすくなったりします。

例えば前項で紹介したGoogleの認定資格は、オンラインで学習や試験が受け入れられます。またほかの分野でも、オンラインで学び直しをする環境が整いつつあります。

ソフトバンクグループの運営する「サイバー大学」では、PC・スマホ・タブレットなどの複数のデバイスを用いながら、これからの時代に求められるテクノロジーやビジネスの知識をオンラインで身につけることが可能です。

年収アップ、投資、節約の3本柱で人生100年時代に対応

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本稿では、ビジネスパーソンが学び直しするときの選択肢とポイントについて解説してきました。今一度、振り返ってみましょう。

学び直しの3つの選択肢は次のようなものでした。

・リカレント教育  ・リスキリング
・OJT(職場内訓練)

今回は上記のうち、(キャリアを継続させながら)時代の変化に適応するスキルを身につける「リスキリング」の以下の5つのポイントについてお話してきました。

・学び直しのトレンドをつかむ
・資格取得にこだわらない
・習得スキルを研究する
・身近な挑戦からはじめる
・オンラインを最大活用する

リスキリングによって年収アップを実現できれば、長いに人生におけるライフプランや、資産運用の計画が立てやすくなることでしょう。

よりよい人生を歩むために、この機会に「学び直し」をされてみてはいかがでしょうか。

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