マンション経営の候補地として、最近注目を浴びているのが東京都大田区です。
東京だけでなく川崎や横浜にも交通アクセスが良く、「住みたい街ランキング」でも上位とまではいかなくても大田区は必ず登場しており、派手さはないものの安定した人気を獲得しています。
そんな大田区でのマンション経営は、実際のところどうなのでしょうか。今回はマンション経営をする大家さん(オーナー)の視点で大田区の概要や魅力を考察してみたいと思います。
目次
大田区ってどんなところ?
東京都大田区は、東京23区のなかでもっとも南に位置するエリアです。また、東京23区ではもっとも面積の広い区として知られており、区内には日本有数の空港である羽田空港があります。
工業地帯として栄えた歴史を持ちますが、それと同時に区内には田園調布など日本を代表するような高級住宅街もあるため、同じ「大田区」であってもエリアによってイメージや風景はかなり異なります。それだけ面積が広く多様な顔を持つ区といってよいでしょう。
東京23区の最南端に位置し、多摩川を隔てた南側は神奈川県の川崎市です。そのため川崎、さらには横浜へのアクセスも良好であることも大田区の特徴の1つです。
区内に羽田空港があることで、いわゆる出張族や単身赴任をしている人たちにとっても利便性の高いエリアとして知られ、こうした需要は大田区特有のものといってよいでしょう。
大田区のマンション経営が魅力的だといわれる3つの理由
立地条件の良さもあって大田区は古くから市街化が進んでおり、それゆえに生活の場としても優れた特性を有しています。マンション経営の候補地としても有望ですが、それには主に3つの理由があります。
1.東京と横浜のどちらにも便利で需要が旺盛
地図を見ると一目瞭然ですが、大田区は東京都内にありながら川崎市に隣接し、横浜市にも近い位置にあります。
東京だけでなく川崎や横浜といった首都圏の主要都市へのアクセスが良好であることは、それぞれの都市に職場がある人などからの需要が見込めます。
2.人口密集地で伸びしろが大きい
マンション経営の「お客様」は入居者です。人口密集地で、なおかつ人口が増加していることはその「お客様」の候補となる人が多くなることを意味します。その意味で大田区を見ると、人口は東京23区のなかで第3位の約74万人です(2024年6月4日現在)。
日本人
男 | 女 | 合計 | |
---|---|---|---|
人口 | 351,460 | 356,054 | 707,514 |
外国人
男 | 女 | 合計 | |
---|---|---|---|
人口 | 11,038 | 12,251 | 23,289 |
大田区の総人口
男 | 女 | 総計 | |
---|---|---|---|
人口 | 362,498 | 368,305 | 730,803 |
次に人口の推移ですが、グラフを見ると緩やかに人口が増えていることがわかります。
昭和40年に人口は一度ピークを迎えその後は減少。2000年(平成12年)からは順調に増え続けています。
日本全体の人口は減少傾向ですが、東京は日本各地から人が集まるので人口が増え続けています。なかでも大田区はその住環境の良さと利便性の高さから、人口が順調に伸びていると思われます。
このような傾向が見られることは、マンション経営の候補地としてきわめて有望だといえるでしょう。
3.再開発が活発
安定的に人口が増加傾向にある大田区では、それに応えるように再開発が活発に行われています。
大田区は東京の主要ターミナルであるJR品川駅にとても近く、区内の主要駅である蒲田や大森から電車で10分以内の距離感です。
そのため品川エリアの大規模な再開発による影響を受けやすく、これは大田区でのマンション経営にとって追い風となるでしょう。
さらに、大田区内の羽田空港についても成長が著しく、羽田空港周辺の再開発も活発です。
これらの他にも大田区では主要エリアである蒲田、大森の両エリアで再開発が進められており、今後大田区自体が大きく飛躍することが期待されます。
再開発そのものがマンション経営に有形無形の影響を及ぼすことはいうまでもありませんが、仮に直接的な影響ではなかったとしても大田区に注目が集まる起爆剤になるため、不動産市場が活性化されるのは間違いないでしょう。
大田区のマンション経営好適地
現状だけでなく将来においても有望であるといえる大田区でのマンション経営。ここでは、そんな大田区内でも特にマンション経営の好適地といえる3つのエリアについて紹介します。
蒲田地区〜大田区の中心地
蒲田地区は、大田区内ではちょうど中心付近に位置し、大田区の行政・経済の中心にもあります。映画「蒲田行進曲」ゆかりの地としてとても有名で、テーマ曲の歌詞にある「キネマの天地」は蒲田のことを指しています。こうした映画にも登場するほど蒲田は、昭和初期の頃からモダンな街として栄えてきた歴史があります。
その中心となる蒲田駅はJRと東急が乗り入れており、徒歩10分のところには京急蒲田駅があるなど、もとより人の流れのあるエリアです。
駅前には商店街があり、駅の東西両側で異なる色合いの繁華街が広がっていることからも、その利便性の高さがうかがえます。
また、JRを利用すれば蒲田〜東京間は約20分、蒲田〜渋谷間は電車で約25分、新宿までは約30分程度です。
このように東京の主要駅へのアクセスがいいことから、都心に通勤している入居者層からも支持されやすい街です。
大森地区〜高級住宅街として知られる山王
蒲田よりも品川に近く、JR大森駅のすぐ北側には品川区との区界があります。この位置関係から、大田区の中心的な存在である蒲田に対して大森地区は品川区との関わりも深いエリアといえます。
地理的に東京都心にさらに近いことから交通アクセスはとても良好で、利便性の高さゆえに人気を博しているのも特徴の1つです。
大森駅周辺は東側がオフィス街である一方、西側には高級住宅街の山王があります。こうした2つの顔をあわせ持つことや、高級住宅街のイメージもあってマンション経営の候補地としてはとても魅力的です。
羽田空港・臨海地区〜再開発で活気づく
大田区で主要な住宅街は、蒲田や大森だけでなく羽田空港周辺や臨海地区も重要なエリアです。
大田区は「おおた都市づくりビジョン」という都市計画を策定しており、そのなかでは「羽田空港周辺」「臨海部」を重要な再開発地区としています。
かつて羽田空港跡地と呼ばれていたエリアは「HANEDA GLOBAL WINGS」と改められ、大規模な再開発が進められています。
こうした再開発が進むにつれて公園なども整備されるため、住環境としてさらに価値が高まると考えられます。
大田区はマンション経営の条件が整っている
立地条件と将来に向けた需要予測は、マンション経営における基本中の基本です。その基本を考えたとき、大田区はとても条件が整ったマンション経営の好適地といえます。
人口規模が大きいことや交通アクセスが良好であることに加えて、今後も安定的に人口が増加すると見込まれること、再開発が人気の起爆剤になり得ることなど、大田区のマンション経営には多くの追い風が吹いています。
東京でのマンション経営には全体的に大田区のような魅力がありますが、とりわけ大田区は東京のなかでも今後大きく飛躍する可能性を秘めた地区といえるでしょう。
大田区でのマンション経営を検討される場合、再開発やリニア新幹線の新駅構想など、不動産市場に大きな影響を与えそうなポジティブなニュースにしっかりとアンテナを張って、不動産価格が上昇する前である今取り組むのが得策ではないでしょうか。
マンション経営は長い目で取り組むものです。大田区は今後の成長余地がまだまだ感じられる地区なので、その特性をいかして将来に投資をする感覚で検討するのがよいでしょう。
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