最終更新日:2024/05/08
 
東京イーストエリアとは?その魅力をマンション経営の視点で解説
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田中 タスク
田中 タスク
エンジニアやWeb制作などを経験した後にFXと出会い、それを契機に投資系ライターとしての活動を開始。自身もさまざまな投資を経験し、その経験をいかした執筆活動に強みをもつ。長期的な視野にたって資産運用の重要性を強く感じ、不動産投資を含む中長期的な投資の生きた情報を発信するための記事制作に取り組む。初心者向けの資産運用アドバイスにも注力、安心の老後を迎えるために必要なマネーリテラシー向上の必要性を発信中。

東京では不動産価格の高止まりが指摘されており、実需はもちろんマンション経営のために購入する収益物件も価格は高値で推移しています。

特に都心5区と呼ばれる中心エリアではその傾向が顕著で、これから新たにマンション経営に参入しようと考えている人の参入障壁を高めてしまっている側面があります。

そこで最近注目を集めているのが、東京23区の中でも東部にあたる「イーストエリア」です。

都心部や城南、城西エリアと比べるとまだまだ値ごろ感のあるエリアや物件が散見され、交通アクセスが良好でありながら知名度はまだあまり高くなく、手が届きやすい価格の物件もあることから、マンション経営の候補地としても有望です。

また、新宿や渋谷のような大規模ターミナルがあまりないことから、ブランドイメージは高くないかもしれませんが、東京23区内であること、都心へのアクセスが良好であることなどを考えると、魅力的なエリアでもあります。

そこで今回は、注目の東京イーストエリアについてその定義や注目を集めている理由、さらにはイーストエリアでのマンション経営で留意したいことなどをまとめました。

さらには、実際にイーストエリアでのマンション経営を検討されている人に向けて、おすすめのエリアを3つご紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。

目次

  1. 東京イーストエリアってどんなエリア?
    1. 東京イーストエリアを定義する
    2. 東京イーストエリアの特徴
    3. 東京スカイツリーの存在感
    4. 東京イーストエリアのマンション経営が注目を集めている
  2. 東京イーストエリアがアツい理由
    1. 物件価格にまだまだ値ごろ感がある
    2. 都心へのアクセスも良好
    3. エリアによっては都心まで複数アクセス
    4. 生活環境も充実
    5. 治安のマイナスイメージは昔の話
  3. 東京イーストエリアのマンション経営、傾向と対策
    1. 人気路線理解する
    2. 最寄り駅までの距離にシビアになる
    3. 湾岸エリアはすでに高止まりしている
    4. 外国人需要を取り込む
    5. 東京イーストエリアで注目の駅3選
  4. 東京イーストエリアのマンション経営で失敗しないために
    1. 東京イーストエリアの特性を十分理解する
    2. 「東京イーストエリアだからお値打ち」とは限らない
    3. 土地勘がなければ専門家に委ねる
  5. まとめ

東京イーストエリアってどんなエリア?

東京イーストエリアとは?その魅力をマンション経営の視点で解説
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最初に東京イーストエリアとはどこのことを指し、どんなエリアなのかを確認したいと思います。

東京イーストエリアを定義する

東京イーストエリアといっても、具体的にその定義があるわけではありません。

タウン情報誌や不動産関連の情報サイトなどで東京23区の中でも東部にあたるエリアにスポットが当てられ、そこを東京の中でも東部(イースト)エリアと呼び始めたことに由来しています。

それと近い定義として、「城東5区」と呼ばれる地域があります。

これは皇居の東側に広がっている地域のことで、その地域内にある江東区、江戸川区、足立区、葛飾区、墨田区の5区が「城東5区」というわけです。

ただ、これも確定しているわけではなく、なかには足立区を含めず、中央区、台東区を含め、城東6区としているケースもあり、定義は人やサイトによってさまざまなところがあります。

ただ、ここでは便宜上前述の5つの区を城東5区とします。この5区はマンション経営の観点から注目されている東京イーストエリアなのです。

東京イーストエリアの特徴

先ほどご紹介した城東5区の区名をご覧になって、この地域に土地勘のある方を含めて多くの人は下町を想像されるのではないでしょうか。

「こち亀」の愛称で知られる漫画作品「こちら葛飾区亀有公園前派出所」は、その名のとおり葛飾区内の派出所が舞台ですが、作品中ではこの地域が下町としてしばしば描かれています。

この作品にも描かれている東京イーストエリアの下町には昔の風情を残す場所や歴史的なスポットなども多く、昔ながらの東京の姿を垣間見ることができます。

その一方で臨海部では大規模なタワーマンション開発も活発で、昔ながらの風景と近代的な摩天楼のような風景が融合したエリアです。

東京スカイツリーの存在感

2012年に完成し、東京の新しいシンボルとなったのが東京スカイツリーです。東京スカイツリーは墨田区の押上にあるので、東京イーストエリア内です。

東京で最も高い建築物であり、そのデザイン性もあって一躍人気のスポットとなった東京スカイツリーの登場は、お膝元である押上だけでなくこの地域の発展に大きく貢献したとされています。

観光スポットとして注目されたエリアが、その後居住するエリアとして注目されるのは自然な流れで、東京スカイツリーの存在がイーストエリアに多くの人の目を向けさせたことは間違いないでしょう。

この東京スカイツリーがある墨田区押上は、イーストエリアの中でも注目エリアなので、後で解説する「おすすめ駅3選」の1つにもピックアップしております。

東京イーストエリアのマンション経営が注目を集めている

不動産価格の高止まり傾向が顕著で、これからマンション経営を始めようと考えている初心者には手が届きにくくなっている都心部エリアと違って、まだまだ値ごろ感のある物件を見つけやすい東京イーストエリア。

しかもこれから盛り上がりを見せる可能性が高いとあれば、さらに人気化するのは必然で、サラリーマン大家や新規参入組にとっても魅力的なエリアになっていくと考えられます。

東京イーストエリアがアツい理由

東京イーストエリアとは?その魅力をマンション経営の視点で解説
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東京イーストエリアの魅力について、ここではマンション経営の観点から解説していきましょう。

マンション経営の観点から見ると、東京イーストエリアには5つの「アツい理由」があります。

1.物件価格にまだまだ値ごろ感がある
2.都心へのアクセスも良好
3.エリアによっては都心まで複数アクセス
4.生活環境も充実
5.治安のマイナスイメージは昔の話

物件価格にまだまだ値ごろ感がある

東京イーストエリアには、これまであまり知られていなかったエリアも含まれているため、知名度の低さゆえに不動産価格が手ごろな物件が散見されます。

もちろんイーストエリアであればどこでも安いわけではありませんが、価格的に出遅れ感のある物件を探すのであれば城西エリアよりも断然イーストエリアのほうが有利です。

都心へのアクセスも良好

東京イーストエリアはいずれも東京23区ですから都心への交通アクセスは良好です。

例えば、イーストエリアの中でも人気の高い門前仲町駅は日本橋まで2駅、大手町まで3駅、飯田橋まで6駅という好アクセスです。

先ほどご紹介した東京スカイツリーのお膝元、押上も東京メトロ半蔵門線で大手町まで6駅、渋谷まで13駅です。

これらはいずれも直通なので、日々の通勤アクセスを考えると利便性がとても高いことがイメージできると思います。

エリアによっては都心まで複数アクセス

交通アクセスの面で考えると、鉄道が1路線よりも複数の路線で都心にアクセスできる駅のほうがより利便性が高くなります。

こうした条件に合致する駅としては、例えば江東区の住吉が挙げられます。都営新宿線と東京メトロ半蔵門線の2路線が利用可能な乗換駅なので、このことも含めて人気駅となっています。

その他にもJR線と東京メトロ半蔵門線の乗換駅である墨田区の錦糸町駅、JRと地下鉄2路線、さらに東武鉄道やつくばエクスプレスが乗り入れている足立区の北千住駅なども複数アクセスが魅力のエリアです。

こうした複数アクセスが魅力のエリアは城西エリアにも多数見られますが、イーストエリアにもしっかり同じ魅力を備えたエリアがあります。

ただし、こうした複数アクセスが強みのエリアはイーストエリア内でありながらすでに人気化しているところも多く、値ごろ感のある物件を探すのは難しくなりつつあります。

生活環境も充実

マンション経営の顧客となる入居者にとって、物件そのものの価値に加えて重視するのが生活環境です。

生活環境の面においても、もちろんイーストエリアだからといって劣っているわけではなく、東京の高い利便性をいかした生活ができます。

つまり、イーストエリアだからといって入居者探しに困るということは考えにくいということです。

治安のマイナスイメージは昔の話

5つめのポイントとして挙げたいのが治安面です。かつて東京のイーストエリアというと下町のイメージに加えて治安があまりよくないイメージがつきまとっていました。

風俗店が多い地域があることなど、風紀の問題を気にする人が多かったかもしれませんが、こうしたイメージは昔の話になりつつあります。

それを如実に示しているのが、警視庁の発表している地域別犯罪件数のデータです。

新宿や渋谷など城西エリアを含む「方面」よりも犯罪件数は少なく、「城東地区だから治安が悪い」ということはデータを見る限り誤りであることがわかります。

依然としてイーストエリアに対して治安面の懸念をもっている人がいるかもしれませんが、データに基づいた比較ではすでにそれが事実ではないため、次第にそのイメージも払拭されていくでしょう。

そのことを考えると、まだイメージが改善されていないうちに物件を購入することに先見の明があるかもしれません。

東京イーストエリアのマンション経営、傾向と対策

東京イーストエリアとは?その魅力をマンション経営の視点で解説
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ここでは、実際に東京イーストエリアでのマンション経営を検討されている方に向けて、このエリアで知っておきたい4つの対策について解説します。

1.人気路線を理解する
2.最寄り駅までの距離にシビアになる
3.湾岸エリアはすでに高止まりしている
4.外国人需要を取り込む

また、すでに登場している駅も含めて、イーストエリア内の注目の駅3選も紹介します。

人気路線理解する

これまであまり注目されてこなかった部分もあって値ごろ感のある物件が多いと述べましたが、すでにイーストエリア内でも鉄道路線によって人気路線とそうでない路線がはっきりと分かれつつあります。

東京のイーストエリアで人気路線といえるのは、東京メトロの東西線や半蔵門線、そしてJRの総武線などです。これらの路線ではマンションの供給数も多く、不動産市場も活発です。

その一方で上記の路線ほどの人気ではないと考えられるのが、JR京葉線や京成線などです。

そもそもマンション開発がそれほど活発ではないために物件の供給数が少ないという理由もあるのですが、上記の人気路線と比べると若干様相が異なると考えておいたほうがよいでしょう。

最寄り駅までの距離にシビアになる

東京イーストエリアの特性を考えると、最寄り駅までの距離感は城西エリアよりもシビアであるべきでしょう。

城西エリアほど鉄道網がきめ細かくはないこともありますが、かつての治安に対するイメージから夜道を歩く距離があまり長いと人によっては敬遠する可能性があるからです。

大都市圏の中でも東京の鉄道網がとても発達していることは間違いないので、イーストエリアであっても最寄り駅から極端に離れている物件はそんなにあるわけではありません。

ただ、鉄道路線や駅によって二極化している傾向が強いのもイーストエリアの特性といえるので、どの路線か、どの駅か、といった要素に加えて最寄り駅からの距離が近いことにも重点を置くべきでしょう。

湾岸エリアはすでに高止まりしている

東京の湾岸エリアで最も目につく建物といえば、やはりタワーマンションでしょう。

中央区や港区、品川区に加えて江東区など東京湾に面している区の湾岸エリアには多くのタワーマンションが林立し、摩天楼のような景観を見ることができます。

これら4区のうち江東区はイーストエリアに属するのですが、いわゆるイーストエリアの相場観と別物であると考えるべきでしょう。

タワーマンションには特有の価値がありますし、タワーマンションが林立しているようなエリアはいずれも再開発によって以前のイメージとは全く異なるブランド価値をもっているケースが大半です。

そのため不動産の価格もすでに高止まりしていることが多く、値ごろ感のあるマンションは見つかりにくいといえます。

外国人需要を取り込む

外国人居住者がとても多い東京ですが、どの区に多くの外国人が居住しているのかを詳しく見てみると、上位には江戸川区や足立区、江東区といったイーストエリアの区がランクインしています。

1位が新宿区であることは多くの人がイメージ通りだと感じるかもしれませんが、その新宿区に次ぐ外国人の多い区として江戸川区や足立区、江東区が並んでいることには、意外だと感じる人もいるでしょう。

江東区の錦糸町や亀戸、足立区の竹ノ塚、江戸川区の西葛西など、特定の外国人が集住している地域はイーストエリア内に多く見られます。

こうした地域ではすでにそれぞれの外国人のコミュニティが形成されていることもあるので、マンション経営においても意識するべきターゲットとなります。

少子化などによる人口減少で日本人が減り始めていることを考えると、東京に移り住んでくる外国人をターゲットとして捉えることもできます。

先ほどから述べているように、以前は値ごろ感が強かった東京のイーストエリアにおいても、すでに不動産価格の上昇が始まっています。

エリアによってはすでに高止まりしているところもあるので、この傾向が続くとイーストエリアであっても手が届きにくくなる可能性もあるので、早めの行動をおすすめします。

東京イーストエリアで注目の駅3選

数ある東京イーストエリアの駅の中でも、交通アクセスや人気度などの観点からマンション経営の好適地として考えられる3つの駅を厳選しました。

もちろんこれら以外にも魅力的なエリアが多数あるので、あくまでも参考としてご覧ください。

1.北千住
2.両国
3.押上

1.北千住
不動産ポータルサイト「SUUMO」が調査・発表している「住みたい街ランキング」の中で「穴場だと思う街」で2021年のトップに輝いたのが「北千住」です。

しかも2021年の時点で4年連続の1位なので、「穴場」というまさに東京イーストエリアに求める価値をそのまま体現しているようなエリアです。

2.両国
墨田区の中でも西に位置しており、隅田川を挟んで中央区とも接しているため都心への物理的な距離が近く、さらにJR総武線と都営地下鉄大江戸線の2路線でアクセスが可能であることも人気の理由です。

大相撲が開催される国技館があることでも知られ、知名度も抜群です。

3.押上
「押上=東京スカイツリー」といってもよいほど、東京スカイツリーの登場で一躍知名度が上昇したエリアです。

しかも5つの路線が利用可能であるなど交通アクセスが良好で、東京の主要駅へも30分前後で行くことができます。

下町の風情と再開発によって生まれた近代的な景観が同居しており、「観光の街」に加えて「住みやすい街」としての魅力も上昇中です。

東京イーストエリアのマンション経営で失敗しないために

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最後に、東京イーストエリアでのマンション経営で失敗しないために押さえておきたい、3つのポイントを解説します。

1.東京イーストエリアの特性を十分理解する
2.「東京イーストエリアだからお値打ち」とは限らない
3.土地勘がなければ専門家に委ねる

東京イーストエリアの特性を十分理解する

どんな地域にも、それぞれの特性があります。

東京イーストエリアも例外ではないので、「単なる東京の一部」ではなく独自の風土や特徴をもったエリアであることをしっかり認識しましょう。

「単なる東京の一部」と値ごろ感だけでマンション経営に取り組むのはリスクが高いので、しっかり情報収集をしてエリアの特徴を理解するなど勉強する姿勢をもちましょう。

「東京イーストエリアだからお値打ち」とは限らない

すでに述べてきているように、イーストエリアであっても東京であることに変わりはなく、都心へのアクセスが良好なエリアを中心に不動産価格の上昇は始まっています。

個々のエリアによって強弱がはっきりしているのもイーストエリアの特徴なので、値ごろ感があるからといって何でも飛びついてしまわないようにしましょう。

土地勘がなければ専門家に委ねる

イーストエリアで生まれ育った人など土地勘がある人にとってはあまり問題にならないことですが、それ以外のエリアから土地勘があまりない状態でマンション経営を始めるのは不利になります。

土地勘にあまり自信がもてないのであれば、このエリアで物件を取扱い、土地勘も有している専門家に委ねるのがベストです。

どのエリアであっても、信頼できるパートナーの存在がマンション経営の成否に大きく関わります。

イーストエリアに土地勘がないのであればなおさらで、販売物件だけでなく地域の特性もしっかり説明してくれるかどうかを不動産会社選びの判断基準にしてください。

まとめ

東京イーストエリアとは?その魅力をマンション経営の視点で解説
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城東5区とも呼ばれる東京23区内の東部、東京イーストエリアに着目したマンション経営のポイントについて解説しました。

城西エリアと違った魅力や特性があるため、それも含めてマンション経営を成功させる道筋を解説してきましたが、いかがでしたか?

本文中でも述べているように、すでに東京イーストエリアであっても不動産価格の上昇は始まっており、駅やエリアによっては値ごろ感があまり感じられなくなってきているところもあります。

このエリアでのマンション経営をお考えの方は、できるだけ早めの情報収集と行動をおすすめします。

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