REITではマンション経営の代わりにはならないって本当?その3つの理由
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大西 勝士
大西 勝士
フリーランスの金融ライター(AFP、2級FP技能士)。早稲田大学卒業後、会計事務所、一般企業の経理職、学習塾経営などを経て2017年10月より現職。10年以上の投資経験とFP資格を活かし、複数のメディアで執筆しています。

厚生労働省の「2019年簡易生命表」によると、2019年に生まれた0歳児の平均余命は男性が81.41年、女性が87.45年で、男女ともに前年を上回っています。

また、90歳まで生存する人の割合は男性27.2%、女性51.1%です。男性は約3割、女性は半数以上が90年以上生きることになります。

長生きできるのは喜ばしいことですが、「老後の生活費が足りなくなるのではないか」と不安を感じる30〜40代の方もいらっしゃるかもしれません。そこで今回は、老後のお金の不安を解消する方法を5つ紹介します。

目次

  1. 1.老後資金はいくら必要なのか
  2. 2.老後のお金の不安を解消する5つの方法
    1. 2-1.家計を見直して支出を減らす
    2. 2-2.なるべく長く働いて収入を確保する
    3. 2-3.繰下げ受給でもらえる年金を増やす
    4. 2-4.資産運用で資産寿命を延ばす
    5. 2-5.マンション経営で不労所得を確保する
  3. 3.複数の方法を組み合わせるとより効果的

1.老後資金はいくら必要なのか

老後資金はいくら必要?老後のお金の不安を解消する5つの方法
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総務省統計局の「家計調査報告(家計収支編)2020年」によれば、夫婦高齢者無職世帯(65歳以上の夫婦のみの無職世帯)の家計収支は以下の通りです。

【夫婦高齢者無職世帯(65歳以上の夫婦のみの無職世帯)の家計収支】
・社会保障給付:約22万円
・支出:約26万円

夫婦のみの高齢無職世帯の場合、年金収入だけでは毎月の生活費が4万円程度不足します。この結果から、1年で48万円を預貯金などから取り崩す必要があるといえます。

老後生活が30年あるとすれば、1,440万円を自助努力で準備しなくてはなりません。

また、高齢単身無職世帯(65歳以上の単身無職世帯)の家計収支は以下の通りです。

【高齢単身無職世帯(65歳以上の単身無職世帯)の家計収支】
・社会保障給付:約12万円
・支出:約15万円

高齢単身無職世帯の場合、年金収入だけでは毎月の生活費が3万円程度不足します。1年で36万円、30年なら1,080万円を自助努力で準備する必要があります。

上記の金額はあくまでも平均であり、そのまま当てはまるわけではありません。

ライフスタイルは人ぞれぞれですから、年金収入だけでも十分暮らせる人もいれば、さらに多くのお金を準備しなくてはならない人もいるでしょう。

それでも、老後に必要な生活費を把握する際の目安にはなります。自分の家計状況を把握したうえで、老後資金がいくら必要かを試算することが大切です。

「趣味や旅行を楽しみたい」など、老後に豊かなセカンドライフを送りたいのなら、より多くのお金を準備する必要があります。

2.老後のお金の不安を解消する5つの方法

老後資金はいくら必要?老後のお金の不安を解消する5つの方法
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30代、40代は、必要な老後資金を準備するにはこれからどんなことに取り組めばよいのでしょうか。

ここでは、老後のお金の不安を解消する方法を5つご紹介します。

1.家計を見直して支出を減らす
2.なるべく長く働いて収入を確保する
3.繰下げ受給でもらえる年金を増やす
4.資産運用で資産寿命を延ばす
5.マンション経営で不労所得を確保する

2-1.家計を見直して支出を減らす

老後のお金の不安を解消するために真っ先に取り組みたいのが、家計を見直して少しでも支出を減らすことです。

節約に取り組んで、より少ないお金で生活できるようになれば、支出が減るわけですから預貯金が蓄えられます。

家計の見直しは、まず固定費から始めるといいでしょう。

固定費とは、家賃、保険料のように毎月発生する支出のことです。固定費の見直しは、食費や光熱費などの変動費に比べて節約効果が大きいのがメリットです。

費目によっては時間や手間がかかりますが、一度見直してしまえば、その節約効果は長く続きます。見直しておきたい主な固定費は以下の通りです。

・住居費
・車両費
・保険料
・ 通信費(スマホ代等)
・定額サービス

住居費は「住宅ローンの借り換え」や「小さな家への住み替え」によって、ローン返済額や家賃を安くできる可能性があります。

公共交通機関が充実している都市部に住んでいるのなら、マイカーを手放しても生活できることでしょう。

子どもが独立すれば生命保険の必要性は低くなるため、解約すれば保険料の節約になります。

スマホ代は契約内容を見直したり、格安SIMに乗り換えたりすることで、毎月の料金が安くなることがあります。

加入中の定額サービスを見直して、使っていないものや利用頻度が低いものを解約することもおすすめです。

通っていないスポーツジムの月会費、使っていないクレジットカードの年会費などを払っているのなら、すぐに解約しましょう。

2-2.なるべく長く働いて収入を確保する

先程示した総務省の家計収支は、無職世帯のケースでした。高齢になってからも働けるうちは働いて収入を得れば、毎月の生活費が確保できます。

2021年4月1日、改正された高年齢者雇用安定法が施行され、事業主に対して70歳までの就業機会を確保する努力義務が設けられました。

定年が70歳へ引き上げられたわけではありませんが、今後はより長く働ける環境が整う可能性があるでしょう。

生活費の不足を補うだけなら、無理にフルタイムで働く必要はありません。体力・気力に合わせて、アルバイトやパートで短時間働く方法もあります。

老後も働くことのメリットは、金銭面だけではありません。「やりがい」「社会や人とのつながり」「貢献感」など、精神面においてもプラスの効果が期待できます。

2-3.繰下げ受給でもらえる年金を増やす

年金の受給開始年齢は原則65歳からですが、受給開始年齢は60~70歳の間で選択できます。

老齢基礎年金・老齢厚生年金ともに、繰下げによって最大42%年金が増えます。繰下げ請求による年金の増額率は以下の通りです。

請求時の年齢増額率
66歳0ヵ月~66歳11ヵ月8.4%~16.1%
67歳0ヵ月~67歳11ヵ月16.8%~24.5%
68歳0ヵ月~68歳11ヵ月25.2%~32.9%
69歳0ヵ月~69歳11ヵ月33.6%~41.3%
70歳0ヵ月~42.0%

(出典:日本年金機構 老齢基礎年金の繰下げ受給

繰下げによる年金の増額率は一生変わりません。65歳以降も一定の収入があるのなら、繰下げ請求をして、もらえる年金を増やすことを検討しましょう。

また、年金制度改正法の成立により、2022年4月から受給開始時期の選択肢が拡大します。繰下げは現行70歳までですが、75歳まで遅らせることが可能となる予定で、増額率は最大84%です。

なお、今回の改正で、現在65歳の年金支給開始年齢が引き上げられるわけではありません。

2-4.資産運用で資産寿命を延ばす

老後資金を少しでも長持ちさせるには、資産の一部を投資信託などの金融商品に回し、運用しながら取り崩すのも有効な方法です。

65歳から、2,000万円を毎月10万円取り崩すケースについて確認しましょう。運用せずに預貯金のまま取り崩すと、81歳のときに預貯金は80万円と底が見え始めます。

これが年利3%で運用しながら取り崩した場合、85歳のときに344万円、5%で運用できれば95歳のときには490万円まで資産は長持ちします。

必ずこの通りに運用できるとは限りませんが、運用しながら取り崩すことで、資産寿命が延びる可能性があることがわかるかと思います。

ただし、金融商品には元本割れのリスクがあるので、無理のない範囲で資産運用に取り組みましょう。

2-5.マンション経営で不労所得を確保する

マンション経営は、投資用マンションを入居希望者に貸し出して家賃収入を得る方法です。入居者がいれば毎月家賃が入ってくることになり、年金だけでは足りない生活費をカバーできます。

家賃収入は不労所得なので、体力が衰えて働くことができなくなっても収入を確保できるのが大きな魅力です。

何歳まで生きるかは予測できませんが、資産を運用しながら取り崩す方法は、取り崩すたびに資産が減っていくため、どうしてもお金の不安を解消できない可能性もあります。

老後に年金のほかに安定した収入を確保したい場合は、肉体的・精神的な負担が少ないマンション経営が適しているといえるでしょう。

3.複数の方法を組み合わせるとより効果的

老後資金はいくら必要?老後のお金の不安を解消する5つの方法
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紹介した5つの方法は、どれか1つを実行するだけでも効果があります。

さらに効果を得たい場合は、「支出を見直したうえでマンション経営に取り組む」「長く働いて収入を得ながら年金の受給開始を遅らせる」など、複数の方法を組み合わせるといいでしょう。

すべてを実行する必要はないので、無理のない範囲で複数の方法に取り組んでみましょう。

高齢化によって、老後資金の確保が課題になっています。30〜40代のうちならば、十分な貯蓄がなくても、早めに対策を講じれば時間が味方をしてくれるので、老後資金を準備することは可能です。

老後資金となる目標金額を設定し、まずはすぐに始められる家計の見直しから取り組んではいかがでしょう。そして、より豊かな老後を送りたいと思う場合は、資産運用やマンション経営に挑戦してみてもいいでしょう。

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