ビットコインが700万円を突破、仮想通貨との正しい付き合い方を考える
(画像=Hiroyuki/stock.adobe.com)

仮想通貨(暗号資産)への注目が以前にも増して高くなっています。特に代表的な存在であるビットコインはブームの牽引役となり、2021年4月には一時700万円台をつけるなど、高騰が続いています。

折からの金融緩和によってだぶついた資金が金融市場に流入し、株高が起きていることは多くの投資家にとって周知の事実です。当初は投機性の高い商品としてのイメージが強かった仮想通貨ですが、本来の用途である決済手段として採用する流れも起きており、いよいよ仮想通貨の時代が到来するのではないかとの声も一部では聞かれます。

今後、仮想通貨はいったいどこに向かうのでしょうか。そして、投資家として仮想通貨とどう付き合っていくべきなのかを考察しました。

ビットコインをはじめ、主要な暗号資産が高騰している

仮想通貨といえば、真っ先にビットコインを思い浮かべる方が多いと思います。これ以外にもイーサリアムやリップル、その他にも日本発祥のモナコインなど、多くの「銘柄」があります。価格高騰は仮想通貨全体に見られる傾向ですが、今回は代表格であるビットコインのチャートをご覧いただきましょう。

チャートから分かる通り「右肩上がり」という表現では足りないほどの急上昇となっているのが見て取れます。テクニカル的に見てもこのチャート形状は非常に強く、多くの投資家がビットコインの買いに殺到していることが一目瞭然です。

ビットコイン以外の仮想通貨を総称してアルトコインといいますが、主要なアルトコインもビットコインの高騰に引っ張られる形で高騰しています。相場は未来を織り込むといわれますが、少なくともビットコイン相場を見ている限りは市場参加者が仮想通貨の時代が到来することを見越しているとも解釈できます。

ビットコイン高騰の理由として考えられること6つ

なぜここまでビットコインなど仮想通貨が高騰しているのでしょうか。考えられる6つの理由を挙げてみました。

1.大規模金融緩和と株高

コロナ禍による経済へのダメージを下支えするために世界各国は大規模な金融緩和を実施し、大量に供給された資金が金融市場に流入しました。その影響で株式市場はリスクオン相場となり、その安心感から仮想通貨にも買いが集まったと考えられます。

2.決済方法として採用されはじめている

前項の上昇要因には投機的な思惑も含まれますが、実需の面からも追い風が吹いています。PayPalやクレジットカード大手のVISAなどが仮想通貨による決済を導入すると発表しており、すでに広く利用されている決済手段に仮想通貨が加わっていくことを見越して買いが集まっている側面もあります。

3.テスラの大規模投資

電気自動車メーカーの「テスラ」がビットコインに投資をしたニュースが流れ、相場が一時急騰しました。さらに同社は電気自動車購入の決済にビットコインを採用するとも発表しており、こうしたニュースが大きな追い風となりました。

4.ビットコインの半減期

仮想通貨はブロックチェーンと呼ばれるネットワーク上に存在し、世界中からこのブロックチェーンに参加して取引台帳を記録した人に報酬が支払われる仕組みになっています。この仕組みはマイニング(採掘)と呼ばれ、仮想通貨ビジネスにおける収入源の1つとなっています。

当初から発行枚数が決まっている仮想通貨では、発行枚数が一定数に達するとマイニングの報酬が減少します。これを半減期といって、半減期になると新規発行枚数が減るため、すでに価値が高くなっている仮想通貨の価値はさらに高くなる傾向があります。

ビットコインも過去に半減期を迎えるたびに高騰を繰り返してきた経緯があるため、今後の半減期に向けてさらなる価格上昇の思惑が働いています。

5.高騰に引き寄せられた個人投資家の旺盛な買い意欲

上記までのさまざまな要因によって仮想通貨の価格上昇が起きたことは、個人投資家からも大いに注目を集めました。これをチャンスと感じた個人投資家が参入し、旺盛な買い意欲を示したことも相場のマインドを上向かせています。

6.デジタルゴールドとしての価値

他の金融資産と違って金(ゴールド)には普遍的な価値があり、さらには有限の天然資源であることから、安全資産の代表格として認識されてきました。金融不安が起きると金の価格は上昇し、投資マネーの逃避先として機能してきました。

そんな金と並ぶ存在として、ビットコインを「デジタルゴールド」と呼ぶ人が現れました。もちろん、ビットコインは普遍的な価値を持つ安全資産と呼べるほど価格が安定しているわけではありません。一方で、インターネット環境があれば世界中で購入できる手軽さから、新興国の方なども投資しやすく新たな資金の逃避先としての価値を高めています。

投資商品としての仮想通貨はアリか

ここまで注目されている仮想通貨だけに、新たに投資してみたいと思われている方は多いと思います。実際のところ、投資妙味はどれだけあるのでしょうか。

あまりにも価格上昇スピードが速かったため、「乗り遅れてはいけない」とばかりに飛び乗った投資家も多いのですが、ここまで価格の乱高下が激しいと高騰の逆に暴落のリスクと常に隣り合わせともいえます。また、仮想通貨は株やFXなどのように分離課税ではなく雑所得として扱われるため、税制面でも不利な部分があります。

これらの点を考慮すると、仮想通貨を投資対象の中心に据えるのは好ましいとはいえません。あくまでも資産ポートフォリオの一部として組み込み、大きな値上がりに期待する一方で仮想通貨への投資金を全部失っても大きなダメージにならないようにしておくことが重要です。

今後、ビットコインはどこに向かう?

高騰を続けているビットコインですが、このビットコインは今後どのような存在になっていくのでしょうか。仮想通貨の代表格としての存在感は今後も維持されるでしょうし、突然無価値になってしまうような暴落も考えにくいと思います。

しかし、その一方で「1,000万円を超える」「1億円を超える」といった論調も散見されますが、これも眉唾だと思われます。こうした天文学的な高騰を期待する投資よりも、長期保有することによって長期的な価格の上昇に期待する投資や、決済手段として定着していく時代に向けて保有しておくといったスタンスが無難でしょう。

仮想通貨投資のリスク

仮想通貨投資に興味がある方に知っておいていただきたいのが、仮想通貨特有のリスクです。これらをしっかり理解したうえで投資を検討するようにしてください。

最初に挙げたいのが、ボラティリティ(変動幅)の高さです。価格が乱高下していることは投資家にとって面白さではありますが、短期間に大損をするリスクを常にはらんでいることを忘れてはいけません。「価格の乱高下に一喜一憂しない程度の金額」が、適切な投資額の目安です。

将来的にはブロックチェーンの暗号が解かれる可能性も

仮想通貨が存在しているブロックチェーンはとても優れた技術です。そのブロックチェーンに暗号化されたデータが「通貨」として流通しているので、仮想通貨は暗号資産とも呼ばれます。この暗号を解くことがきわめて困難であることは、仮想通貨が通貨であることの生命線です。

現状ではこの暗号を解くのに膨大な時間がかかるため実質的に不可能とされていますが、はるかに高速で高性能な量子コンピューターが今後開発され、ブロックチェーンの解読に用いられるようになると、仮想通貨の暗号が意味をなさなくなる時がくるかもしれません。

また、ブロックチェーンはそこに参加しているコンピューター上のデータがすべて同じであることでセキュリティ性を保っています。仮に一部のコンピューターで不正を働いて内容を改ざんしたとしても、ブロックチェーンでつながっている他のコンピューター上の情報と一致しなければ少数意見が誤りもしくは不正であるとして修正されます。

あまり現実味はありませんが、仮に51%を超えるコンピューターを同時に操作して内容を改ざんするとその情報が多数派となり、改ざんが成立してしまうといわれています。これは仮想通貨の「51%問題」と呼ばれるもので、あくまでも理論的なリスクですが、留意しておくべきでしょう。

リスクを踏まえたうえで投資をしよう

その他にも世界各国の仮想通貨規制や、仮想通貨をマネーロンダリングに悪用する勢力に対する規制など、仮想通貨の存在そのものを否定したり、制約を加える動きも実際にあるので、こうした要因も踏まえたうえで投資を検討するようにしてください。

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