高利回りが魅力のインフラファンドとは?仕組みやメリット・デメリットを解説
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インフラファンドは、太陽光発電設備などのインフラ施設に投資を行うファンドです。利回りが高く定期的に分配金が支払われることからインカムゲインを目的とする投資家に人気があります。今回は、インフラファンドの仕組みやメリット・デメリット、注意点について解説します。

インフラファンドとは

インフラファンドとは、太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギー発電設備などに投資を行うファンドのことです。投資法人が複数の投資家から集めた資金でインフラ施設を保有し、発電事業を行うオペレーターに貸し出すことで賃貸料を得るビジネスモデルとなっています。基本的な仕組みは、J-REIT(不動産投資信託)と同様です。賃貸収入や売却益などの収益は、投資金額に応じて投資家に分配されます。

一定の要件を満たすと法人税が20年間非課税となることから、分配金利回りは高めに設定されている傾向です。再生可能エネルギー発電には、国が固定価格での電気の買取を保証する「固定価格買取制度(FIT)」があります。オペレーターは、固定価格買取制度により一定の売電収入を確保できるため、投資法人も安定した賃貸収入を得られることが魅力です。

インフラファンド銘柄一覧

インフラファンドは、東京証券取引所に上場しているため、一般株式やETFなどと同様に売買することができます。2021年2月末時点での上場インフラファンドは以下の7銘柄です。

コード銘柄投資口価格利回り決算期時価総額
9281タカラレーベン・インフラ投資法人11万8,000円5.81%5月・11月約260億円
9282いちごグリーンインフラ投資法人6万6,100円5.78%6月約68億円
9283日本再生可能エネルギーインフラ投資法人10万3,800円6.17%1月・7月約206億円
9284カナディアン・ソーラー・インフラ投資法人13万2,100円5.64%6月・12月約305億円
9285東京インフラ・エネルギー投資法人9万7,300円6.52%6月・12月約108億円
9286エネクス・インフラ投資法人8万9,400円6.71%11月約312億円
9287ジャパン・インフラファンド投資法人9万5,100円6.12%5月・11月約128億円

2015年4月、東京証券取引所にインフラ市場が開設され2016年6月には上場インフラファンド第1号としてタカラレーベン・インフラ投資法人が上場しました。その後は2016年12月にいちごグリーンインフラ投資法人、2017年3月に日本再生可能エネルギーインフラ投資法人が上場を果たし2021年2月末時点では上記の7銘柄まで増えています。

インフラファンドの分配金利回りは、いずれも5~6%台(2021年2月末時点)と高く決算月に応じて年1~2回分配金を受け取れるのが特徴です。2021年2月末現在、インフラファンド市場全体の時価総額は約1,388億円ですがJ-REITの時価総額が約15兆4,600億円のため、インフラファンドの市場規模は依然として小規模といえるでしょう。

しかしSDGs(国連の持続可能な開発目標)や脱炭素など気候変動問題への関心が高まっていることからインフラファンドの市場規模(時価総額)は、今後もさらに拡大する可能性があるでしょう。

インフラファンドのメリット

インフラファンドの主なメリットは、以下の4つです。

利回りが高い

インフラファンドは、利回りの高さが魅力です。2021年2月時点でJ-REITにおける過去の平均分配金利回りは約4%ですがインフラファンドの利回りは5~6%台のため、大きくJ-REITを上回っています。インフラファンドは、国が行っている固定価格買取制度による売電収入がベースのため、安定した分配金収入が期待できます。

定期的に分配金を受け取れる

インフラファンドは、年1~2回の決算月を迎えるごとに分配金を受け取れます。決算月は、ファンドによって異なるので複数の銘柄に投資すれば定期的に分配金収入を得ることが可能です。インカム収入が目的で投資する場合、インフラファンドは選択肢の一つとなるでしょう。

比較的少額から投資できる

インフラファンドは、1口単位で取引されるため、比較的少額から投資できます。2021年2月末時点でインフラファンドの最低投資金額は7万円程度です。また投資口価格が高い銘柄でも14万円程度あれば購入できます。まずは、試しに1銘柄購入し問題がなければ少しずつ銘柄や口数を増やすことも方法の一つです。まとまったお金がある場合は、投資銘柄を分散することでリスク軽減が期待できます。

指数連動型の投資信託・ETFが設定される可能性がある

2020年4月27日には、東京証券取引所に上場するインフラファンド全銘柄で構成される「東証インフラファンド指数」の算出が開始されました。今後は、東証インフラファンド指数に連動する投資信託やETF(上場投資信託)が設定される可能性があります。インフラファンドは、市場規模が小さいこともあり個人投資家を中心に取引されている傾向です。

しかし指数連動型の投資信託・ETFが登場すれば機関投資家が取引に算入して市場規模が一気に拡大する可能性もあります。今のうちにインフラファンドに投資することで分配金だけでなく投資口価格の値上がりによる売却益も期待できるでしょう。

インフラファンドのデメリット

一方でインフラファンドには、以下の2つのようなデメリットもあります。

借入金を活用できない

不動産投資や太陽光発電投資のような実物資産への投資では、金融機関の融資を利用して物件を取得できます。借入金を活用すれば、全額自己資金で投資するよりも効率的に資産を増やすことが可能です。しかしインフラファンドは金融商品のため、融資が利用できません。借入金のレバレッジ効果を利用して資産を増やしたい場合は、不動産投資などを検討したほうがいいでしょう。

固定価格買取制度(FIT)の見通しが不透明

固定価格買取制度では、国が再生可能エネルギーで発電した電気を一定期間固定価格で買い取ることを保証しています。しかし「買取期間の終了後、売電価格がどうなるか」といった見通しは不透明です。状況によっては、オペレーターからの賃貸収入が減少し、分配利回りが低下する可能性もあるでしょう。保証期間内は、安定して分配金が支払われますが固定価格買取制度終了後の動向は分からないため注視しておく必要があります。

インフラファンドを購入するときの注意点

インフラファンドを購入するときの主な注意点は、以下の2つです。

株式と同じ売買手数料がかかる

インフラファンドは、証券取引所に上場している金融商品のため、一般株式を売買するときと同様に売買手数料がかかります。株式売買手数料の料金体系は、金融機関によって異なり一般的にネット証券は手数料が低く一定額までは手数料無料で売買できるところも多い傾向です。インフラファンドに投資するならコストを節約するために売買手数料が低い証券会社を選びましょう。

決算月の配当落ちに注意

インフラファンドは、利回りが高いため、決算月の権利付き最終日(分配金を受け取る権利が確定する日)にかけて投資口価格が上昇する傾向です。そのため権利落ち日(権利付き最終日の翌日)以降は、しばらく投資口価格が下落することがあります。権利付き最終日の直前に購入すると配当落ちによる投資口価格の下落で含み損を抱える可能性もあるため、投資するタイミングには注意が必要です。

インフラファンドを少しでも安く購入したい場合は、権利落ち日以降を狙うといいでしょう。

高利回りのインフラファンドでインカム収入を確保しよう

インフラファンドは、利回りが高く国が保証している固定価格買取制度をベースに安定した分配金収入が期待できます。インカム収入を目的に投資に取り組むならインフラファンドは選択肢の一つとなるでしょう。ただしインフラファンドは2021年2月時点でまだ新しい金融商品です。「固定価格買取制度終了後の見通しが不透明」というデメリットがあることも周知しておきましょう。

利回りの高さだけに注目せずメリット・デメリットをよく理解したうえで投資判断を行うことが大切です。

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