資産運用に追い風!手数料無料化の流れが加速している
(画像=kai/stock.adobe.com)

不況下で収入が伸びない時代において、資産運用の重要性に気付く人も増えているのではないでしょうか。証券会社の口座開設数も伸びる中、証券各社の間では手数料無料化の流れが顕著です。資産運用を始めるには追い風が吹いているといえるでしょう。本記事では、資産運用を始める人が増えている背景と商品別の手数料無料化の現状を探ります。

不況下で資産運用を始める人が増えている

2020年に感染が拡大した新型コロナウイルスの影響で資産運用を始める人が増加する傾向にあります。コロナショックにより2020年2月下旬~3月にかけて株価が暴落したことで投資を始めるチャンスと考えた人が多い傾向です。そのことは、個人投資家が中心となるネット証券の口座開設数が急速に伸びていることからもうかがえるでしょう。

大手ネット証券の楽天証券の口座開設数は、2020年12月に500万口座を突破しています。500万口座を超えたのはSBI証券(550万口座:2020年9月時点)、野村證券(532万口座:2020年9月時点)に次いで3社目です。この流れを受け日経平均株価も上昇を続け2021年1月8日終値で2万8,000円台を回復し2万8,139円03銭を付けています。

これはバブル期の1990年8月8日(2万8,509円14銭)以来30年5ヵ月ぶりの高値です。上昇の背景には、2020年7~9月期における米国、ユーロ圏、日本のGDP急回復や米国大統領選でのバイデン氏勝利、世界各地での新型コロナワクチンの接種開始などがあります。いずれも世界景気の回復に期待が持てる要因ですが日経平均株価の上昇には個人投資家の急増も貢献しているのは確かでしょう。

証券会社の手数料無料化競争が続く

証券会社にとっては口座数を伸ばす好機となっていますがその方策の一つが取引手数料の無料化です。かつては松井証券が「1日の取引金額が50万円まで国内株式手数料無料」という画期的なサービスを打ち出し大きな話題になりました。しかし2021年時点では他の証券会社も取引内容によって無料化を実施したことにより無料化がそれほど珍しくない時代になっているのです。

株式と投資信託では、手数料や諸経費の体系が異なります。またNISA(少額投資非課税制度)に比べてiDeCo(個人型確定拠出年金)にかかる諸経費はかなり複雑です。「どの部分が無料になるのか」を事前に確認して口座を作る必要があります。特にiDeCoは給付金を受け取れるのが60歳以降です。運用スタンスが長期投資になるため、少しの諸経費の違いでも長期間払い続けると大きな差になる場合があります。

株式も1取引ごとの手数料はそれほど高くなくても頻繁に取引を重ねるとそれなりのコストになりかねません。売買手数料が無料の範囲内で取引できれば売買コストを気にせずに取引することができます。このように個人投資家にとっては、理想的な環境が整いつつあります。一方で手数料が無料になっても株価の下落リスクがあることに変わりはありません。

世界経済は、コロナの収束に向かう途中で不安定な状況にあり、企業業績も本格的な回復には時間がかかります。「2020~2021年にかけての株高は行き過ぎ」との声もあり今後も株価水準に注意しながら投資することが必要です。では、商品別の手数料無料化の状況を確認しておきましょう。

国内株式の手数料

国内株式の手数料は、先に紹介した松井証券に対抗しSBI証券、楽天証券、岡三オンライン証券が定額コースの取引に限り1日100万円まで手数料無料のサービスを開始しました。さらに細かく見ると、SBI証券は現物・制度信用・一般信用取引がそれぞれ別口で合計300万円まで無料、岡三オンライン証券は現物取引と信用取引で合計200万円まで無料となります。

楽天証券は現物・信用取引の合計で100万円まで無料です。100万円であれば少額取引だけでなく中規模な取引でもコストダウンできるので個人投資家にとっては大きな改定といえます。また最近利用する人が増えているスマホ証券の代表であるLINE証券では、買付に限り国内株式の手数料が無料です。そのため売却するときには売付手数料がかかります。

しかし株主優待が目的で売るつもりがない株であればノーコストで保有することが可能です。また信用取引の売買手数料も無料となっています。

外国株式の手数料

外国株式では、DMM.com証券の株式部門「DMM株」が米国株の取引手数料を無料にしています。外国株の中で最も取引が多いと思われる米国株の手数料が無料になることはかなり大きなメリットといえるでしょう。完全無料ではありませんが最低手数料が無料の証券会社にはSBI証券、楽天証券、マネックス証券などがあります。

最低手数料が適用されるのは楽天証券が2.22米ドル以下、SBI証券が2.02米ドル以下、マネックス証券が1.11米ドル以下の取引です。そのため株価の高い優良株を買いたい場合は手数料がかかることになります。

投資信託の手数料

一般社団法人投資信託協会の調べによると2020年10月現在で株式投資信託と公社債投資信託を合わせたファンドの合計は7,415本です。その中には「ノーロード」と呼ばれる販売手数料無料のファンドがあります。比較サイト「価格.com」の「手数料無料(ノーロード)ランキング」を見ると販売手数料無料のファンドが一覧で表示されています。

騰落率や純資産額、信託報酬なども掲載されているため、手数料無料のファンドに絞って探すなら参考になるでしょう。投資信託で手数料と並ぶコストとなる「信託報酬」を期間限定で無料にする動きもあります。野村アセットマネジメントが運用する「野村スリーゼロ先進国株式投信」は、2030年12月31日まで信託報酬が無料です。

つみたてNISAの専用商品で野村證券のオンライン取引でのみ購入できます。つみたてNISAの口座を持っている人は検討してみるのもよいでしょう。投資信託において信託報酬は大きなコストです。ファンドによってかなり差があるため、「単に販売手数料が無料」というだけでなく信託報酬の料率にも注意を払う必要があります。

NISAとiDeCoの手数料

NISAとiDeCoの手数料はどうなっているでしょうか。NISAとiDeCoは、政府が国民の資産形成を後押しする政策のため、主要なネット証券の多くが手数料を無料にして口座開設につなげようとしています。主な証券会社の商品ごとの手数料無料化(条件付き無料の証券会社は除く)の状況は、以下の通りです。

・NISA口座で国内株式売買手数料が無料の証券会社
SBI証券、楽天証券、マネックス証券、松井証券、 auカブコム証券、GMOクリック証券、DMM.com証券、

・NISA口座で投資信託販売手数料が無料の証券会社
SBI証券、楽天証券、マネックス証券、松井証券、auカブコム証券、 GMOクリック証券、岡三オンライン証券、SBIネオトレード証券(旧ライブスター証券)

・iDeCo口座で口座管理料と手数料が無料の証券会社
SBI証券、楽天証券、マネックス証券、松井証券、auカブコム証券、大和証券

iDeCoでは、証券会社に支払う口座管理用や手数料とは別に国民年金基金連合会に支払う加入時手数料2,829円(税込み)と国民年金基金連合会・信託銀行に毎月支払う運営管理手数料171円(税込み)がかかります。不況が当面続きそうな社会情勢の中、資産運用の必要性は今後さらに高まることが予想されるでしょう。

少額投資が中心になる個人投資家にとって手数料を気にせず投資できる環境が整ったことは歓迎すべき流れです。まだ投資の経験がない人も取引コストが下がったこの好機を捉え資産運用に踏み出してみるのも不況対策における選択肢の一つといえるでしょう。

※本記事中の手数料は2021年1月14日現在の情報を基に構成されていますので、今後変更になる場合があります。購入の際は証券会社のホームページ等で最新の情報をご確認ください。

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