都心部では鉄道網が発達していますが、電車だけではたどり着くのに不便なエリアも少なくありません。そんなときに有効な移動手段がバスです。特に市区町村が運営している「コミュニティバス」は利用料金が安く、意外と知られていない存在ではないでしょうか。コミュニティバスを上手に活用すると、移動が便利で楽しくなります。
東京23区にあるコミュニティバスを紹介
都心部ではいろいろなコミュニティバスがあり、東京駅の周辺には複数の無料巡回バスが走っています。例えば、八重洲や京橋、日本橋エリアには「メトロリンク日本橋」「メトロリンク日本橋Eライン」、丸の内エリアには「丸の内シャトル」が運行しており、これらは協賛企業の協力により運営されているため、運賃が無料です。
上野・浅草エリアを土日祝日のみ運行している無料バスは「パンダバス」。その名の通り、車体正面にパンダの顔があしらわれており、非常に愛らしいコミュニティバスのため子どもに大人気です。また自由が丘・田園調布といったおしゃれエリアを巡回している「サンクスネイチャーバス」も無料で利用ができます。天ぷらなどに使用された廃食用油のリサイクル燃料V.D.F.を使用している環境に優しいバスです。
無料バスばかりではなく、有料バスもあります。例えば、千代田区の地域福祉バス「風ぐるま」は、区内の施設や福祉施設を中心に4路線で運行しており、料金は小学生以上なら100円と格安です。中央区で2路線を運行する「江戸バス」も料金は100円で利用できます。ほかにも、以下のようなコミュニティバスがあります。
- 文京区:「Bーぐる」(小学生以上100円)
- 北区:「Kバス」(小学生以上100円)
- 豊島区:「IKEBUS」(小学生・高齢者・障がい者100円、中学生以上200円)
- 杉並区:「すぎ丸」(小学生以上100円)など
港区のコミュニティバス「ちぃばす」が便利
東京23区のなかでもルートの充実ぶりで群を抜くのが、港区のコミュニティバス「ちぃばす」です。六本木ヒルズを中心に、港区内9ルートを運行。区内のあらゆる場所に、「ちぃばす」だけでたどり着けるといっても過言ではないでしょう。港区は23区のなかでも坂の多い土地なので、区内移動にはもってこいの乗り物といえます。
運賃は1回の乗車で100円(小学生以上)ですが、500円の1日乗車券(土日や8月13~15日、年末年始のみ利用可能)を買えば乗り放題です。土日祝日なら、1日乗車券を買って東京タワーや六本木ヒルズなどの観光地を巡るのも楽しいかもしれません。
詳しい路線図や時刻表などはちぃばす公式HPをご覧ください。
コミュニティバスのメリット、デメリット
コミュニティバスのメリットは、やはり地域の移動手段として便利なことです。都営バスなどの路線バスが走らないような細い道を走っていることもあります。また運賃が100円程度と格安で、路線によっては無料のところもあるのでリーズナブルです。
一方、デメリットもあります。一つは、基本的に車両が小さいことです。雨の日など利用者が多い場合には、すぐに定員に達してしまいます。 また、ルートが一方通行のケースがあることもデメリットです。行きのルートと反対方向のルートがなく、元いた場所に戻るためにはグルッと遠回りをしなければならないことがあります。さらに運行本数がそれほど多くいないため、時間を見計らってバス亭に行かないと長時間待つことになりがちです。加えて自治体の予算で運営されているため、財源の問題などで運行終了の可能性があることもデメリットでしょう。
コミュニティバスをうまく活用すると行動範囲が広がる
都内に限らず、全国にはいろいろなコミュニティバスが走っています。スマホの乗換案内アプリなどで検索してもこれらのコミュニティバスのルートは表示されない場合もあるため、地元の人以外が利用することは少ないかもしれません(「Yahoo!乗換案内」アプリでは対応)。しかしコミュニティバスをうまく活用すれば電車や路線バス、徒歩ではなかなか行けないような場所に行けることがあります。
1日乗車券を使って乗り降りしてみれば、地域をゆっくりと散策できるため新たな発見をすることもあるでしょう。便利に移動でき、ちょっとしたワクワク感も味わえる……そんなコミュニティバスを利用してみてはいかがでしょうか。
なお、新型コロナウイルスの感染拡大の影響から、運休となっているコミュニティバスもあるため、利用する場合は事前に確認しておきましょう。
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