新型コロナウイルスの感染拡大を防止するために、多くの企業がテレワーク(リモートワーク)を導入しています。これを機にテレワーカーが増えていくと、家で仕事をするという観点で住宅を選ぶ人が増えるかもしれません。そうなるとマンション経営をするうえでも、テレワークしやすい物件ということが大切になってくるでしょう。

テレワーカーにとって欠かせないマンションの設備って?
(画像=Elena Gordeichik/Shutterstock.com)

今後もテレワークが続けば、仕事がしやすい住宅ニーズが高まる

人材系シンクタンクのパーソル総合研究所が2020年4月に実施した調査によれば、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言後、企業のテレワーク実施率は全国平均で約28%という結果になりました。緊急事態宣言前の3月半ばの13.2%と比べると、2倍以上の実施率です。

テレワーク実施率が増加したことで浮かび上がってきたのが「生産性」の問題です。そもそも住宅は、仕事をするために作られていないことがほとんどでしょう。家で仕事をしていると、何かと不便を感じてしまうのも無理はありません。その結果、生産性の低下が懸念されているのです。

今後、新型コロナウイルス感染症が落ち着いてきたとしても、従業員の安全確保や働き方改革のために、引き続きテレワークを実施する企業は出てくるでしょう。そうなると、テレワークする上で利便性の高い住宅へのニーズが高まることが考えらます。

テレワークでも生産性が高まる6つのポイント

では、テレワークを前提とした賃貸住宅には、どんな環境が求められるのでしょうか。

1.“本当に”高速なインターネット環境

テレワークの必須ツールであるテレビ会議システムや情報共有システム。これらを快適に利用するためには、高速インターネットは欠かせません。光ファイバーによる高速インターネットが利用可能な物件であれば、テレワーカーも安心でしょう。

インターネットの普及により、「高速インターネット無料」をうたう賃貸物件は増えています。しかしこれは、あくまでもベストエフォート(最大限の努力)値であり、実際には「高速とは言えない」ことも少なくないようです。ただでさえ、テレワークの普及によって回線が混雑するという事象が起こっています。今後は、容量の軽い情報のやり取りには問題ない速度(100MB程度)ではなく、高画質の動画の再生などにも適した速度(1GB程度)が求められるでしょう。

2.パソコン置き場など作業できるスペース

自宅で仕事をするためには、PCや周辺機器を置くスペース、場合によっては書類を広げられるスペースが欲しいですよね。テレワークに適した物件には、それらを可能にするスペースが必須です。仕事専用のスペースである必要はありませんが、作業ができるスペースは広い方がいいでしょう。単身者向けの物件であれば、仕事用のデスク・イスを設置するのも喜ばれるでしょう。

3.ONとOFFが切り換えられる環境

テレワークで生産性が下がってしまう原因の一つが、ONとOFFの切り換えがうまくいかないことです。そこで、仕事用の小さな書斎があったり、パーテーションでプライベートと仕事の環境を分離できたりする物件のニーズが高まるかもしれません。ワンルームや1DKなどの単身者用物件の場合は難しいかもしれませんが、可動式パーティションの用意などを検討してみてはいかがでしょうか。

4.日常生活が充実する周辺環境

通勤せずに、自宅で仕事をするのがテレワークです。そこで、「何も都心の物件である必要はなく、どんな場所に物件があってもテレワークは成り立つのでは?」と考える人は多いでしょう。しかしこれは大きな間違いと言えます。仕事時間を含めた日常生活のすべてが自宅中心になるわけです。究極の「職住近接」です。そのため、日常生活を快適にする意味で周辺環境は非常に重要です。

コンビニやスーパーなど買い物をする場所があることはもちろん、カフェやマッサージなどのリラックス施設、運動不足解消のためのスポーツジムなど、周辺環境が充実している物件のほうが喜ばれるでしょう。

5.作業ができる共用部の設備

自宅ではなかなか集中できない、あるいは取引先とテレビ会議をするのに室内が写ってしまうのは避けたい、そういったケースで重宝するのが共用部の作業スペースです。豪華なスタディルームやコワーキングスペースでなくとも、ちょっとした机とイスがあって作業できるようなスペースがあるだけで、テレワーカーにとっては役立つはずです。

6.不要な接触を防ぐ設備

感染症が拡大している時期に限ったことかもしれませんが、インターネット通販での買い物が中心になる一方で、宅配業者との接触をできるだけ避けたいと考える人は増えています。女性向けの物件などでは、安全面からも同じように考える人は少なくありません。宅配ボックスがあれば、宅配業者と接触せずに大きな荷物も受け取ることができます。もちろん宅配ボックスがあれば再配達を防げるなど、宅配業者にもメリットがあります。

総合的な視点で快適な住居を提供することが大切

このようにして考えると、テレワーク向け物件にしたいとからいって、何も特別な設備を揃える必要はないのかもしれません。一般的な入居者に喜ばれるような設備を、より充実した形で用意しておくことが大事になるといえます。

すでにこうした条件を備えた物件であれば、「テレワークに最適!」といったアピールをすることで入居者募集が有利に進むのではないでしょうか。

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