高齢化とともに単身世帯が増加し、不動産オーナーにとって心配なリスクの一つ「孤独死」も増加傾向です。近年は孤独死リスクに対応する孤独死保険という商品も登場しています。実際に孤独死が起こるとどんな被害があるのでしょうか。本記事では孤独死の現状や損害額、孤独死保険について紹介します。

ますます進む高齢化社会。もしもの事態に対応する「孤独死保険」
(画像=ilikeyellow/Shutterstock.com)

高齢化に伴い、増え続ける孤独死

高齢化の進展に伴い「孤独死」に関するニュースを見聞きすることが増えてきました。孤独死について全国的な調査データはありません。しかし東京都監察医務院が公表しているデータによると「東京都23区内における一人暮らしで65歳以上の人の自宅で死亡した数」は2017年で3,333人でした。過去10年の推移をみると2007年2,361人、2012年2,733人となっており、年々増加していることが分かります。単独世帯の増加に伴い孤独死もさらに増えていくと考えられます。なお、一般社団法人日本少額短期保険協会の「第4回 孤独死現状レポート」(2019年5月17日)によると、孤独死の平均年齢は男女とも61歳、男女の人数比率は男8:女2でした。また65歳未満の割合は51%となっています。

孤独死というと高齢者のイメージがありますが実際には20~50代世代で41.4%も占めているのです。

平均原状回復費用は約36万円。最大で約416万円!

不動産オーナーとして心配なのは、所有物件で孤独死が起こった際の損害です。先ほど紹介した「孤独死現状レポート」によると、孤独死の損害金は「残置物処理費用」「原状回復費用」「家賃保証費用」の3種類に分けられ、それぞれの平均額は以下のようになっています。

費用内容 平均損害額
残置物処理費用 21万4,120円
原状回復費用 36万1,392円
家賃保証費用 32万1,840円

これらはあくまでも平均損害額です。最大では残置物処理費用で約178万円、原状回復費用で約415万円の損害額となったケースも発生しています。孤独死発生時の損害はかなりの高額になる可能性もあることが分かるのではないでしょうか。

少額短期保険会社が発売している保険

このような孤独死リスクに対してオーナーはどう対処すればよいのでしょうか。孤独死防止策としてオーナーができることは範囲が限定されます。なぜならコストやプライバシーの問題があるからです。そこで現実的な対策として考えられるのは保険です。近年は孤独死に対応する保険商品が次々と登場しています。以下に主な孤独死保険を3つピックアップしてみました。

アイアル少額短期保険「無縁社会のお守り」

原状回復費用(最大100万円)のほか、空室になった場合の家賃損失(最長12ヵ月、最大200万円)、見舞金(5万円)が支払われます。保険料は1戸室あたり月額300円です。

住まいプラス少額短期保険「大家さんの安心ぷらす」

原状回復費用(限度額100万円)、臨時費用(コースによって25万円・50万円・75万円のいずれか)、遺品整理費用(定額3万円)が支払われます。保険料は25万円コース(月額家賃目安10万円未満)なら年間2,700円です。

あそしあ少額短期保険「大家の味方」

火災や風災、水災、死亡事故などにより物件が損害を受けたとき、その建物の所有者に生じる建物復旧期間中の家賃収入の損失に対して家賃の補償(最大6ヵ月分)や修理費用保険金(300万円まで)、臨時費用保険金(犯罪原因の死亡で50万円)などが支払われます。年間保険料は、家賃6万5,000円の部屋なら1室3,300円ほどです。

大手保険会社の火災保険オプションも

大手保険会社が販売する火災保険でも特約として「家主費用特約」を用意している商品が多い傾向にあります。家主費用特約は孤独死などの事故が発生した際、家賃の損失や原状回復費用・遺品整理費用などを補償する特約です。もちろん保険料や補償金額・補償内容はそれぞれの商品によって異なるので、契約する場合は内容をよく確認することが大事になります。

少額短期保険にしても火災保険の特約にしても契約すれば保険料というコストが発生します。孤独死に対応している保険料はそれほど高額ではないため、対策を講じたいのであれば一度加入すべきかどうかを検討してみるとよいでしょう。入居者の属性を見て「独身中高年男性が多い」「高齢者が多い」といったケースであれば加入するなど、所有物件に見合った判断が必要です。

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