現在不動産投資ローンの金利は3%前後ですが、これは高いのでしょうか。それとも安いのでしょうか。不動産投資ローンは住宅ローンとは性質が違うので、単純に比べるだけではわかりません。では、どのように考えればいいのでしょうか。

金利3%の不動産投資ローン。これって高い?
(画像=Pla2na/Shutterstock.com)

住宅ローン金利と不動産投資ローン金利の相場

2019年12月現在、不動産投資ローンの金利は3%前後です。2.5%から3.5%のものが多いですが、金融機関によっては1%台、4%台のものもあります。変動金利のほうがやや低いですが、固定金利との間に大きな差はありません。一方住宅ローンは、30年の長期固定ローンでは1.3%前後ですが、変動金利では0%台半ばのものもあります。

賃貸用と居住用という用途の違いで、金利に1~2%もの差があります。2019年、複数の不動産投資家や不動産会社が住宅ローンで賃貸用の不動産を購入していたことが発覚しました。居住用ローンの方が融資を受ける際の審査が通りやすいこと、金利が低いことがあります。しかし借り受けた資金を契約目的以外の用途で使えば契約違反となり、一括返済を求められる可能性があります。

不動産投資ローンも住宅ローンも、不動産を担保にお金を借りるという点は同じです。では、なぜこのような差があるのでしょうか。また3%という金利は、高いのでしょうか。

金利の差はリスクの差

金利を設定する仕組みを、金融機関の視点で見てみましょう。貸し付けは、債券の購入と同様にデフォルト(債務不履行)のリスクを伴います。

債券は基本的に額面と金利が手に入るため、適正な価格で入手すれば損することはありません。しかし、債券の発行主体がお金を工面できずに償還が遅れたり、償還金がごくわずかになってしまったりすることがあります。これをデフォルトといいます。

貸付や債券などの金利は、リスクフリーレートとリスクプレミアムで決まります。リスクフリーレートとは、デフォルトの可能性がほとんどない最も安全な運用で得られる利回りのことです。債券の場合は日本国債の金利がこれにあたり、金融機関による貸し付けの場合はデフォルトの可能性が極めて低いと考えられている最優良顧客に貸し出す際の金利(プライムレート)がこれにあたります。

リスクプレミアムは、個々の事案についてデフォルトのリスクを金利に換算した数値です。プライムレートが0.95%の時に賃貸用マンションローンの金利が3.25%だとすると、金融機関は採算を取るためのリスクプレミアムを2.3%と考えていることになります。

個人のリスクは運用で低くすることができる

賃貸用ローンと住宅ローンの金利差は、リスクプレミアムによるものです。住宅ローンの返済原資は給与以外にないので、基本的に返せない金額は借りられません。また住宅ローンが使えるのは、基本的に1人につき1戸までです。

一方、賃貸用ローンは給与に加えて家賃収入からも返済金を捻出できます。1人で複数の不動産を保有できるため、給与収入だけでは返済できないような金額を借りることもできます。しかし、何らかの事情で家賃収入が減ると返済が滞る可能性があるので、リスクプレミアムを高く設定しているのです。

滞納は、購入価格や物件の内容、管理が不適切なことによって発生します。つまり、よい物件を紹介し、良好な管理をする不動産業者と付き合うことで、個人が負うリスクは低減できるのです。少し視点を変えると、賃貸経営が上手ではない人のリスクプレミアムを、堅実な経営者が金利という形で負担しているといえます。

3%なら返済期間中はトントン、その後に盛り返す

「金利3%が高いか安いか」をマンション経営の採算性から考えてみましょう。基本的に家賃収入を購入価格で割った利回りが金利よりも高ければ、利益が出ることになります。東京の利回りは4~5%なので、経費を考慮しても金利が2~3%であれば採算ラインに乗ります。

これはあくまでも返済期間中の話であり、ローン完済後も物件を保有していれば、手堅い収入源になります。返済中の収支はおそらくトントンですが、長く所有すれば保有期間全体の利回りは伸びていきます。また、都心部など立地の良い物件の場合、長期に渡り価格が下がりにくい物件があります。そのようなケースでは、ローン残額が減少していくことは潜在的に売却価格との差額が積みあがっている状態になります。

不動産投資の実績や経験によっては、金利を下げることもできます。住宅ローン並みの利率で借りることも不可能ではありません。経験を買うという意味でも、金利3%は高くないでしょう。

経営が成り立つがどうかで考えると3%は高くない

不動産投資ローンの金利が住宅ローンよりも高いのは、債務不履行リスクを考慮しているためです。3%という金利は、返済中は収支がプラスになるかどうかギリギリのところですが、ローンを活用して自己資金の投入を抑えることを考慮すると、高いとは言えないでしょう。

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