マンション経営・基本の「き」|知っておきたい不動産投資用語5つ
(画像=VGstockstudio/Shutterstock.com)
岡本 一道
岡本 一道
日本の国内メディアと海外メディアの両方でのジャーナリスト経験を経て、現在は国内外の政治・経済・社会・文化など幅広いジャンルにおけるトピックスで多数の解説記事やコラムを執筆。ニュースメディアのコンサルティングなども手掛ける。

マンション経営を始めるとき、見慣れない専門用語にとまどう人も少なくないでしょう。信頼できる不動産会社がサポートに入ってくれる場合でも、マンション経営のオーナーとして自覚をもつためには、最低限の不動産用語は知っておくべきではないでしょうか。初心者にもわかりやすく、不動産投資の専門用語を紹介します。

1.インカムゲインとキャピタルゲイン:家賃収入と売却益

不動産投資において2つの用語「インカムゲイン」と「キャピタルゲイン」は最も重要な用語のひとつといえるかもしれません。マンション経営などを考えている方ならばすでにご存知の方も多いでしょう。

「インカムゲイン」とは、「保有していることで継続的に受け取り可能な収入」を指します。例えば収益不動産としてマンションを購入した場合、第三者にその部屋を貸して「家賃収入」を得ることになります。このようなマンション経営での「家賃収入」を「インカムゲイン」と呼びます。 なお、株式投資では「配当金」が「インカムゲイン」にあたります。

一方、「キャピタルゲイン」は「売却によって得られる差益」を指します。例えば3年前に3,000万円で購入した区分マンションを今年5,000万円で売却できた場合、差額である2,000万円のキャピタルゲインを得たことになります。

2.イールドギャップ:投資利回りと長期金利の差額

「イールドギャップ(Yield gap)」の「イールド」とは英語で「(投資の)収益・利回り・配当」などを意味し、「イールドギャップ」は「利回りの相違」という意味になります。すなわち投資における「イールドギャップ」とは、借りたお金の「長期金利」と投資で得られる「利回り」の差のことを指します。

例えば、不動産投資をする場合に銀行などの金融機関から融資を受け、その金利が2%だとします。一方、投資で得られる利回りが6%だとすると、その場合の「イールドギャップ」は「6%−2%=4%」となります。

3.アセットマネジメント:資産管理・資産運用

日本語で「アセット」は「資産」、「マネジメント」は「管理・運用」を意味し、「アセットマネジメント」は一般的に「資産管理」「資産運用」などと翻訳されます。略して「AM」と表されることもあります。建物自体の管理をするだけではなく、物件そのものの資産価値をトータルに管理運用し、さらに資産価値を高めるのが「アセットマネジメント」であるといえます。「アセットマネジメント」を代行して行う不動産投資会社も多数存在しています。

4.エスクロー:第三者にお金を予約し、支払い・受領の安全性を確保する

「エスクロー」という言葉は「第三者預託」と訳されています。一般的には、商取引の際に取引の安全性を保証する仲介サービスをいいます。 不動産業界における「エスクロー」は日本人にはまだあまり馴染みがないかもしれません。一方でアメリカなどの海外で不動産投資を行う場合には一般的な手法となります。

不動産投資において支払い(受領)の安全性を確保することは重要です。「エクスロー」は第三者である金融機関にあらかじめ入金し、条件が整ったときに取引相手に出金(入金)されるという仕組みで、取引をする双方にとってリスクを取り除くことができます。

5.パース:不動産を立体的に表現したイメージのこと

一般的に「パース」とは「パースペクティブ(perspective)」の略であり「遠近法」を意味します。また「遠近法」を用いて描かれた図を「透視図(perspective drawing)」といいます。ここから「パース」と言う場合、デッサンや写真撮影の技術・技法を意味することが多いといえます。 一方、不動産業界の用語で「パース」という単語を使うときは、その不動産(物件)の外観や室内を立体的に(3Dで)表現した「イメージ画像」のことを指します。実際の物件のほか、未完成物件の完成予想図としても用いられます。

平面図や部分的な写真などだけでは物件の全体像を掴むことは難しいですが、「パース」があれば、まるでその場で直接見るかのように雰囲気を掴むことが可能です。近年は技術の進歩により、パソコンでパースを閲覧し内部を歩いているかのように(バーチャルに)確認できるものが増えています。今後は特に完工前の不動産については「パース」を使ったバーチャル内覧が増えていきそうです。

成功のために不動産用語を学ぼう

このほかにもさまざまな不動産業界の専門用語があります。冒頭で述べたように、収益不動産を所持するマンション経営オーナーとして成功を目指すならば、まずはこの記事で紹介した単語を含め、調べてみてはいかがでしょうか。

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