一度の失敗で大きなダメージ。不動産投資で失敗を招く原因とは
(画像=Lumen Photos/Shutterstock.com)
平 行男
平 行男
ライター/合同会社スクライブ代表。主にビジネス、マネー、IT領域で、経営者インタビューやプロダクト紹介、導入事例紹介、イベントレポートなどのコンテンツ制作を担う。年間数冊のブックライティングも行う。

世に出回る不動産投資に関する情報は、不動産投資のプラス面や成功事例を伝えるものがほとんど。しかし、投資である以上、失敗する可能性があることを忘れてはいけません。不動産投資の失敗の原因を把握し、失敗を避ける方法を考えてみましょう。

不動産投資における失敗とは?

そもそも、不動産投資における「失敗」とは、どういう状態を指すのでしょうか。投資の目的にはいろいろありますが、成功の指標のひとつはトータルで利益を得ることであり、その対極に「失敗」があります。つまり、不動産投資における失敗とは、「トータルで損を出すること」と言えます。

ただし不動産投資では、物件を運用している間はトータルの損益がなかなか見えてきません。物件を売却した時に、「売却価格-残債-それまでの不動産所得」という計算によってトータルの損益が確定するからです。

物件を売却後に計算してみたらトータルで損をしていた、ということもあり得ます。物件によっては、売りたいと思った時に買い手が見つからず売却できない可能性もあります。

一方で、売却しないで、長期保有して家賃を受け取り続けることで、トータルでプラスにすることもできます。また、物件からの表面的なキャッシュフローは多少のマイナスであっても、節税効果や保険効果も加味して考えればプラス効果がある、ということもあります。個人のファイナンス全体を考慮して、長期のスパンで見て損得を判断する必要があります。

甘い収支計画にご用心

では、不動産投資で失敗してしまう原因は何でしょうか。最大の原因は、投資を始める前に立てた収支計画の甘さでしょう。不動産会社から提供される物件情報に書かれた家賃収入や利回り、運用時の諸経費などの数値は、あくまでもその時点の想定であり、将来にわたって約束されたものではありません。

人口推移や周辺の家賃相場、経済状況など、さまざまな要因によってそれらの数値は変化します。楽観的・希望的観測のもとに収支計画を立ててしまうと、将来状況の変化があった時に泣きを見ることになります。

収支計画を立てる時は、リスクを加味し、手堅くシミュレーションを行う必要があります。トータルで利益が出ると判断できないなら、その物件への投資をあきらめるべきでしょう。

不動産投資は自己責任で

不動産投資は、物件探しや契約、資金調達、管理運営、修繕、売却などがあるため、他人の力を借りなければできない投資です。とはいえ、パートナーが常に正しい提案をしてくれるとは限りません。そのため、適切な提案をしてくれるパートナーを見つけ、最終的な判断をしっかりと自分で行う必要があります。

物件購入段階なら、収支計画の精度に問題はないか、物件は借り手がつきそうか、融資・返済条件に無理はないか、契約書に内容に問題はないかなど、投資の成否を左右する根幹の部分については、自分でチェックし、判断するようにしましょう。

慎重すぎると買い逃すことも

慎重になりすぎて物件を買えないことも、「機会損失=失敗」と言えるでしょう。不動産投資を成功に導くポイントの一つが、「早く始めること」です。早く始めることで、早期に収益を得られるようになり、それを次の投資に回せるようになるからです。

投資をスタートすればローンの返済は進みます。ローンの返済が終われば、そこから先は利益だけが積み上がっていきます。その意味でも、いち早く始めるべきです。投資を始めれば、経験と実績が蓄積され、経営判断力が磨かれます。

失敗を避けるポイントは会社選び

不動産投資で失敗する原因をいくつか挙げてきましたが、失敗を避けるための最大のポイントは、パートナーとして信頼できる不動産会社を選ぶことです。

顧客の資産とその運用の全体を俯瞰し、物件購入から賃貸管理、売却まできめ細やかな提案をしてくれる不動産会社を選べば、それだけで不動産投資は成功したようなものです。ぜひ、長期的な視点でサポートしてくれる誠実なパートナーを見つけてください。

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