不動産投資は、長期にわたって行う投資方法です。減税や還付の効果は、短期で実感することができますが、私的年金としての効果は25年、30年という長期保持の後でないとわかりません。この時期にいたるまで、良質な物件を保持することはもちろんですが、物件を購入するにあたり長期保有に向いた物件を選ぶことも重要です。本稿では、長期保有に向いた不動産について説明します。
年金としての不動産は30年後にわかる
不動産投資というと世の中には、売買を主とするイメージを持つ人がいます。しかし、それはバブル期の考えです。人生100年といわれ、かつ公的年金の不足から老後には2,000万円を貯めるようにとの言葉も耳にする現代において、老後への備えは不可欠かつ急務と言わざるを得ません。この年金の代わりとなるものには、たとえばiDeCo(イデコ)やNISAなどの投資商品が挙げられます。
しかし、株価というものは上がったり下がったりを繰り返していくものであり、日本の景気だけでなく世界経済などの影響にも多分に左右されがちです。そのため、必ずしも投資が成功するとは限りません。一方で、不動産は現物として手元に残る珍しい投資商品といえるでしょう。なぜなら、投資であると同時に事業としての側面を担っているからです。
つまり、良質な物件を30年、35年と長期的に保有し、その管理をきちんとしておけば、いざ老後となった際、半永久的に私的年金の代わりとなりえます。
長期保有に向いた不動産とは
では、長期保有に向いた良質な物件とはどのようなものでしょうか。以下にチェックポイントを設けてみました。
立地選びと価格に気配りを
良い物件は30年、35年と長期的にローンを返済し、老後に備えてコツコツと維持し続けるものです。しっかりと維持していくためには、なるべく居住者が絶えない良い立地を選ぶ必要があります。ただし、良い立地は地価もそれなりに高い傾向です。つまり、堅実な不動産投資を行う場合はある一定以上の値段のする物件を探す必要があるということです。
人口流入にも気を配る
総務省の資料によると、日本の人口は2004年12月の1億2,784万人をピークに、2030年1億1,522万人、2050年9,515万人と1億人を割り込む人口減が予想されています。不動産投資は長期的なものになるため、将来の人口推移についても念頭に置いておくことが必要です。たとえば、現在駅近で人通りもある住宅街があったとします。
しかし、それが10年後、20年後、ゴーストタウンとなったり、にぎやかだった商店街がシャッター街となったりする可能性も否めません。また、2019年現在および将来的には首都圏への人口の一極集中が継続していくと見込まれています。現状、にぎやかな地方であっても将来的には過疎化する可能性もあります。そのため、不動産投資を行う場合は首都圏を中心に「これから各地域でどのように人口が変化していくのか」についても徹底して調べておくように心がけましょう。
管理体制は30年後の明暗を分ける
物件は、放置しておけば当然老朽化します。物件に限らず、同じ品物でも丁寧にメンテナンスを行ったものと放置したものとでは、10年後、20年後にはまるで別物のように差が開くことでしょう。不動産投資の場合、物件の管理は基本的に管理会社に委任することでオーナーはあまり手を入かける必要はありません。ただし、管理会社の質が問われることになります。
この対策として有効なのは、優良な不動産会社を見つけることです。それができれば、質の良い管理をしてくれることにもつながります。長期的な投資になるからこそ、メンテナンスを任せられるパートナー選びも重視しておきましょう。
長期保持ならば新築物件がおすすめ
物件を購入する際のポイントの一つとして、「自分の身の丈で考えないこと」が挙げられます。中古の物件であれば、確かにそれなりに安価になる傾向です。しかし、初心者の場合は目利きが行き届かず、購入後に修繕費が大幅にかかるなどのリスクが生じるため、あまりおすすめはできません。一方で、優良な新築物件であれば、長期保持のためのさまざまなリスクを事前に想定して対策を施してあります。
中古と比較すると、価格は高くなりますが、その分長期的な保有に関しては懸念材料が少なくなるでしょう。これらを踏まえて考えると不動産投資の初心者であれば、まずは新築物件を選ぶことがおすすめです。
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