不動産投資で失敗事例を知ることは、今後の投資をする際に大きなリスクヘッジとなります。なぜなら、誰もが陥りやすい失敗を事前に知ることができ、なんらかの対策ができるからです。今回は、「バブル期に郊外物件を購入し問題が発生した」という人をはじめとする、バブル期物件のさまざまな失敗事例について説明します。
不動産投資のリスクを学ぶ
不動産投資は、投資である以上さまざまなリスクがあります。良い不動産会社は、リターンばかりでなくリスクについてもきちんと説明してくれる傾向です。しかし、自分自身の情報収集段階でも「どのようなリスクがあるのか」について事前に知っておくことも大切になります。不動産投資におけるリスクの一例を3つ挙げてみましょう。
1.空室リスク
空室リスクは不動産投資において最も注意したいリスクです。不動産投資は部屋を貸すことで家賃収入を得ます。つまり入居者が入らなければ、その分ローンの返済などの赤字が出てしまいます。不動産投資においては、1日も部屋が空かずに長く入居者が住み続けてくれることが理想でしょう。しかし、実際にはそれはなかなか難しいことです。空室リスクは、立地や管理会社などに左右される面があるため、そこにも配慮しておきたいところです。
2.入居者リスク
不動産投資は入居者が家賃を支払ってくれることが前提です。しかし入居者も人間です。先が読めない中でときに家賃の滞納や住人同士のトラブルなども起こらないわけではありません。このようなトラブルを起こさないためには、入居者の属性をきちんと判断し、家賃を回収してくれる管理会社を求めることが大切です。
3.金利変動リスク
日本の不動産市場は非常に低金利の状態が続いています。このため、不動産投資を行うのにうってつけの環境であることは間違いありません。しかし未来は誰にも予測できません。不動産投資を行うにあたり、変動金利型の不動産投資ローンを組んだ場合、将来、金利が上昇するおそれも出てきます。不動産投資は20年、30年と長期的な返済を行うため、金利が1%上昇するだけでも返済額は大きく変わります。逆に固定金利型の不動産投資ローンであれば金利は変わりませんが、そもそもの返済額が高いため、どちらが良いとも言い難い面があります。いずれにせよ、市場動向などを注視して将来のリスクの一つとして考慮しておくことは大切です。
考慮しておきたいところです。
バブル期物件が人生の足かせに
1980~1990年代にかけて建築された物件のことを「バブル期物件」と呼びます。バブル期物件は、居住を考慮していないことが特徴です。なぜなら、当時の物件は転売による利益(キャピタルゲイン)の確保が目的であり、一種の投機商品であったからです。この結果、バブル期物件は奇抜な見た目のいわゆる「デザイナーズ物件」なども数多く出回りました。
例えば、下記のような居住の利便性に欠けている物件もあったのです。
- 外観にこだわったばかりに自転車の駐輪場がない物件
- 意味のないゴテゴテした飾り付けのわりには施設が充実していない物件
- 部屋の広さのわりには水回りは3点ユニットバス方式の物件
郊外にバブル期物件を持った事例
小川さん(仮名)は、北関東のJRの駅近くにあるバブル期物件を購入しました。購入の理由は極めて単純で、小川さんの居住地の近くで安い価格で売り出していたためです。物件は、見た目が少々変わっており、バブル期によく見かけた明るいパステルカラーの外壁と突き出た煙突のような装飾を小川さんはいたく気に入りました。
利回りが高いため、当初は期待に胸を膨らませていた小川さん。しかし、そこは駅前こそ商業地区となっているものの、数百メートルも歩けばたちまち田んぼと畑だらけになってしまう郊外です。当初の家賃では、なかなか入居者がつかなかったため、小川さんは家賃を下げてギリギリで採算を賄おうとしました。
その結果、まれに入居者は現れましたが、築年数は古く居住を考慮したものではない物件であるため、住人がなかなか定着しませんでした。「入ったかと思うとすぐに退去してしまう」という事態が続いたのです。入居者が入るまでの空室期間は長引く一方という結果に陥りました。最終的に小川さんは、二束三文に近い投げ売りで物件を手放すことになってしまったのです。
売却目的のバブル期物件は大きなリスクになりかねない
バブル期物件の中には、築年数が古くても安い値段でそれなりの見た目を保持しているものがよく見受けられます。しかし、先に述べたように郊外での古い物件に関わるとリスクが大きく跳ね上がる可能性が生じるのです。本当に良い不動産は、価格もそれなりですが、その分、良い立地のうえに新築で設備も新しい傾向で、さまざまなリスクを排除したものも少なくありません。
また、物件にも時代によってさまざまな設備ニーズが変化していく傾向です。そのため、不動産投資を検討するのであれば、なるべく新しい物件を購入したり、中古ならリノベーションを前提に購入したりする方がおすすめといえます。
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