賃貸アパートや賃貸マンションなどの集合住宅に投資する場合、重要になるのが「客付け」の強さです。客付けとは不動産業界の用語で、「賃貸住宅の入居者を確保する」という意味です。アパートやマンション投資は、入居者が払う家賃で利益を上げる投資手法なので、入居者(=客)を確保する(=を付ける)ことが欠かせません。入居者がいなければ、高価な新築マンションもただの箱になってしまいます。客付けはとくに、管理会社や不動産会社の「客付け力」が重要です。本稿では、不動産投資の「客付け」について説明します。

賃貸アパート・マンションへの不動産投資は「客付け」がカギ
(画像=fizkes/Shutterstock.com)

いい加減な会社に物件を預けない

管理会社は文字通り、物件を管理してくれる会社です。忙しいビジネスマンや医師・弁護士をはじめとする個人事業主の人たちの場合、自分で物件を管理する時間がなかなか設けられないため、管理会社にそのまま預けることもあるでしょう。

このため、管理会社選びはとても大切です。いい加減な管理会社や熱心でない管理会社に、自分の物件を預けてしまうと、客付けはうまくいきません。建物や入居者の基本的な管理業務ができていない会社は論外です。マンションやアパートの清掃が行き届いていないと、せっかく見学者が訪れても、悪い印象を持たれてしまい、入居には至りません。また、入居者からのクレームを放置すれば、早期退去につながり、空室が増えてしまいます。入居者が集まらない理由を、いい加減な説明でごまかすような会社もNGです。管理会社は信用できて、業務をきちんとこなしてくれるところを選ぶように心がけましょう。

良質な管理会社の情報で空室リスクを抑える

マンション経営は管理会社に一任することが可能です。ですが、良い管理会社を選ぶために、オーナー自身もある程度情報を得ておいて損はありません。空き室リスクで考えてみると、投資物件の周囲の不動産動向について以下のようなアドバイスをしてくれる管理会社などは良質だといえます。

空き室リスクに関する、周囲の不動産のチェックポイントは次のとおりです。 A:自分のマンションと似た物件の入居状況と家賃価格 B:自分のマンションより高級な物件の入居状況と家賃価格 C:自分のマンションより質が低い物件の入居状況と家賃価格 D:入居見込み者の動向

Aは自分の直接のライバル物件です。では、競合のマンションと比較して自分のマンションの魅力や強みはなんでしょうか。相手がいることで初めて見えてくる自分のマンションの価値にも気づくことができます。

また、BやCは近隣物件の入居者属性を知る上で必要です。もし、高級物件が人気なら、リフォームやリノベーションを行い、家賃を高めに設定するべきかもしれません。Dについては、例えば、自分の物件の近くにある企業や大学などが別の地域に転出すれば、潜在的な入居者は減ることになります。地域の人口動態は大変に重要で、そうした変化を掴んでおくことは経営の上でもとても大切なことだと言えます。

客付けに強い管理会社を見つけよう

自分の賃貸住宅の客付けを管理会社などの不動産会社に依頼している場合、パフォーマンスが発揮できているかの確認は必要です。客付けに強い管理会社は、入居見込み者の需要をしっかり把握しています。

賃貸住宅には、いわゆる「流行」があります。かつては、オートロック付きマンションに住むことがステータスでしたが、その後、シェアハウスが大流行しました。客付けに強い管理会社は、こうしたニーズの変化をしっかり把握して、オーナーにさまざまなアドバイスをしてくれるはずです。

たとえば「思い切ってすべてシャワートイレに切り替えましょう」とか、「ペットの問い合わせが増えているので、ペット可にすれば見学客が増えます」などと言ったような、リアルで具体的な提案をしてくれる管理会社は大切にしましょう。

管理会社はオーナーにとって大切なビジネスパートナーです。オーナーは不動産会社とWIN=WINの関係を構築することが欠かせません。もし力になってくれる見込みが薄い時は、管理会社の変更も視野に入れるべきです。

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