不動産物件の収益性を高めるには、空室を減らすことが重要です。マンションはホテルではありません。絶え間なく人が出入りするのではなく、借主に気に入ってもらい、なるべく長い間住んでいただくことが大切です。本稿では、マンション経営において、入居者に住み続けてもらうにはどうすれば良いかについて考えてみます。
一度退去者が出ると大きな影響が
なぜ同じ入居者にずっと住んでもらうのが良いのでしょうか。それは、一旦退去されると、次の入居者が見つかるまでに時間がかかるからです。通常、前の入居者が退去してからでないと、その部屋の内覧はできません。そうなると、退去後スムーズに入居が決まったとしても、最低1ヵ月の空室期間が発生してしまいます。退去後のホームクリーニングや修繕が必要な場合は、5~10万円程度の費用が加算されることもあります。
このように、一旦退去が発生するだけで、運用に大きな影響を与えます。だからこそ、入居者に契約更新し続けてもらうことは大切なのです。
同じ入居者が契約を更新し続ければ、空室は発生しません。仲介手数料や広告費も必要ありません。契約更新時に更新料がもらえるでしょう。その人がずっと住み続けてくれれば、高いままの家賃を維持できるので、収益性が上がります。
住み続けてもらうポイント
それでは、最初の入居者にずっと住み続けてもらうにはどうしたらいいのでしょうか。ひとつは、物件の魅力だけでなく、「この管理会社は配慮が行き届いている」と入居者の皆さんに感じてもらうことが重要です。その点を含め、借主に住み続けてもらうためのポイントを以下に記します。
①こまめな配慮をしてくれる管理会社 不動産管理会社は、入居者と物件の維持管理をすることがその役割です。入居者の管理とは、家賃の集金や滞納への対処、入居者からのクレーム対応などを指します。また物件の維持管理は、共有部分や退去後の部屋の清掃、物件の修繕などです。
居住者が満足して住み続けてもらうには、良い管理会社を選ぶことが不可欠です。隅々まで行き届いた管理をしてくれるのはもちろん、柔軟性があってオーナーや入居者にしっかりと耳を傾けてくれるところを選びましょう。入居者の要望になるべく応えてくれる上に、たとえばイレギュラーで電球が切れた際など、小さな事柄でも連絡を受け付けてくれてすぐに対処をしてくれる。このような管理会社であれば、入居者の方々も満足してくれるものです。
②修繕計画をしっかり立てている管理会社 マンションの価値を損なわず、きれいな物件を維持し続けるには計画的な修繕をすることが求められます。マンションの修繕は長期的かつち密な計画を必要とします。また修繕のための資金として、修繕積立金などについても配慮する必要があります。これら修繕について、居住者に対しても説得力のあるしっかりとした計画を立てている管理会社を選ぶことも、入居者の満足度に大きく関わるものだと言えます。
③立地の良さ 入居者に住み続けてもらうために、立地は非常に重要です。現実的なケースとして、マンションの全室が入居者で埋まっており、しかもみんな一生涯そこに住み続けてくれるという可能性は非常に低いものです。どれほど優良な物件であっても、借り手の都合によって退去をするケースは必ず生じてくるものです。
大切なことは、退去後すぐに次の入居者がついてくれることです。そのためには立地について目を向けることが肝心です。極端な例でいえば、バスが一日数本しかない地域の過疎地では一度人が出て行ってしまうと、次にいつ入居してくるのかわかりません。逆に大都会で駅まで歩いて数分ながらも、閑静な住宅街であれば、入居者希望者はたくさん出てくることでしょう。立地は物件にとっての要の一つなのです。
良い業者を選ぶことで長く住み続ける居住者を
マンション経営は基本的にオーナーが何かをする必要はありません。不動産会社に話をして、良い物件を紹介してもらい、必要な手続きを行えば物件は手に入ります。その後は不動産管理会社に委託することで安定した物件を維持し続けることができるようになるのです。
このために大切なことは、良い不動産会社を選び、良い管理会社を選ぶことです。彼らは専門家ですから、彼らがしっかりとしていれば良い物件にめぐりあい、自ずと長く住んでくれる居住者たちに恵まれることでしょう。親切で幅広い情報に長けており、専門的な事柄をそのまま委託できる業者を選ぶことをおすすめします。
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