貯蓄から資産形成の流れが進む中、資産運用の1つとして不動産投資への関心が高まっています。最近は不動産投資をするにあたり、フルローンでマンションを購入する方も当たり前になりつつあります。今回は不動産投資における主なリスクとその対策法について考えてみます。
不動産投資のリスクとは?
不動産投資におけるリスクはさまざまですが、代表的なものとしては、「空室」「災害」「家賃滞納」の3つが挙げられます。これらのリスクは思わぬ出費につながりますが、リスク評価と対策によって回避することが可能です。物件の購入に際しては、事前のリスクチェックをどれだけ綿密に行えるかが、万一の出費をすることなく、安定した不動産投資をするための1つのポイントとなるでしょう。
リスク回避は何をすればいい?
せっかく購入した物件なのに、準備不足のせいで何か問題が生じてしまうことは避けたいものです。
不動産投資における3つのリスクの中で、最大のポイントになるのが「空室」リスクです。空室リスクは物件の立地に大きく左右されます。物件内容はもちろん、駅までのアクセス、周辺環境、賃料相場などについても事前によく調査し、想定顧客に合わせた適切な賃料を設定することでリスクを低減できます。また、単身者向けやファミリー向けなど地域ごとに入居者層は異なるので、場所の選定においては、物件の特性が想定ニーズと合致するかを多角的に評価する必要があります。立地を考えた時、駅から近い物件や周辺の商業施設の充実度などはアパートよりもマンションのほうに優位性があると言えるでしょう。
「災害」「家賃滞納」に加えて「事件・事故」については、賃料保証会社や火災保険、施設賠償責任保険でリスクファイナンスが可能です。そうすることで、いざ問題が起きた際にも資金の毀損は防止できるでしょう。また災害リスクに対しては、新耐震基準が適用されている物件や地盤の強い地域にある物件を選ぶことでリスクを低減できます。家賃滞納についても、入居者審査を厳しくすることでリスクに対応できます。
物件購入は大きな買い物になるので、事前のストレステスト(不測の事態に備えて、万一の事態が生じた際の回避策をシミュレートしておくこと)をやってみることも大切です。
見落としがちなもう1つのリスクにも配慮を
不動産投資で見落としがちなのは、自分の健康問題です。人間は周囲のことはよく見えるものですが、えてして自分自身のことは見落としがちなものです。ローンの返済者である自分自身が万一病気になってしまったり、事故に遭ってしまったりすれば、たとえ少額であってもローンの返済が苦しくなってしまうかもしれません。計画的に不動産投資を行うためには、日ごろから自身の健康状態をしっかり考えておくことが大切です。
こうした「健康リスク」に対しては、団体信用生命保険(団信)に加入しておくことで、万が一、死亡したり、高度障害状態になってしまってもローンを完済できます。団信によるローン返済後は、購入した物件から生まれる家賃収入でご家族は安心して生活することができます。
事前のリスク対策は入念に
不動産投資は株式やFXなどとはリスクの種類がまったく異なります。不動産投資は、投資家の手元に「マンション」という実物資産が残ります。そのため、金融機関は担保が取りやすく、融資しやすいのが特徴です。また、投資家の目線で考えると、レバレッジを利 かせやすく、事前のリスク対策をしっかり行えば、自己資本に対するリスクが小さいフルローンで投資することも可能です。こうした自己資金と借入金のバランスも、不動産投資を成功させる鍵の一つと言えるでしょう。
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