マンション経営は、基礎知識を身に付けたうえで始めることが大切です。とくに初心者の場合は、起こり得るリスクを理解し、事前に備えられるようにしておきましょう。
本記事では、マンション経営の基礎知識をはじめ、必要な費用やメリット、7大リスクと回避法について解説します。また、マンション選びのポイントや、良い不動産会社の見つけ方なども紹介します。
目次
1.マンション経営の基礎知識
まずは、マンション経営の概要と種類について確認しておきましょう。
1-1.マンション経営とは?
マンション経営とは、購入したマンションを第三者に貸し出して賃料収入を得る現物不動産投資の手法の1つです。ローンを組んで物件を購入した場合は毎月の家賃収入から返済を行いますが、完済後は家賃収入のすべてが手元に残ります。
マンション経営の最終的な収支は、ローン完済後に物件を売却して現金化し、そこまでに得た家賃収入と合算することで確定しますが、ローン完済後もマンション経営を続け、家賃収入を得ながらゆとりある老後を目指すという選択肢もあります。
1-2.マンション経営の種類
マンション経営の種類には、マンション一棟を建築または購入して貸し出す「一棟マンション投資」と、マンションの1室のみを購入して貸し出す「区分マンション投資」があります。初心者の場合は、区分マンション投資から始めたほうが無難です。
また、新築マンションを購入する人とコストを抑えるために中古マンションを購入する人に分かれますが、初心者には入居者が付きやすい新築マンションがおすすめです。間取りは単身者をターゲットにするならワンルーム、夫婦二人世帯なら2DK、ファミリー層なら3LDKなど、自分が狙う入居者層に合わせて選択するとよいでしょう。
2.マンション経営に必要な費用
マンション経営では、「始めるとき」「運用中」「売却時」の3段階で、それぞれかかる費用があります。どのような費用が発生するのか、段階別に確認していきましょう。
2-1.始めるときに必要な費用
マンション経営を始めるときに必要な費用は以下のとおりです。
・仲介手数料
不動産仲介会社に「売買価格×3%+6万円+消費税」(速算式)で算出した手数料を支払います。
・印紙税
売買契約書に記載されている売買金額に応じて下表の金額の印紙を貼付して納税します。
▽印紙税税額表(不動産)
記載された契約金額 | 税額 |
---|---|
1万円未満 | 非課税 |
10万円以下 | 200円 |
10万円を超え50万円以下のもの | 400円 |
50万円を超え100万円以下のもの | 1,000円 |
100万円を超え500万円以下のもの | 2,000円 |
500万円を超え1,000万円以下のもの | 1万円 |
1,000万円を超え5,000万円以下のもの | 2万円 |
5千万円を超え1億円以下のもの | 6万円 |
1億円を超え5億円以下のもの | 10万円 |
5億円を超え10億円以下のもの | 20万円 |
10億円を超え50億円以下のもの | 40万円 |
50億円を超えるもの | 60万円 |
契約金額の記載のないもの | 200円 |
・固定資産税(日割り)
物件引き渡し日以降の固定資産税を買主が日割りで負担します。
・登録免許税
登記にかかる税金で、登記は各都道府県にある法務局で行います。税率は、土地所有権の移転登記が「不動産価額×2%」、建物の所有権保存登記が「不動産価額×0.4%」です。
・不動産取得税
不動産を購入・贈与・建築などで取得したときに課税される税金で、計算式は「固定資産税評価額×4%」です。
2-2.運用中に必要な費用
運用期間中に必要な費用は以下のとおりです。
・固定資産税
毎年1月1日に物件を所有している人に課される税金で、「課税標準額×1.4%」が課税されます。
・委託管理料
不動産管理会社に管理を委託する場合、家賃5%相当の手数料がかかります。
・ローン返済金
家賃収入の中からローンを返済します。なお、返済金の中で経費になるのは利息部分だけです。
・修繕費
居室部分で修繕箇所が発生した場合、入居者の過失によるもの以外はオーナーが修繕費を支払います。
・保険料
火災保険、地震保険、傷害保険、盗難保険などに加入した場合、一般的には年払いで保険料を支払います。
2-3.売却時に必要な費用
マンションを売却するときに必要な費用は以下のとおりです。
・仲介手数料
購入時と同じ。
・ローン返済事務手数料
売却時にローンを一括返済する場合に発生する事務手数料です。三井住友銀行を例にすると、WEB申込専用住宅ローンは融資金額×2.2%、直担住宅ローンは11万円の手数料となっています。
・抵当権抹消登記費用
抵当権抹消登記にかかる費用は、登録免許税が不動産1個につき1,000円、司法書士手数料が1万5,000円程度です。
・印紙税
購入時と同じ。
・不動産譲渡所得税
「売却価格-取得費用-譲渡費用」の計算式で算出します。取得費用は買ったときの購入金額と諸費用、譲渡費用は売ったときの売却金額と諸費用です。
・リフォーム、クリーニング費用
リフォームやハウスクリーニングをして売り出す場合に発生します。費用はリフォームの箇所やクリーニングする面積によって異なるので、見積もりを依頼します。
3.マンション経営のメリット
マンション経営には多くのメリットがありますが、とくに以下の5つのメリットはマンション経営を検討する大きな動機付けになるでしょう。
3-1.本業に影響を与えず安定収入を得られる
マンション経営は不動産管理会社に管理を委託できるため、副業で行う場合も本業に影響を与えず安定収入を得られます。最近は副業を認める会社が増えており、マンション経営を始めるには良い環境になりましたが、自主管理にすると仕事に影響が出てしまう可能性があるため避けたほうがよいでしょう。
3-2.ローンの借入期間を長く設定できる
ローンを組む場合、マンションはRC(鉄筋コンクリート)造のため、木造アパートより借入期間を長く設定できます。新築木造アパートの法定耐用年数は22年ですが、新築マンションは47年と2倍以上の期間です。ローンの借入期間を長く設定できれば、その分月々の返済負担を減らせます。
3-3.資産価値が安定しやすい
マンションなどの不動産は、株式に比べて資産価値が安定しやすいメリットがあります。株式は日々価格変動が発生し、ときには一晩で大暴落することもあります。一方でマンションは、築年数によって緩やかに資産価値が減少していくので価格が急落する心配がなく、何年後にいくらくらいの資産価値になっているかの目算も立てやすいです。
3-4.節税効果が期待できる
会社員が副業でマンション経営を行う場合、不動産所得で赤字が出ても給与所得から差し引くことができるので、所得税の節税につながります。とくに物件を購入した初年度は初期費用が多くかかり赤字になりやすい傾向があるので、効果を得やすいでしょう。
また、現金や預貯金で相続した場合は相続税評価額が100%になりますが、不動産で相続すると時価の60〜70%程度の相続税評価額になるので、相続税を節税することもできます。
3-5.購入時より資産価値が上がる可能性も
リセールバリュー(再販売価値)が高い物件を購入すると、購入時より資産価値が上がる可能性があります。東京カンテイが発表している「首都圏駅別築10年中古マンションのリセールバリューランキング2022」によると、ランキング1位の東京メトロ南北線「六本木一丁目」(リセールバリュー256.1%)から30位の東京メトロ東西線「神楽坂」(同163.4%)まで、すべて平均坪単価が新築分譲時より中古流通時のほうが1.6倍以上高くなっています。
4.マンション経営の7大リスクと回避法
マンション経営には代表的な7つのリスクがあります。いずれも回避する方法があるので、可能な限り実践してリスクの少ない経営を目指すことが大切です。
4-1.空室リスク
空室リスクは不動産経営で最も大きなリスクといわれています。とくに区分マンションで1室しか保有していない場合は、空室が出た途端に家賃収入がゼロになってしまいます。
・回避法
好立地物件であれば、万一空室が出たとしても短期間で次の入居者を見つけられる可能性が高いでしょう。融資を利用して可能な限り立地条件の良い物件を購入することが得策です。どうしても空室を出したくない場合は、家賃保証会社を利用して空室保証を受ける方法もあります。
4-2.家賃滞納リスク
空室リスクに次いで心配なのが家賃滞納リスクです。家賃が入らないのであれば空室と同じことになるので、区分マンション1室の所有では収入が途絶えます。
・回避法
入居審査の際に入居希望者の勤務先、勤続年数などをよくチェックすることである程度のリスクは回避できます。空室リスクと同様に家賃保証会社を利用することで、滞納リスクをなくすのも選択肢の1つです。
4-3.災害リスク
近年は自然災害が頻発しており、災害リスクが増々高まっています。とくに台風による豪雨ではマンション低層階で床下浸水などの被害が想定されます。
・回避法
購入前にハザードマップを確認して、災害リスクが高いエリアであると判断した場合は、購入を見送ったほうがよいでしょう。物件が立地するエリアのハザードマップは下記のサイトで確認できます。
4-4.金利上昇リスク
ローンを組んでいる場合に心配なのが金利上昇リスクです。2023年7月28日の日銀金融政策決定会合で長短金利操作(イールドカーブコントロール)の修正が決まり、日銀は今後市場動向を見ながら長期金利の上限0.5%を超えることを容認する姿勢に転じました。ローン金利にどの程度の影響が出るのか、今後の金利動向を注視する必要があります。
・回避法
金利上昇の影響を少しでも軽減するにはいくつかの方法があります。これから物件を購入する人は、少しでも金利が低い金融機関から融資を受けることです。また、支払金利が多少高くなりますが、固定金利で契約するのも金利上昇局面では有効な方法といえます。一方、既に物件を所有している人は、余裕があるときに繰り上げ返済をして元本を減らすことが得策です。
4-5.管理会社の倒産リスク
管理会社も倒産するリスクがゼロではありません。倒産した場合に一番心配なのが家賃を回収できるかどうかです。管理会社の財務状態が悪ければ、入居者から預かった家賃をオーナーに支払えない可能性もあります。
・回避法
上場不動産会社やそのグループ会社、非上場なら有名不動産チェーン店などは倒産する可能性が低いでしょう。また、仲介と管理を両方行う総合不動産会社に依頼するとワンストップでサービスが受けられるので便利です。逆に本業が別にあり、不動産事業を子会社として行っているような管理会社は、本社が経営破綻した場合に連鎖倒産する可能性があるので要注意です。
4-6.入居者同士のトラブルリスク
一棟経営の場合、入居者同士のトラブルはオーナーにとって悩みの1つです。区分所有であってもクレームがあった場合は対処しなければならないケースもあります。とくに入居者同士のトラブルの場合は、双方から事情を聞かねばならず、オーナーにとって精神的負担も大きくなります。
・回避法
会社員が副業でマンション経営をしている場合は対応しきれないので、管理会社と管理委託契約を結んだほうがよいでしょう。そうすることで管理会社がクレームの対応にあたってくれるので、本業に支障が出ることはありません。
4-7.売却できないリスク
マンション経営において、出口戦略としての売却は検討しなければならない重要事項です。しかし、中古の築古物件を購入した場合は買い手が付かない可能性があります。売るためには一定の値引きをしなければならないため、最終的に赤字になる恐れもあるでしょう。
・回避法
新築マンションを購入することで買い手が見つかる可能性が高くなります。新築マンションなら35年ローンを組んで購入したとしても、完済時点ではまだ築35年なので、売却できる可能性が十分にあります。
5.不動産投資初心者こそ新築マンション経営
初めてのマンション経営においては収益規模の大きさよりも、空室リスクが少なく安定した家賃収入を目指すほうが得策です。それには次の3つのポイントで検討することが望ましいといえます。
5-1.アパートよりもマンション経営
アパートは通常一棟買いとなりますので、ある程度多くの資金が必要です。
土地を持っている人がアパートを新築するならメリットもありますが、不動産投資家が中古アパートを一棟買いしても空室リスクや修繕リスクが高いだけであまりメリットはないでしょう。
その点マンションは区分所有で一室から購入可能なので、リスクはアパートより低くなります。
5-2.中古マンションよりも新築マンション
マンションを購入する場合は中古よりも新築が有利です。新築マンションは「新築プレミアム」という言葉があるとおり、新しい住居に住みたいという需要が常にあるため、高い確率で入居者を確保できます。
価格は中古よりも高くなりますが、その分銀行融資で条件が有利になります。新築物件は中古よりも融資金利が低く、融資期間も長く設定されるメリットがあるからです。
5-3.ファミリー向けよりもワンルームマンション
マンション経営では入居者の需要が多い物件を選ぶことが大切です。
西暦 | 単独世帯 | 夫婦と子から成る世帯 |
---|---|---|
2015 | 1,841万7,922世帯 | 1,434万1,651世帯 |
2020 | 1,934万2,438世帯 | 1,413万3,510世帯 |
2025 | 1,995万9,786世帯 | 1,369万3,160世帯 |
2030 | 2,025万3,714世帯 | 1,311万8,427世帯 |
2035 | 2,023万3,497世帯 | 1,246万4,575世帯 |
国立社会保障・人口問題研究所の予測によると、わが国では2030年に単身世帯が初めて2,000万世帯の大台を突破する見込みです。
これは「夫婦と子から成る」ファミリー世帯の1,312万世帯を大きく上回っています。今後将来にわたってファミリー向けマンションよりもワンルームマンションのほうが多くの需要を見込めると考えてよいでしょう。
6.投資用新築マンション選びの5つのポイント
初心者がマンション経営を行う場合、知っている情報量や経験が少ないことから、どのような物件を購入すればいいか、迷うことも少なくありません。そこで、物件選びのポイントを紹介します。
6-1.ポイント1. 立地が何よりも重要
マンション経営においては立地が何よりも重要です。好立地とは、入居者が確実に見込める、需要が旺盛なエリアのことをいいます。ポイントは人気が高く、人口があまり減らない見込みのエリアです。そして、そのエリアのなかでも建物の構造や設備が良い物件を選ぶことが大切です。
6-1-1.人気のエリアを選ぶ
東京23区を例にすると、好立地の基本は「東京23区駅歩10分以内」ですが、そのなかでも人気エリアといわれているのが「都心5区」と呼ばれる港区・千代田区・中央区・新宿区・渋谷区です。
また、港区・千代田区・中央区を「都心3区」、前出5区に文京区を加えて「都心6区」といういい方をする場合もあります。
もちろん、他の東京23区や地方の大都市である大阪、名古屋、横浜などでも駅歩10分以内の物件であれば安定した集客が見込めるでしょう。
6-1-2.人口減少が少ないエリアを選ぶ
日本は人口減少が始まっています。人口減少はマンション経営にも大きなマイナスポイントです。したがって、安定したマンション経営を行うには人口減少が少ないエリアの物件を選ぶことが有効です。
総務省統計局の「2021年人口推計」によると、2021年10月1日時点の前年比で人口が増加したのは沖縄県のみとなっています。日本全体の人口が減少しているためですが、増減率上位10位以内を見ると首都圏4都県、福岡県、愛知県、大阪府の大都市圏がすべて入っており、大きな都市ほど人口増減率で有利な傾向がはっきり見て取れます。
6-1-3.立地に合わせた建物の構造や設備の物件を選ぶ
エリアを決めたら、次に建物の構造や設備に着目する必要があります。エリアによって居住者の特性が異なるからです。
例えば、東京の御茶ノ水・水道橋エリアであれば大学が集中しているため、学生向けのワンルームマンションの需要が見込めます。また、東京でも郊外の立地であれば駐車場を確保できる物件が求められるでしょう。このようにエリアによって入居者を確保するための間取りや設備が異なってくるのです。
6-2.ポイント2. 選ぶなら不動産価値の落ちにくいブランドマンション
マンションを不動産価値で判断するならブランドマンションの購入も検討する価値があります。ブランドマンションとはどのようなマンションを指し、どのような特徴があるのでしょうか。ポイントを確認しておきましょう。
6-2-1.ブランドマンションとはどのようなマンションか
ブランドマンションとは、知名度の高い大手不動産会社が土地の所有から建築まで手掛けて販売する分譲マンションのことを指します。
駅から近い好立地に、ハイクオリティな建築デザインや設備を施して建築しているため、販売するとすぐに買い手がつくほど高い人気を誇っています。
ブランドマンションは大手不動産会社が威信を賭けて建築・販売しているため、どの物件も一定のクオリティが維持されており、投資家も安心して購入することができます。
6-2-2.ブランドマンションは不動産価値が落ちにくい
ブランドマンションは不動産価値が落ちにくいのが特徴です。駅から徒歩圏に立地しているうえに、最新トレンドのデザインや設備を導入しているため、安定して入居者が見込めます。
建物内も管理人が随時巡回し、外観やエントランスの美観が保たれています。さらにセキュリティにも万全を期しているため、防犯面の不安もありません。
全体的に管理体制がしっかりしていることから、築年数が経過しても資産価値が落ちにくいという特性があるのです。
6-2-3.ブランドマンションは高く売れる
ブランドマンションは売却するときに高く売れるメリットがあります。上述したように資産価値が落ちにくいため、中古で売却する際も高い価格で売れることが期待できます。
ブランドマンションの売却は系列の不動産会社に仲介を依頼すれば、ブランド価値を下げないために、できる限り高い価格で売れるよう努力してくれるという特性があります。
6-3.ポイント3.「利回り」はあくまでも一つの目安
物件情報に記載されている「利回り」の数字は、あくまでも目安でしかないことを知っておきましょう。物件情報の利回りは「表面利回り」という数字であり、この表面利回りは、対象物件を1年間満室で運営できたときの家賃収入を、購入金額で割ったものとなっています。
表面利回り = 1年間満室で運営した場合の家賃収入 ÷ 購入金額
実際に不動産投資をした場合、満室にならないこともあるでしょう。例えば引っ越しシーズンで部屋が空いたり、駅から遠く離れた場所にあるためにアクセスが悪かったりなど、いろいろな事情が考えられます。
価格が安い物件ほど数字が高くなりがち
しかし、このような物件であっても、表面利回りは満室を前提に算出するので、築古で価格が安い物件や地価の安いエリアの物件ほど数字が高くなりがちなのです。
物件維持のためにかかるコストを考慮していない
さらに、表面利回りは物件維持のためにかかるコストを考慮していません。例えば、昭和時代の古びた部屋だったり、安価な吹き付け塗装の外壁だったりすると、やはりコストがかかる傾向があります。
あくまで目安の一つとして見なしつつ、実際の入居率はどの程度なのか、毎年の修繕にどの程度の費用をかけているのか、過去にどのような修繕履歴があるのかを必ず確認しましょう。そうすることで初めて、実際にどのような経営をすれば良いのかイメージも湧いてくるはずです。
6-4.ポイント4.「安けりゃいいや」は大問題
「初心者だし、お財布と相談して手頃な安い物件からはじめてみよう」と考えるのはある意味自然です。しかし同時に、これは初心者が陥りがちな落とし穴です。
安い物件というのは安いなりの理由があります。状態の良し悪しをよく確認せず、物件価格だけを見据えてしまうと後でとんだしっぺ返しを食らいかねません。
例えば、7万円が家賃としてもらえる金額の上限であるにも関わらず、管理費に月々2万円を支払っていたら、実際の収益性は大変低くなってしまいます。
値段よりも入居者の立場に立って考えてみる
物件の値段よりも、まずは入居者の立場に立って考えてみることが肝心です。築古物件は、今の時代の入居者からすると魅力が高い物件とはいえません。
バブル期後の物件ですと、部屋が非常に狭かったり、今のようにバス・トイレ・洗面所が独立していない3点ユニット式だったりします。このような物件は入居者の獲得に大変苦労します。
マンションの運営状況を確認する
物件を購入する際には、価格以前に、まずはどのような管理を行っているのか、大規模修繕計画はどのように立てられているかなど、運営状況を必ず確認してください。
6-5.ポイント6.不動産投資は街づくりの一環でもあることを心得よう
不動産投資は長期的に行うものです。株やFXのように、頻繁に売買して利益を出すものではなく、20~30年と長期にわたって物件を所有することによって利益を得ます。
今から10年前、20年前のお住まいの地域を思い出してみてください。今と比較すると、だいぶ景観が変わったはずです。
購入物件も20年、30年と時を経れば当然景観や人口、住まう人々も変化していくでしょう。そして購入した物件それ自体も環境の変化に一役買います。不動産投資とは投資であると同時に街づくりでもあるのです。
人口動向を考慮する
投資にあたってまず考えるべきは人口動向です。入居者がいなければ家賃収入は得られません。現在、日本の各地方では過疎化が進んでいます。一方、都心は人口が流入しており賃貸需要も上昇しています。
賃貸需要が上昇した成功例に武蔵小杉が挙げられますが、同じように鉄道路線などの交通アクセスが改善され、大幅に人口が増えるケースもあります。
都市計画を押さえておく
街づくりという観点で不動産投資を眺めてみると、押さえておきたいのが都市計画です。
鉄道会社の開発計画、周辺の商業施設の開発計画などもしっかりとチェックしてみましょう。10年後、20年後の環境イメージが見えてくるはずです。
単身者が多いか子育て世代が多いかを調べる
ターゲティングも重要です。単身者世帯が多いエリアには、単身者向け物件のワンルームマンションの需要があり、住宅地ではファミリー向け物件の需要が見込めます。
国土交通省が発表するデータを見れば、そのエリアには、単身者世帯が多いのか、それとも子育て世代が多いかなどのデータが調べられます。
7.実績のある不動会社を選ぶことも大切
マンション経営を軌道に乗せるためには不動産会社との付き合いも大切です。空室が出た場合、早めに次の入居者を見つけるうえで不動産会社のサポートが不可欠だからです。そのためには実績のある不動産会社を選ぶことが必須となります。
実績のある不動産会社を見分けるには次の3つのポイントをチェックする必要があります。
7-1.自社ブランドを持っている
マンションの自社ブランドを持っている会社は信頼性が高いと考えられます。同じブランドで発売を続けているということは、既存の物件が購入者から評価されている証でもあり、品質も高い物件であると想像することができます。
入居者目線で見た場合でも、聞き覚えのあるブランド名が冠されていることによる安心感があり、入居につながりやすいというメリットがあります。
7—2.入居者募集に強い
マンション経営で一番心配なのは空室リスクです。入居者募集に強い不動産会社に依頼すれば、一般的な不動産会社よりも早く入居者を見つけてくれる可能性があります。
とくに数百店舗規模を擁する不動産チェーンであれば、自店舗で入居者が見つからなくても、近隣の店舗から紹介してもらえることも考えられます。
7-3.管理業務も行う
不動産仲介だけでなく、管理業務も行う不動産会社であればより利便性が高くなります。入居者の動向を把握していますので、退去の連絡があればそのまま入居者募集に移行できます。
入居者が退去する際の原状回復や敷金の清算、そして次の入居者との仲介など、自分の物件に関する手続きをオールインワンで依頼できるのはとても安心感があります。
8.初心者は基礎知識を身に付けたうえ新築ワンルームマンション経営から
マンション経営初心者は、基礎知識を身に付けたうえで安定した家賃収入が見込める都心駅近の新築ワンルームマンションから始めるのがおすすめです。また、資産価値を維持するために、ブランドマンションを選ぶことも有効です。
さらに、実績のある不動産会社を選ぶことで、安心してマンション経営を続けることができます。マンション経営の成否は不動産会社選びで決まるといっても過言ではないため、紹介したチェックポイントを意識して、信頼できる不動産会社をパートナーにするようにしましょう。
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