不動産投資で「戸建て」は正解か?高利回りの裏にある「修繕リスク」と会社員のための賢い運用術
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近年、コロナ禍を経て「広い家に住みたい」という需要が高まったことや、空き家問題への注目から、「中古戸建て投資」が静かなブームとなっています。数百万円で手に入る手軽さや、マンション投資を上回る表面利回りの高さに魅力を感じ、参入を検討している人も多いのではないでしょうか。

しかし、一見魅力的に映る数字の裏側には、戸建て特有の泥臭い現実が潜んでいます。「利回り15%超え」といった甘い言葉に誘われて購入したものの、購入直後に雨漏りが発覚し、想定外の修繕費で収支が赤字になるケースは後を絶ちません。また、入居者からのクレーム対応や庭木の管理など、予想以上の手間に忙殺され、本業に支障をきたしてしまっては本末転倒です。

この記事では、戸建て投資のメリットだけでなく、運用後に待ち受けるリアルなリスクや出口戦略までを包み隠さず解説します。忙しい会社員が「働き損」にならず、着実に資産を築くための判断基準として役立てください。

目次

  1. 戸建て投資は「ハイリターン」だが「労働集約型」になりがち
  2. 不動産投資における「戸建て」ならではの4つのメリット
    1. メリット1 ファミリー層がターゲットで入居期間が長い
    2. メリット2 管理費・修繕積立金がなく、利回りを出しやすい
    3. メリット3 「土地」という資産が残るため出口戦略が柔軟
    4. メリット4. 持ち家や相続物件を「賃貸」に出す選択肢も
  3. 会社員が注意すべき戸建て投資の「見えないリスク」とデメリット
    1. 突発的な「修繕費」が数百万単位になるリスク
    2. 融資のハードルが高く、レバレッジが効きにくい
    3. 管理の手間|「自主管理」は会社員には不可能
  4. 失敗しない「投資用戸建て」の選び方とスペック基準
    1. ターゲットは「築古」すぎない物件|新耐震基準は必須
    2. 立地選定|「駅近」よりも「駐車場と住環境」
    3. リフォーム費用の見積もりを「購入前」に行う
  5. 忙しい会社員が戸建て投資を成功させるための「管理戦略」
    1. 管理会社への委託は「経費」ではなく「投資」
    2. リスク分散の視点|戸建て一点張りの危険性
  6. まとめ:手間をかけずに資産を作るなら「パートナー選び」が9割

戸建て投資は「ハイリターン」だが「労働集約型」になりがち

不動産投資で「戸建て」は正解か?高利回りの裏にある「修繕リスク」と会社員のための賢い運用術
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検索エンジンやSNSで「戸建て投資」と検索すると、DIYでボロボロの家を再生させる成功譚が数多く出てきます。しかし、これらは時間と手間を惜しまない専業大家だからこそ、なせるわざであり、限られた時間で資産形成を目指す会社員がそのまま真似するのは危険です。

まず、戸建て投資の現実的な特徴を整理しましょう。

利回りは高いが、管理・修繕の手間が圧倒的に多い
「不労所得」を目指すなら、完全委託できる仕組み作りが必須
土地値が残るため、出口(売却)は取りやすい

最も理解すべきは、戸建て投資は「事業的」な側面が強く、労働集約型になりがちだという点です。マンションであれば管理組合が行ってくれる共用部の清掃や大規模修繕の計画も、戸建てではすべてオーナー個人の責任となります。「安く買って、自分で直して貸す」という手法は、週末のすべてをリフォームに捧げる覚悟がなければ成立しません。

本業を持つ会社員が目指すべきは、自分の時間を切り売りする労働集約型の投資ではなく、仕組みに働いてもらう「資本集約型」の投資です。高利回りという数字だけに目を奪われず、ご自身のライフスタイルにおいて、その手間が許容できる範囲なのかを冷静に見極める必要があります。

不動産投資における「戸建て」ならではの4つのメリット

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リスクを強調しましたが、もちろん戸建て投資にはマンションにはない独自の魅力があります。特性を理解し、適切に運用できれば強力な資産形成の手段となり得ます。

メリット1 ファミリー層がターゲットで入居期間が長い

戸建て賃貸の最大のメリットは、入居者の属性と定着率の高さです。主なターゲットは子育て世帯となるため、一度入居が決まれば、子供の学区が変わることを避けるために小学校卒業や中学校卒業まで住み続けるケースが珍しくありません。

ワンルームマンションが入居者の入れ替わりサイクルが早いのに対し、戸建ては数年から10年以上入居し続けることもあります。入居期間が長ければ、それだけ退去時の原状回復費用や、次の入居者を募集するための広告費(AD)などのコスト発生頻度を抑えられます。結果として、空室期間のロスが少なくなり、長期的に安定した経営が見込めるのです。

メリット2 管理費・修繕積立金がなく、利回りを出しやすい

区分マンション投資では、毎月の家賃収入から管理組合へ支払う「管理費」と「修繕積立金」が差し引かれます。一方、戸建てにはこれらの固定ランニングコストがありません。毎月の支払いが少ない分、手元に残るキャッシュフローが多くなり、表面利回りだけでなく実質利回りも高く出やすい傾向にあります。

ただし、これは「支払わなくて良い」わけではなく、「自分で将来のために積み立てておく必要がある」ことの裏返しです。見かけのキャッシュフローが良いからといってすべて使い込んでしまうと、将来の修繕時に資金ショートを起こすため、自律的な資金管理が求められます。

メリット3 「土地」という資産が残るため出口戦略が柔軟

建物は経年劣化により価値が減少していきますが、土地の価値は築年数によってゼロになることはありません(市況による変動はあります)。木造住宅の法定耐用年数(22年)を超え、建物の評価額がなくなったとしても、最終的には「土地値」での売却が可能です。

また、売却先が投資家に限定されがちな収益物件マンションとは異なり、戸建ては一般の実需層(マイホームを探している人)もターゲットになります。「古家付き土地」として売り出し、買い手が解体して新築を建てる、あるいはリノベーションして住むなど、出口戦略の選択肢が広い点は大きな強みです。

メリット4. 持ち家や相続物件を「賃貸」に出す選択肢も

新たに物件を購入するだけでなく、今ある資産を活用できるのも戸建ての特徴です。転勤で一時的に住まなくなった自宅や、親から相続したものの誰も住む予定がない実家を、「とりあえず賃貸に出す」という選択肢があります。

特に「リロケーション(期間限定の賃貸)」を活用すれば、将来的に自分が戻って住むまでの期間だけ収益化することも可能です。売却するには惜しいが、空き家のまま維持管理費だけ払い続けるのは避けたい場合、賃貸経営は有効な解決策となります。ただし、賃貸に出すためのリフォーム費用と家賃収入のバランスを慎重に計算する必要があります。

投資比較表
(編集部作成)

会社員が注意すべき戸建て投資の「見えないリスク」とデメリット

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メリットの反面、会社員投資家にとって看過できないリスクも存在します。特に「修繕」と「融資」の壁は厚く、安易な参入はヤケドのもとです。

突発的な「修繕費」が数百万単位になるリスク

戸建て投資最大のリスク要因は、修繕費の自己負担です。マンションであれば、屋根や外壁といった躯体部分の修繕は管理組合が積み立てた修繕積立金で行われますが、戸建てはすべてオーナーの財布から出さなければなりません。

たとえば、屋根の塗装や葺き替えで100万円〜200万円、外壁塗装で100万円前後、シロアリ被害が見つかれば駆除と補修で数十万円から数百万円かかることもあります。

さらに、給排水管の詰まりや漏水トラブルも、敷地内であればオーナー負担です。これらは突発的に発生することが多く、もし手元に十分な資金がなければ対応できません。高利回りで数年運用できたとしても、一度の大規模修繕で利益がすべて吹き飛ぶ可能性すらあるのです。

戸建て修繕費用の目安
屋根塗装・葺き替え 80万〜200万円(雨漏りリスク)
外壁塗装 80万〜150万円(15年ごとなど)
床下・シロアリ防除 15万〜30万円(+被害あれば加算)
給湯器・水回り 10万〜50万円(突発的な故障)
内装 10万〜30万円(退去時リフォーム・クロス張替えなど)
(編集部作成、※あくまで目安であり、物件状況により異なる)

融資のハードルが高く、レバレッジが効きにくい

不動産投資の醍醐味は、銀行融資(レバレッジ)を使って自己資金以上の資産を動かせる点にあります。しかし、投資対象となる中古戸建ての多くは法定耐用年数(木造22年)を超えており、銀行からの融資評価が出にくいのが現実です。

融資がついたとしても、期間が短かったり、金利が高かったりするケースが多く、結果として「現金一括購入」を余儀なくされることが少なくありません。現金で購入する場合、毎月のキャッシュフローは安定しますが、資金効率(ROI=投資利益率)の観点からは、少額の頭金で大きな資産を持てる区分マンション投資などに劣る場合があります。手元の現金を大きく減らすことは、他の投資機会を失うことにも繋がります。

管理の手間|「自主管理」は会社員には不可能

「管理費を浮かせたいから自主管理にする」という考えは、忙しい会社員にとってはリスク以外の何物でもありません。入居者からの「お湯が出ない」「エアコンが壊れた」といったクレーム対応は、平日日中を問わず発生します。

また、戸建て特有の悩みとして「庭の管理」があります。夏場の雑草処理や、伸びすぎた枝が隣地に越境する問題、落ち葉の苦情など、近隣トラブルの種は尽きません。物件が遠方にある場合、これらに対応するために往復するだけで休日が潰れてしまいます。「不労所得」を得るつもりが、休みのない「重労働」になってしまっては、投資の目的を見失ってしまいます。

失敗しない「投資用戸建て」の選び方とスペック基準

不動産投資で「戸建て」は正解か?高利回りの裏にある「修繕リスク」と会社員のための賢い運用術
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リスクを理解した上で、なお戸建て投資に挑戦する場合、物件選びには明確な基準が必要です。安さだけで選ぶと、修繕地獄に陥ります。

ターゲットは「築古」すぎない物件|新耐震基準は必須

数百万円で売られている「築古ボロ戸建て」は魅力的ですが、初心者は避けるべきです。基準とすべきは、1981年(昭和56年)6月1日以降に建築確認を受けた「新耐震基準」の物件です。

新耐震基準を満たしていない旧耐震物件は、大地震のリスクが高いだけでなく、融資を受けられない可能性が極めて高くなります。また、不動産取得税や登録免許税の軽減措置が受けられない、地震保険料が高くなるなど、税制・コスト面でも不利です。何より、耐震補強工事に数百万円かかってしまえば、安く買った意味がなくなります。

立地選定|「駅近」よりも「駐車場と住環境」

単身者向けのマンション投資では「駅徒歩10分以内」が鉄則ですが、ファミリー向けの戸建て投資では基準が異なります。駅から多少離れていても、以下の条件を満たしていれば賃貸需要は十分にあります。

駐車場(カースペース)があるか:地方や郊外では車移動が必須。できれば2台分あると競争力が高まります。
生活利便施設へのアクセス:スーパー、ドラッグストア、学校、公園などが近くにあるか。
住環境の良さ:大通りから一本入った閑静な場所や、治安の良さが好まれます。

駅からの距離よりも「その街で家族が暮らすイメージができるか」という視点が重要です。

リフォーム費用の見積もりを「購入前」に行う

中古戸建て投資の成否は、購入価格とリフォーム費用の合計額で決まります。「安く買えた」と思っても、水回りの交換や床の張り替えで300万円かかれば、高値掴みしたのと同じです。

購入申し込みをする前に、必ずリフォーム費用の概算を把握してください。可能であれば内見時に、リフォームに詳しい不動産会社の担当者や工務店に同行してもらい、「どこを直す必要があり、いくらかかるか」をプロの目でチェックしてもらうことが失敗を防ぐ第一歩となります。

忙しい会社員が戸建て投資を成功させるための「管理戦略」

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本業を持つ会社員が戸建て投資で成功するためには、自分の時間を使わない仕組みづくりが不可欠です。

管理会社への委託は「経費」ではなく「投資」

賃貸管理手数料(家賃の5%程度)を惜しんで自主管理を選ぶのは、自分の時給をゼロ円と見積もっているのと同じです。本業で稼ぐ力を維持・向上させるためにも、管理業務はプロである管理会社(PM)に委託すべきです。

委託する際は、単なる家賃集金だけでなく、クレーム対応、設備の故障対応、退去時の精算業務まで一貫して任せられる会社を選びましょう。また、戸建て管理の実績が豊富かどうかも重要な選定ポイントです。管理手数料は、あなたの時間を守り、精神的な平穏を保つための必要な「投資」と捉えてください。

リスク分散の視点|戸建て一点張りの危険性

戸建て投資には「0か100か」というリスクもあります。入居者がいれば収益は100%ですが、退去すれば収入はゼロになります。ローンを組んで購入している場合、空室期間中の返済はすべて給与からの持ち出しとなります。

資産形成全体を考えた時、戸建てだけに集中投資するのはリスクが高いと言わざるを得ません。たとえば、都心の区分マンションは利回りこそ戸建てに劣るものの、空室リスクが低く、資産価値が安定しています。これらを組み合わせることで、戸建ての空室リスクをマンションの安定収入でカバーする、といったポートフォリオを組むことが、長期的に資産を守り増やすための賢い戦略です。

まとめ:手間をかけずに資産を作るなら「パートナー選び」が9割

不動産投資で「戸建て」は正解か?高利回りの裏にある「修繕リスク」と会社員のための賢い運用術
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戸建て投資は、高い利回りと出口戦略の柔軟性という大きな魅力を持つ一方で、修繕リスクや管理の手間という高いハードルも存在します。会社員が取り組むには、決して「楽な投資」ではありません。

成功の鍵は、物件の隠れたリスクを見抜く「目利き力」と、購入後の煩雑な業務を任せられる「管理力」を持った信頼できる不動産会社を見つけることです。パートナー選びさえ間違えなければ、戸建て投資はあなたの資産形成を加速させる強力なエンジンとなるでしょう。

また、ご自身の属性やライフスタイル、許容できるリスクによっては、戸建てに固執せず、区分マンションなど他の選択肢も含めて検討することが正解かもしれません。まずはフラットな視点で、専門家に相談してみることから始めてみてはいかがでしょうか。

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