少額不動産投資の始め方ガイド|1万円からの4つの方法と100万円で狙う本格デビューまで徹底解説
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「不動産投資は、多額の自己資金が必要な、一部の資産家のためのもの」──そう思っていませんか?

その考えは、もう過去のものです。現在では、テクノロジーの進化により、1万円程度の少額からでも不動産投資を始められます。

この記事では、あなたの資産状況や目標に合わせた、少額不動産投資の始め方を徹底的にガイドします。

目次

  1. 不動産投資は1万円の少額からでも始められる!主な方法は4種類
  2. 【一覧比較】少額不動産投資4つの方法|あなたに合うのはどれ?
  3. ① REIT(不動産投資信託):プロに運用を任せる上場商品
    1. REITの仕組みと特徴
    2. メリット・デメリット
  4. ② 不動産クラウドファンディング:特定の物件を選んで応援投資
    1. 不動産クラウドファンディングの仕組みと特徴
    2. メリット・デメリット
  5. ③ 不動産小口化商品:不動産の共同オーナーになる
    1. 不動産小口化商品の仕組みと特徴
    2. メリット・デメリット
  6. ④ ワンルームマンション投資:融資を活用して本格的な資産形成へ
    1. なぜ「ワンルーム」が少額から可能なのか
    2. メリット・デメリット
  7. 【目的別】少額不動産投資の失敗しない選び方とステップアップ術
    1. ステップ1:まずは「お試し」で1万円から始めてみる
    2. ステップ2:本格的な資産形成を目指すなら現物投資へ
  8. 少額から始める、未来のための不動産投資

不動産投資は1万円の少額からでも始められる!主な方法は4種類

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不動産投資は、1万円という少額からでもスタートできます。 代表的な不動産投資の方法には、以下の4種類があります。

投資手法 特徴
REIT(リート) 株式のように売買できる不動産版の投資信託
不動産クラウドファンディング ネットで特定の物件を選んで応援投資する
不動産小口化商品 一つの不動産を複数人で共同所有する
ワンルームマンション投資 融資を活用し、100万円程度の自己資金で本格デビュー

これらがすべて1万円から投資できるわけではありませんし、それぞれにメリット・デメリットがあります。

こうした基本的な点をおさえながら、「どの方法が自分に合っているのか」を見極めていきましょう。少額投資から本格的な資産形成へとステップアップしていくための具体的な道筋まで解説します。

【一覧比較】少額不動産投資4つの方法|あなたに合うのはどれ?

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各手法の詳細な解説に入る前に、まずは全体像を把握しましょう。それぞれの特徴を一覧表にまとめました。ご自身の興味や状況と照らし合わせながら、どの方法が一番しっくりくるか考えてみてください。

比較項目 ① REIT ② 不動産CF ③ 不動産小口化商品 ④ ワンルーム
最低投資額 数万円~ 1万円~ 100万円~ 100万円~(自己資金)
利回り目安 3~5% 4~8% 3~6% 3~5%(実質)
換金性 高い 低い 低い 低い
レバレッジ なし なし なし あり
手間 少ない 少ない 少ない 管理委託で少なくできる

① REIT(不動産投資信託):プロに運用を任せる上場商品

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まず最も手軽で株式投資に近い感覚で始められる「REIT」(リート)です。証券会社の口座があれば、今日からでも、数万円から取引を始められます。

REITの仕組みと特徴

REIT(Real Estate Investment Trust)は、日本語では「不動産投資信託」と呼ばれます。その仕組みは、投資のプロ(運用会社)が、多くの投資家から集めた資金を使ってオフィスビルや商業施設、マンションといった複数の不動産を購入・運用し、そこから得られた賃料収入や売買益を投資家に分配するというものです。

最大の特徴は、証券取引所に上場しているため、株式と同じようにいつでも市場で売買できる「換金性の高さ」です。急にお金が必要になった場合でも、すぐに現金化できる安心感があります。

メリット・デメリット

メリット デメリット
少額から始められる(数万円程度から購入可能) 元本保証ではない(価格変動リスクがある)
複数の不動産に投資するため分散投資効果がある 投資法人(REIT)の倒産・上場廃止リスクがある
不動産運用のプロにすべて任せられる 融資を使えないためレバレッジは効かない
株式同様にいつでも売買でき、換金性が高い 運用成績が市場全体の動向に左右されやすい

② 不動産クラウドファンディング:特定の物件を選んで応援投資

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次に近年インターネットを通じて急速に人気が高まっている「不動産クラウドファンディング」(CF)です。「1万円から特定の不動産プロジェクトのオーナー気分を味わえる」という手軽さが魅力です。

不動産クラウドファンディングの仕組みと特徴

不動産クラウドファンディングは、事業者がWebサイト上で募集する特定の不動産プロジェクト(ファンド)に対し、不特定多数の投資家がインターネットを通じて資金を出し合い、運用期間終了後にその運用益を分配してもらう仕組みです。

REITが「どの物件に投資するかはプロにお任せ」であるのに対し、クラウドファンディングは「自分で投資したい物件を選べる」という点が大きな特徴です。「都心のマンション」「地方の商業施設」など、自分が共感・応援したいプロジェクトに直接投資できる楽しさがあります。

メリット・デメリット

メリット デメリット
1万円程度から非常に手軽に始められる 運用期間中の途中解約が原則できない
予定利回りが年利4~8%と比較的高めに設定されている 事業者リスク(運営会社の倒産リスク)がある
投資したい物件やプロジェクトを自分で選べる あくまで投資であり元本割れのリスクがある
運用期間が数ヶ月~数年と短期のものが多い レバレッジは効かない

特に注意したいのが「換金性の低さ」と「事業者リスク」です。一度投資すると満期まで資金は引き出せません。また、運営会社が倒産してしまうと、投資した資金が返ってこない可能性もあるため、信頼できる運営会社を選ぶことが非常に重要です。

③ 不動産小口化商品:不動産の共同オーナーになる

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次は、REITやクラウドファンディングと、後述する現物不動産投資のちょうど中間的な位置づけとなる「不動産小口化商品」です。

不動産小口化商品の仕組みと特徴

不動産小口化商品は、一つの不動産(例:都心の一棟マンション)の所有権を文字通り小口化し、複数の投資家で共同購入(共同所有)する仕組みの商品です。「不動産特定共同事業法」という法律に基づいて運営されています。

最大の特徴は、投資家が単なる出資者ではなく、現物不動産の共同オーナー(所有者)の一人になれる点です。契約形態には、投資家が出資金を事業者に預けて運用を任せる「匿名組合型」と、投資家自身が事業者と共同で事業を行う「任意組合型」があります。特に後者の場合、不動産の共同所有者として登記されます。

メリット・デメリット

メリット デメリット
1口100万円程度から現物不動産の共同オーナーになれる REITなどに比べ最低投資額が高め
不動産所有権を得るため相続・贈与対策に活用できる場合がある 募集案件が不定期で、いつでも買えるわけではない
物件の管理・運用はプロ(事業者)に任せられる 換金性が低く、すぐに売却することは難しい
現物不動産のためインフレに強い レバレッジは効かない

特に、不動産の現物評価額が適用されることによる相続税評価額の圧縮効果が期待できるため、相続対策を考えている方にとっては非常に魅力的な選択肢となり得ます。

④ ワンルームマンション投資:融資を活用して本格的な資産形成へ

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これまで紹介した3つが、プロに運用を任せる「間接投資」であったのに対し、ここからはあなたが不動産の所有者となる「直接投資(現物投資)」の世界です。その代表格が「ワンルームマンション投資」です。

なぜ「ワンルーム」が少額から可能なのか

「現物不動産なのに少額?」と疑問に思うかもしれません。ここでの「少額」とは、「100万円程度の自己資金」を指します。なぜ100万円で、数千万円もするマンションが購入できるのでしょうか。

その答えは、「不動産投資ローン(融資)」の活用にあります。

これが、他の少額投資にはない現物不動産投資だけの最大のアドバンテージ「レバレッジ効果」です。金融機関から融資を受けることで、自己資金の何倍もの価格の資産を購入し、運用することができるのです。特に、資産価値が安定している都心のワンルームマンションは金融機関からの評価も得やすく、ローンを活用した投資戦略に適しています。

メリット・デメリット

メリット デメリット
レバレッジ効果で自己資金以上の大きな資産を狙える 空室リスク(入居者が見つからない期間の損失)
安定した家賃収入(インカムゲイン)が毎月得られる 家賃下落リスク(築年数経過による家賃の低下)
確定申告による節税効果が期待できる 物件の管理や入居者対応などの手間がかかる
団体信用生命保険による生命保険代わりの効果がある すぐに売却できず、換金性(流動性)が低い
インフレに強く、資産価値が目減りしにくい 金利上昇リスクや災害リスクがある

デメリットである「管理の手間」については、多くのオーナーが管理会社に業務を委託しています。月々数千円の委託料を支払うことで、家賃集金や入居者対応、清掃などをすべて任せられるため、本業が忙しい方でも手間なくオーナーになることが可能です。

【目的別】少額不動産投資の失敗しない選び方とステップアップ術

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4つの手法を見て、「結局どれを選べばいいの?」と迷ってしまう人もいるでしょう。ここでは、あなたの目的や経験値に合わせた選び方と、賢いステップアップ術を解説します。

ステップ1:まずは「お試し」で1万円から始めてみる

「いきなり100万円以上を投資するのは怖い…」と感じるのは当然です。もしあなたが不動産投資未経験者なら、まずはREITや不動産クラウドファンディングに1万円~数万円を投じて、不動産投資の感覚をつかんでみるとよいでしょう。

実際に自分の資金で投資をしてみると、経済ニュースの見方が変わったり、分配金が振り込まれる喜びを実感できたりします。これを、本格的な投資に向けた「練習期間」と位置づけ、不動産投資への理解を深めていきましょう。

ステップ2:本格的な資産形成を目指すなら現物投資へ

少額の「お試し」投資で経験を積み、自信がついてきたら、次のステップに進みましょう。将来のために本格的な資産形成を目指すのであれば、やはり「現物不動産投資」が最も有力な選択肢となります。

なぜなら、REITやクラウドファンディングには、

  • レバレッジが効かないため、大きな資産になりにくい
  • 節税効果が期待できない
  • あくまで「出資者」であり、「資産家」にはなれない

といった限界点があるからです。

融資を活用して資産規模を拡大でき、家賃収入という安定したキャッシュフローを生み出し、さらに節税効果まで享受できる現物不動産投資こそが、あなたの資産形成を次のステージへと押し上げてくれるのです。

少額から始める、未来のための不動産投資

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1万円から始められる少額不動産投資の4つの方法と、本格的な不動産オーナーになるためのステップアップ術を解説しました。

  1. 少額不動産投資には大きく4種類(REIT、不動産CF、小口化商品、ワンルーム)があり、1万円からでも始められる。
  2. それぞれ最低投資額やリスク、リターンの性質が異なるため、「換金性」や「レバレッジ」といったポイントを理解し、自分の目的に合った方法を選ぶ必要がある。
  3. まずはREITや不動産クラウドファンディングで「お試し」から始め、本格的な資産形成を目指すなら、レバレッジが効く「現物不動産投資」へのステップアップが王道。

「不動産投資は自分には縁がない」と諦める前に、まずは小さな一歩を踏み出してみませんか。1万円の投資が、あなたの未来を大きく変えるきっかけになるかもしれません。

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