「不動産投資を始めたいが、東京は価格が高騰しすぎている……」「大阪も良いが、他に有望な都市はないだろうか?」
資産形成を目指す多くの投資家が、今このような悩みを抱えています。過熱気味の市場に、参入のタイミングを見失っている方も少なくないでしょう。
その有力な答えの一つが、日本の三大都市圏の一角を担う『名古屋』です。特に2025年現在は、リニア中央新幹線の開業を目前に控え、街全体が大きく変貌を遂げようとしている絶好のタイミングと言えます。
東京・大阪に次ぐ第3の都市という安定感を持ちながら、未来への大きなポテンシャルを秘めた名古屋。この記事では、なぜ今、不動産投資先として名古屋が優れているのかをデータで徹底解剖し、2025年注目のエリアからリスク対策まで詳しく解説します。
目次
2025年の今、不動産投資先として名古屋が注目される3つの理由
なぜ今、名古屋の不動産投資に熱い視線が送られているのか?その理由は、以下の3つの明確な強みに集約されます。
- 人口増加と旺盛な賃貸需要
多くの地方都市が人口減少に悩む中、名古屋市は今なお人口が増え続けています。特に若者や単身世帯の流入が多く、ワンルームマンションなどの賃貸需要が非常に底堅いのが特徴です。 - リニア開業と大規模再開発による将来性
2037年目標のリニア中央新幹線開業に向け、名古屋駅周辺や栄エリアで「100年に一度」とも言われる大規模な再開発が進行中です。これにより、街の魅力が向上し、不動産資産価値の大きな押し上げ効果が期待されています。 - 東京・大阪に比べた価格の割安感と高い利回り
三大都市にも関わらず、マンション価格は東京・大阪に比べてまだ割安な水準にあります。一方で家賃は安定しているため、結果として投資利回りが高くなりやすいという、投資家にとって非常に魅力的な市場環境です。
データで見る!名古屋の不動産投資市場のポテンシャル
それでは、前章で挙げた3つの理由を、客観的なデータに基づいてさらに詳しく見ていきましょう。
①人口動態:名古屋市で続く人口増加
不動産投資の成否を分ける最も重要な要素は「賃貸需要」、つまり「そこに住みたい人がいるか」です。その点で、名古屋市は非常に優れた基盤を持っています。
総務省統計局の「住民基本台帳人口移動報告」や名古屋市の公式発表によると、名古屋市の人口は増加傾向にあります。特に注目すべきは、他の大都市からの転入者も多く、20代~30代の若年層や単身世帯の割合が高いことです。大学や専門学校、そして大手企業が集積しているため、進学や就職を機に多くの若者が名古屋に移り住んできます。
この人口動態は、ワンルームマンションやコンパクトマンションといった、単身者向け物件の安定した賃貸需要を直接的に支えています。空室リスクを抑え、安定した家賃収入(インカムゲイン)を目指す上で、この人口動態は極めて強力な追い風となります。
②経済基盤:世界的な製造業と大規模再開発が牽引する将来性
名古屋圏の強みは、何と言ってもトヨタ自動車を筆頭とする世界的な製造業が集積している点です。この強固な産業基盤が、安定した雇用と高い所得水準を生み出し、不動産市場を根底から支えています。
さらに、2025年現在の名古屋は、未来に向けた複数の巨大プロジェクトが同時進行しており、街の価値を飛躍的に高めようとしています。
- リニア中央新幹線開業(2037年目標)
開業すれば、名古屋-品川間が最短40分で結ばれます。これにより、名古屋駅周辺(名駅エリア)は首都圏との結節点としてビジネス・交通の要衝となり、オフィスや商業施設、ホテルの需要がさらに高まることが予想されます。駅周辺の再開発はまさに最終段階に入っています。 - 栄エリアの再開発
名古屋最大の繁華街である栄エリアでも、老朽化したビルの建て替えや公園との一体型開発などが進行中です。新たなランドマークの誕生により、商業地としての魅力がさらに向上し、周辺の居住エリアの資産価値にも好影響を与えるでしょう。 - 名古屋城周辺の観光開発
歴史的観光資源である名古屋城周辺も、新たな商業施設の整備などが計画されており、国内外からの観光客を惹きつける魅力的なエリアへと変貌を遂げようとしています。
これらのプロジェクトは、名古屋の不動産価値を中長期的に押し上げる確かな材料です。
③不動産価格と利回り:東京・大阪と比較した優位性
投資家にとって最も気になるのが、価格と利回りのバランスです。不動産経済研究所の調査などを見ると、2024年時点での新築マンションの平均価格は、東京23区が1億円を超える一方、大阪市が約6,000万円台、名古屋市が約5,000万円台と、価格に大きな差があります。
中古マンション市場においても、名古屋は東京・大阪に比べて平米単価が割安な傾向にあります。しかし、家賃相場は物件価格ほどの大きな開きはなく、安定して推移しています。
これは何を意味するかと言うと、「物件の取得価格を抑えつつ、安定した家賃収入が見込めるため、結果として投資利回りが高くなりやすい」ということです。東京・大阪と同じ感覚で物件を探すと、名古屋ではより好条件・高利回りの物件に出会える可能性が高いのです。これは、投資効率を重視する不動産投資家にとって最大のメリットと言えるでしょう。
【2025年版】プロが選ぶ!名古屋の不動産投資おすすめエリア
具体的に名古屋のどのエリアに投資すべきなのでしょうか。ここでは「投資戦略別」に3つのエリアグループを紹介します。
A. 資産価値と安定性の王道「都心3区(中区・中村区・東区)」
【特徴】 名古屋のビジネス・商業の中心地。交通の利便性が非常に高く、企業の支社や単身赴任者、高所得者層からの賃貸ニーズが絶えません。前述した再開発の恩恵を最も直接的に受けるエリアであり、安定したインカムゲインに加え、将来的な資産価値の上昇(キャピタルゲイン)も十分に狙えます。
【ターゲット】 単身の会社員、DINKS、高所得者層。
【ポイント】 特に「中村区」の名古屋駅周辺と「中区」の栄・伏見エリアは、リニア開業と再開発の二大プロジェクトの中心地。多少価格は高くても、それを上回る資産価値の向上が期待できる王道エリアです。
B. 手堅い家賃収入を狙う「単身者・学生向け高需要エリア(千種区・昭和区)」
【特徴】 名古屋大学や南山大学といった有名大学が集まる文教地区であり、閑静な住宅街が広がっています。学生や大学職員、若い社会人の賃貸需要が非常に安定しており、景気の変動を受けにくいのが強みです。
【ターゲット】 学生、単身の会社員。
【ポイント】 空室リスクを極力抑え、手堅く長期的なインカムゲインを狙いたい投資家に最適なエリアです。特に人気の地下鉄東山線や桜通線沿線は、都心へのアクセスも良好で、単身者からの支持が厚く、安定した賃貸経営が期待できます。
C. 注目度上昇中「東部丘陵エリア(名東区・天白区)」
【特徴】 比較的新しく開発された住宅地で、公園が多く住環境が良好です。都心部と比較して物件価格が手頃なため、高い利回りを狙える可能性があります。転勤で名古屋に来たファミリー層などからの需要も根強くあります。
【ターゲット】 ファミリー層、単身赴任者。
【ポイント】 都心まで一本でアクセスできる地下鉄東山線の東側(藤が丘、星ヶ丘など)は特に人気です。まだ価格が上がりきっていない今、将来性を見越して先行投資したいと考える投資家にとって、魅力的な「穴場」エリアと言えるでしょう。
名古屋不動産投資の注意点とリスク対策
どんな有望な市場にも、リスクは存在します。名古屋不動産投資を成功させるためには、ポジティブな側面だけでなく、潜在的なリスクとその対策を冷静に理解しておくことが不可欠です。
① 自動車産業への経済的依存
名古屋経済がトヨタ自動車を中心とする自動車産業に支えられていることは、強みであると同時にリスクともなり得ます。世界的な景気後退やEVシフトの動向によっては、地域経済が影響を受ける可能性はゼロではありません。
ただし、近年は三菱重工業などを中心とする航空宇宙産業や、IT関連企業の誘致も進んでおり、産業構造の多角化が進みつつあります。この動向を注視していくことが重要です。
② 東京・大阪に比べた流動性の低さ
不動産市場の規模としては、やはり東京・大阪に軍配が上がります。そのため、いざ物件を売却しようとした際に、買い手が見つかるまでの時間が東京・大阪に比べてやや長くなる可能性があります(=流動性が低い)。
このリスクへの対策は、「購入する段階で出口戦略を意識すること」です。具体的には、将来も需要が見込める都心部や主要駅の徒歩圏内など、流動性が高い優良物件を選ぶこと。そして、短期的な売買差益を狙うのではなく、長期的な視点で資産形成を考えることが重要になります。
③ 南海トラフ地震などの自然災害リスク
これは名古屋に限らず、日本で不動産投資を行う上で避けて通れないリスクです。特に東海地方は、南海トラフ巨大地震の発生が懸念されています。
具体的な対策としては、以下の3点が挙げられます。
- ハザードマップの確認:購入前に必ず物件所在地の洪水・津波・地盤のリスクを確認する。
- 保険への加入:火災保険はもちろん、地震保険にも必ず加入し、万一の事態に備える。
- 建物の構造:木造よりも耐震性・耐火性に優れたRC造(鉄筋コンクリート造)の物件を選ぶ。
まとめ:2025年、名古屋不動産投資を成功に導くために
2025年現在の名古屋不動産投資の魅力と、具体的な戦略、そして注意点について解説しました。
- 名古屋は「人口増加」「大規模再開発」「価格の割安感」という3つの明確な理由から、東京・大阪に次ぐ、あるいはそれ以上に魅力的な不動産投資先である。
- 投資を成功させるには、キャピタルゲインも狙う「都心3区」、手堅いインカムゲインを目指す「学生街」など、自身の戦略に合ったエリア選定が不可欠。
- 自動車産業への依存や災害といったリスクも存在するが、適切な物件選び(都心部・駅近・RC造など)とリスク対策(保険加入・長期視点)で十分にヘッジ(回避)することが可能である。
大きなポテンシャルを秘めた名古屋市場で成功を掴むためには、信頼できるパートナーと共に、データに基づいた冷静な判断を下すことが重要です。まずは情報収集から始めてみてはいかがでしょうか。
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