最終更新日:2024/8/19
 
不動産投資とは?初心者が知るべき仕組みとメリットやリスクを徹底解説
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近年将来の年金などの不安から資産運用のひとつとして注目が集まっている不動産投資。

今回は不動産投資とはなにか、初心者が知るべき仕組みやメリット、対策すべきリスクを徹底解説します。

目次

  1. 1.不動産投資とは?
  2. 2.不動産投資の主な種類を解説
  3. 3.不動産投資で利益を得る仕組みは主に2つ
  4. 4.不動産投資の5つのメリット
  5. 5.不動産投資の5つのリスク
  6. 6.初心者が不動産投資を始めるにはどうしたらいい?

1.不動産投資とは?

不動産投資とは?初心者が知るべき仕組みとメリットやリスクを徹底解説
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不動産投資とは、土地や建物を購入し、賃貸に出したり売却したりすることで利益を得る投資方法です。主な収益源は、家賃収入と売却益です。

メリットとしては、安定収入が期待できる、インフレ対策になる、相続対策になるなどが挙げられます。一方、デメリットとしては、初期費用がかかる、空室リスクがある、売却までに時間がかかるなどが挙げられます。

近年は、少額から投資できる不動産クラウドファンディングも人気です。

不動産投資は、時間と労力をかけて取り組む必要がある資産運用方法です。始める前に十分な知識と情報収集を行い、慎重に検討することが重要です。

2.不動産投資の主な種類を解説

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不動産投資の主な種類を解説します。

2-1.区分マンション投資

区分マンション投資とは、マンションの一室を購入し、賃貸に出すことで家賃収入を得る投資方法です。近年、副業として注目を集めており、比較的少額から始められることから、初心者投資家にも人気があります。

区分マンション投資の特徴は以下の5つが挙げられます。

1. 比較的少ない自己資金で始められる:

一棟マンション・アパート投資と比べて、初期費用が抑えられます。数十万円から始められる物件も多く、無理なく投資を始めることができます。

2. 流動性が高い:

売却しやすいという特徴があります。市場ニーズに合致しやすい間取りや駅近などの好立地物件は、特に売却しやすい傾向があります。

3. 空室リスクが比較的低い:

単身者向けのワンルームマンションなど、需要の高い間取りの物件であれば、空室リスクを低減することができます。また、管理会社に管理を委託することで、空室対策を効率的に行うことも可能です。

4. 家賃収入という安定した収入を得られる可能性がある:

空室リスクを抑えることができれば、安定した家賃収入を得ることができます。家賃収入は、老後の生活資金や子供の教育資金などに役立てることができます。

5. 不動産という実物資産を持つことができる:

株や金などの金融商品とは異なり、目に見える形での資産を持つことができます。資産価値が上昇する可能性もあり、長期的な資産形成にも役立ちます。

2-2.一棟マンション・アパート投資

一棟マンション・アパート投資は、区分マンション投資とは異なり、一棟まるごと購入したマンションやアパートを賃貸に出して家賃収入を得る投資方法です。 以下、その特徴を5つのポイントに分けて詳しく説明します。

1. 高い収益性:

区分マンション投資と比べて、複数の部屋から家賃収入を得られるため、収益性の高い投資を目指せる可能性があります。 入居状況が良好であれば、安定した家賃収入を期待できます。

2. 自由度の高い運用:

自分で物件を選ぶことができるだけでなく、空室対策や家賃設定などを自由に決めることができます。 独自のアイデアを取り入れた経営も可能です。

3. 節税効果:

不動産投資には、所得税や住民税、相続税などの節税効果が期待できます。 具体的な節税効果は、物件や個人の状況によって異なりますが、上手に活用することで、税金負担を軽減することができます。

4. 資産形成:

時間をかけて資産価値が上昇する可能性があります。 売却益や家賃収入を通じて、資産形成を図ることができます。

5. インフレヘッジ:

インフレになると、一般的に物価や賃金が上昇します。 不動産はインフレの影響を受けにくい資産と言われているため、インフレヘッジとしての効果が期待できます。

2-3.戸建て投資

戸建て投資とは、戸建て住宅を購入し、賃貸に出すことで家賃収入を得る投資方法です。近年、安定志向の投資家から注目を集めており、比較的少額から始められることから、初心者投資家にも人気があります。

戸建て投資の特徴は以下の5つが挙げられます。

1. 比較的少ない自己資金で始められる:

区分マンション投資や一棟マンション・アパート投資と比べて、初期費用が抑えられます。数百万円から始められる物件も多く、無理なく投資を始めることができます。

2. 空室リスクが比較的低い:

ファミリー層向けの物件であれば、長期的な入居が期待できます。また、ペット可物件や駐車場付き物件など、入居条件を絞ることで、空室リスクを低減することも可能です。

3. 修繕費や管理費が比較的安価:

区分マンションや一棟マンション・アパートと比べて、修繕費や管理費が安価です。ただし、老朽化が進んだ物件の場合は、修繕費が高額になる可能性もあります。

4. リフォームやリノベーションで付加価値をつけられる:

リフォームやリノベーションを行うことで、物件の付加価値を高めることができます。ターゲット層に合わせたリフォームを行うことで、入居率アップや家賃アップが期待できます。

5. 土地という資産を持つことができる:

建物は経年劣化で価値が下がりますが、土地は資産価値が比較的安定しています。そのため、長期的な資産形成にも役立ちます。

2-4.ビル投資

ビル投資とは、オフィスビルや商業ビルなどの建物を購入し、テナントに貸し出すことで家賃収入を得る投資方法です。近年、安定志向の投資家から注目を集めており、比較的少額から始められることから、初心者投資家にも人気があります。

ビル投資の特徴は以下の5つが挙げられます。

1. 高い収益性:

区分マンション投資や一棟マンション・アパート投資と比べて、収益性が期待できます。 入居率が高ければ、安定した家賃収入を得ることができます。

2. 安定した収入:

オフィスビルや商業ビルの場合、テナントとの契約期間が長く設定されることが多いため、安定した家賃収入を期待できます。

3. 資産価値の向上:

立地条件の良いビルであれば、資産価値が向上する可能性があります。 特に、都市部におけるオフィスビルや商業ビルの需要は高いため、資産価値上昇が期待できます。

4. 節税効果:

不動産投資には、所得税や住民税、相続税などの節税効果が期待できます。 具体的な節税効果は、物件や個人の状況によって異なりますが、上手に活用することで、税金負担を軽減することができます。

5. 法人化による節税効果:

個人ではなく、法人でビル投資を行うことで、さらに節税効果を高めることができます。 ただし、法人化には設立費用や維持費がかかるため、注意が必要です。

2-5.駐車場投資

駐車場投資とは、土地を整備して駐車場として運営することで収益を得る投資方法です。近年、手軽に始められる投資として注目を集めており、少額から始められることから、初心者投資家にも人気があります。

駐車場投資の特徴は以下の5つが挙げられます。

1. 比較的初期費用が抑えられる:

他の不動産投資と比べて、初期費用が抑えられるという特徴があります。 土地代と駐車場を管理する設備のみ購入すれば良いので、建物建築などの費用がかかりません。 また、既に土地を所有している場合は、初期投資をほとんどかける必要がありません。

2. 空室リスクが低い:

駐車場は、生活必需品である車にとって必要不可欠な施設です。そのため、空室リスクが低いという特徴があります。 特に、駅近や商業施設付近などの立地条件の良い駐車場は、入居率が高くなる傾向があります。

3. 収益が安定している:

駐車場は、天候や景気に左右されにくいという特徴があります。 景気後退の影響を受けにくい安定した投資と言えます。

4. 管理が比較的簡単:

駐車場の管理は、比較的簡単です。 巡回清掃や設備点検などの基本的な管理業務は、外部業者に委託することもできます。

5. 資産価値が比較的安定している:

駐車場は、災害に強いという特徴があります。 また、土地という実物資産を保有することができます。

3.不動産投資で利益を得る仕組みは主に2つ

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不動産投資で利益を得る仕組みには家賃収入によるインカムゲインと売却益によるキャピタルゲインの2つがあります。

3-1.家賃収入(インカムゲイン)

不動産投資におけるインカムゲインとは、賃貸物件から得られる家賃収入を指します。長期的な視点で安定した収益を得られることが期待できる投資方法です。

仕組み

  1. 物件の購入: 投資家は、自己資金やローンなどを活用して、賃貸物件を購入します。
  2. 入居者募集: 空室にならないよう、積極的に入居者募集を行います。
  3. 家賃収入: 入居者から家賃を徴収します。
  4. 経費の支払い: 修繕費や固定資産税などの経費を支払います。
  5. 利益の獲得: 家賃収入から経費を差し引いた残りが、インカムゲインとなります。

メリット

  • 安定した収入: 景気変動の影響を受けにくい、比較的安定した収入を得ることができます。
  • インフレ対策: 物価上昇に伴い、家賃収入も上昇する可能性があります。
  • 相続対策: 不動産は、相続財産として受け継ぐことができます。

デメリット

  • 初期費用: 物件購入費用、諸経費、修繕費など、初期費用がかかります。
  • 空室リスク: 入居者が退去した場合、家賃収入が途絶えてしまいます。
  • 管理の手間: 入居者対応や修繕などの管理業務が必要です。

インカムゲインを成功させるポイント

  • 立地の良い物件を選ぶ: 入居者がつきやすい、立地の良い物件を選ぶことが重要です。
  • 収益性の高い物件を選ぶ: 家賃収入と経費のバランスが取れた、収益性の高い物件を選ぶことが重要です。
  • 長期的な視点で取り組む: 短期的な利益ではなく、長期的な視点で取り組むことが重要です。
  • 専門家のアドバイスを受ける: 必要に応じて、不動産投資の専門家のアドバイスを受けることが有効です。

3-2.売却益(キャピタルゲイン)

不動産投資におけるキャピタルゲインとは、不動産を売却することで得られる売却益を指します。短期間で高額な利益を得られる可能性がありますが、リスクも高い投資方法です。

仕組み

  1. 物件の購入: 投資家は、自己資金やローンなどを活用して、物件を購入します。
  2. 物件の保有: 数年間、物件を保有します。
  3. 物件の売却: 景気上昇や周辺環境の変化などを判断し、適切なタイミングで物件を売却します。
  4. 売却益の獲得: 購入時の価格よりも高い価格で売却できれば、キャピタルゲインとなります。

メリット

  • 短期間で高額な利益を得られる可能性: 景気上昇や物件の値上がりによって、短期間で高額な利益を得られる可能性があります。

デメリット

  • リスクが高い: 景気変動や金利上昇などの影響を受けやすく、損失が出る可能性もあります。
  • 売却まで時間がかかる: 売却相手を見つけるまで時間がかかる場合があり、売却時期を逃してしまうリスクもあります。
  • 税金がかかる: 売却益には譲渡所得税がかかります。

キャピタルゲインを成功させるポイント

  • 市場動向を分析する: 景気動向や金利動向、不動産市場の動向などを分析し、売却のタイミングを判断することが重要です。
  • 値上がりポテンシャルの高い物件を選ぶ: 将来的に値上がりがしやすい物件を選ぶことが重要です。
  • 修繕費などのコストを考慮する: 売却時に修繕費などのコストがかかることを考慮する必要があります。
  • 専門家のアドバイスを受ける: 必要に応じて、不動産投資の専門家のアドバイスを受けることが有効です。

4.不動産投資の5つのメリット

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不動産投資の主なメリットは下記の5つです。

・安定した収入を得ることができる
・長期的な資産形成ができる
・節税効果が得られる
・インフレヘッジになる
・レバレッジ効果がある

4-1.安定した収入を得ることができる

不動産投資の最大のメリットは、賃貸物件から得られる家賃収入という安定収入を得られることです。給与収入とは異なり、景気の影響を受けにくく、比較的安定した収入源となります。老後の生活資金や教育資金の準備などにも役立てることができます。

4-2.長期的な資産形成ができる

不動産投資は、長期的な視点で取り組むことで、資産形成に役立てることができます。時間をかけて物件の価値を高め、売却することで利益を得ることができます。

4-3.節税効果が得られる

不動産投資では、所得税や住民税などの節税効果が期待できます。例えば、建物の減価償却や住宅ローン金利の控除を受けることができます。

4-3.インフレヘッジになる

インフレとは、物価が継続的に上昇することです。インフレになると、家賃収入も上昇する傾向があります。そのため、不動産投資はインフレ対策としても有効と言われています。

4-4.レバレッジ効果がある

住宅ローンなどの金融を活用することで、自己資金以上の投資を行うことができます。ただし、レバレッジ効果は諸刃の剣であり、金利上昇などのリスクにも注意する必要があります。

5.不動産投資の5つのリスク

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不動産投資で予想されるリスクは主に下記の5つです。

・空室時に収入がなくなる
・物件によっては収益性が低くなる
・現金化まで時間がかかるため流動性が低い
・ランニングコストがかかる
・災害による影響も考えられる

5-1.空室時に収入がなくなる

入居者がいない期間が発生し、家賃収入が得られないリスクです。空室が発生すると、家賃収入が途絶えるだけでなく、固定資産税や修繕費などの経費を負担する必要が生じ、収益が悪化します。

空室リスクを軽減するためには、立地の良い物件を選ぶ、入居者募集を積極的に行う、家賃相場を適切に設定するなどの対策が必要です。

5-2.物件によっては収益性が低くなる

不動産は現金のように換金性が悪く、売却したい時にすぐに買い手が見つからない可能性があります。特に、築年数が経過した物件や立地が悪い物件は売却しづらくなる傾向があります。

5-3.現金化まで時間がかかるため流動性が低い

不動産投資は、物件の購入、修繕、入居者募集など、収益化までに時間がかかる投資です。そのため、すぐに利益を得られるわけではなく、長期的な視点で取り組む必要があります。

5-4.ランニングコストがかかる

物件の維持管理には、修繕費、固定資産税、火災保険料などのランニングコストがかかります。これらを事前にしっかりと見積もり、収益性と合わせて検討することが必要です。

5-5.災害による影響も考えられる

地震や台風などの災害によって、物件が被害を受け、損失が出るリスクがあります。特に、木造や築年数の古い物件は、災害リスクが高い傾向があります。

災害リスクを軽減するためには、耐震性の高い物件を選ぶ、火災保険や地震保険に加入するなどの対策が必要です。

6.初心者が不動産投資を始めるにはどうしたらいい?

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初心者が不動産投資を始めるにはどのようなことに気をつけ、何から始めたらよいのか迷っている方も多いのではないでしょうか。ここではまず最初に身につけておきたい4つのことを説明します。

6-1.十分な知識を身につける

不動産投資に関する基本的な知識を身につけることが重要です。書籍やインターネットで情報収集したり、セミナーに参加したりして、投資の仕組み、リスク、節税効果などを理解しましょう。また、宅建士などの専門家に相談するのも有効です。

6-2.計画的に投資する

投資目的、資金計画、物件選び、リスク管理などを事前にしっかりと計画しましょう。焦らず、時間をかけて慎重に検討することが重要です。

不動産投資は、短期間で大きな利益を得られる投資ではありません。長期的な視点で取り組むことを念頭におきましょう。

6-3.空室対策を徹底する

空室が発生すると、家賃収入が途絶え、収益が悪化します。空室対策として、以下の点に注意しましょう。

  • 立地条件の良い物件を選ぶ
  • 適切な家賃設定をする
  • 入居者ターゲットを明確にする

6-4.複数の物件を所有する

空室リスクや収益性の低さを軽減するために、複数の物件を所有することを検討しましょう。ただし、無理のない範囲で、管理できる範囲の物件数に留めることが重要です。

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