最終更新日:2024/8/19
 
不動産会社こそDXが必要!進まない会社はオーナーにどんなデメリットが?
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武井利明
武井利明
住宅メーカーに約20年営業職で勤務。現在は住宅関係をはじめ不動産投資、太陽光発電、環境問題、SDGs、脱炭素など幅広いテーマを執筆するライターとして活動。また人気動画サイトの台本作成も手がける。丁寧にリサーチを行い、複雑な話題を正確にわかりやすく伝える文章を得意としている。

DXの必要性が急務といわれている不動産業界。しかしいくつかの理由から、一部の先進的な企業を除き、なかなかデジタル技術の導入やオンライン化が進んでいないのが実情です。

この問題は、これからマンション経営を行うオーナーにとっても大きなリスクがあるといえます。本稿では、なぜ不動産業界ではDXが進まないのか、オーナーがそうした不動産会社を選んでしまったときのデメリット、さらにこれからの時代の不動産会社選びについて解説します。

目次

  1. そもそもDXとは何か?
  2. 不動産業界におけるDXの現状
    1. 不動産業はアナログ的な業務が多い
  3. DXを進めない不動産会社のデメリット
    1. 1.納得して物件を選べない
    2. 2.会社の存続が心配
    3. 3.担当者の転職
  4. DXが進まない不動産会社の理由
    1. 1.コストの問題
    2. 2.長年の慣習
  5. どのような不動産会社を選べば良いか
    1. 1.ある程度の規模の不動産会社である
    2. 2.物件の開発販売をしている
    3. 3.オンライン対応をしている
  6. DXが期待できる不動産会社を選ぶ

そもそもDXとは何か?

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DXとは「デジタル・トランスフォーメーション(Digital Transformation)=デジタルによる変革」という言葉を元にした造語です。「デジタル技術で生活や社会を、より便利に変化させる」という意味を持ちます。

経済産業省はビジネス上のDXをデータやデジタル技術を活用して以下を進めることとしています。

・激しいビジネス環境の変化に対応
・ニーズに合った製品やサービスなどへ変革
・業務や組織、企業文化などを変革させ競争力を向上

(引用:経済産業省「DX 推進指標」とそのガイダンス

「デジタル技術を活用」と聞くと、IT化(もしくはIoT化)といったように、デジタルツールなどを導入して業務を効率化させることをイメージされるのではないでしょうか。

もちろんそれも含みますが、DXはビジネスモデルや企業のサービス自体の根本的な変革も含まれており、より大きな意味を持つ言葉になっています。

不動産業界におけるDXの現状

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現在ではあらゆる業種でDXが推進されています。不動産業界はその現状から、DXによって改善できる部分が多い業種だといわれています。

不動産業はアナログ的な業務が多い

その要因の一つに、不動産業にはアナログな業務が多いことが挙げられます。

これまでの不動産業界では、物件資料の保管は紙が主流であり、情報のやり取りも最近までFAXで頻繁に行われていました。

不動産情報ポータルサイトに物件情報を掲載はしているものの、具体的な資料は手渡しという不動産会社もまだまだ存在します。

もちろんある程度規模の大きな、あるいは若い経営者の不動産会社ではDXが取り組まれつつあります。しかし業界全体にDXが浸透するには、かなりの時間がかかると思われます。

DXを進めない不動産会社のデメリット

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こうしたDXを進めない不動産会社から物件を購入するとなると、オーナーにとって次のようなデメリットが考えられます。

1.納得して物件を選べない
2.会社の存続が心配
3.担当者の転職

1.納得して物件を選べない

物件の購入では、できるだけ物件の詳細な条件や将来の収支見通しなどを、不動産会社に提示してもらいたいところです。

しかし十分なデータやそれを分析する技術、ノウハウがなければ、納得して物件を購入することができません。

2.会社の存続が心配

業務の効率化が進まない不動産会社では、電話代や郵送代、資料の紙代、移動の交通費など多くの経費が失われています。

また商談などのオンライン化が進まなければ、オーナーに不便な会社だと思われ売上が落ち込む可能性もあります。こうした状況が経営に影響し、会社の存続が危うい状況になることも考えられます。

マンション経営などは長期にわたり不動産会社と協力して利益を上げていくものです。任せた不動産会社が途中でなくなってしまうことは、オーナーにとって大きなデメリットです。

3.担当者の転職

DXが進まないことでの非効率な業務によって、作業の負担や残業が増えれば担当者が転職してしまうことも考えられます。

高額な物件を扱うマンション経営では、担当者を信頼して任せる部分も大きいものです。しかし、せっかく契約をしても担当者が転職してしまっては、物件運営に大きな不安が生じます。

DXが進まない不動産会社の理由

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こうしたデメリットが生まれる可能性がありながら、なぜDXが進まない不動産会社があるのでしょうか。その背景には次の2つの理由が考えられます。

1.コストの問題
2.長年の習慣

1.コストの問題

不動産業界でDXが進まない大きな理由は、人材とコストの確保ができないことです。

2021年に不動産テック企業が合同で不動産業者に行なったアンケートによると、「DX推進で苦労していること」の質問への回答で多かったのが「人材が確保できない」が45.7%、「費用が高いもしくは予算がない」が42.5%でした。

この結果からDXの必要性は感じているものの、人やコストが確保できずなかなか進められない、という実情が見えてきます。

また同アンケートでは、49%と約半数の不動産事業者がDX年間予算を100万円以下と回答しています。

確かに経営規模の小さな不動産業者では、人や環境整備などに回す予算を確保することは簡単ではないのかもしれません。

2.長年の慣習

例えば、不動産業界では物件の商談などは対面で行うべきとする根強い考えがあります。

これは不動産取引が高額なため、話の食い違いなどが起きないようにという理由からです。また対面で熱意を伝えて契約してもらおう、と考えも強くあるようです。

決して間違った考え方ではないかもしれません。ただ、時代や社会の変化とともに新しい仕組みを取り入れることも必要です。

変えられるところ積極的に変えていくことが大切だといえるでしょう。

どのような不動産会社を選べば良いか

ではこれからDXを実現し、安心できるマンション経営のパートナーになる不動産会社はどのように選べば良いのでしょうか。

その点でぜひチェックしたい3つのポイントを紹介します。

1.ある程度の規模の不動産会社である
2.物件の開発販売をしている
3.オンライン対応している

1.ある程度の規模の不動産会社である

DX実現には、ある程度の規模の不動産会社が有利と考えられます。DXを進めるための人材確保や環境整備には、どうしてもコストがかかるからです。

多くの不動産会社が予算不足でDXを実現できていないことは前述のアンケートでも明らかで、一定の資金力を備えていることはDX実現の条件といえます。

こうした会社は、個人経営に近い小さなところと比べ、突然倒産してしまうようなリスクは少ないと考えられるでしょう。

2.物件の開発販売をしている

マンション経営をする場合、物件は自社で開発し販売をしている不動産会社から購入するのがおすすめです。

そうした不動産会社なら、過去の物件データから将来の収支見通しや運営方法について最適なアドバイスが期待できます。

さらにDXが進めば、より収益性の高い物件が開発されることも考えられます。将来マンション経営を拡大するときには、頼もしいパートナーとなるでしょう。

3.オンライン対応をしている

これからマンション経営を行うパートナーを選ぶなら、オンライン対応をしている不動産会社であることは必須です。

ネットでの物件情報の提供やビデオ通話による相談、バーチャル内覧会などを積極的に行なっていれば、よりスピーディーなやりとりが可能になります。

2022年3月末からオンラインでの不動産売買の重要事項説明が解禁となり、国も不動産取引におけるオンライン化を推奨しています。

今後のマンション経営では、オンライン対応をしている不動産会社を選ぶことが時代の流れとなっていくでしょう。

DXが期待できる不動産会社を選ぶ

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(画像=alphaspirit/stock.adobe.com)

これまでも、不動産業界こそDXを進めるべきとの意見が多く聞かれました。しかし資金不足や従来の慣習などがあり、DXの進み具合は不動産会社によって大きな差があります。

物件の提案や運営後のアドバイス、不動産会社の将来性などにもDXは影響し、オーナーにとっても軽視はできません。

そのため一定の規模があり、「開発販売をしている」「オンライン対応している」などを基準に不動産会社を選ぶようにしましょう。

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