マンション経営以外で資産形成は可能?他の投資方法とメリット・デメリットを比較
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武井利明
武井利明
住宅メーカーに約20年営業職で勤務。現在は住宅関係をはじめ不動産投資、太陽光発電、環境問題、SDGs、脱炭素など幅広いテーマを執筆するライターとして活動。また人気動画サイトの台本作成も手がける。丁寧にリサーチを行い、複雑な話題を正確にわかりやすく伝える文章を得意としている。

さまざまな投資情報を見ていると「マンション経営でなくても資産形成の方法はあるのでは?」と感じるかもしれません。また不動産は単価が高く投資に抵抗を感じる方もいるでしょう。

本稿ではよく目にする投資方法である「投資信託」「株式投資」「太陽光発電投資」などのメリット・デメリットと比較し、マンション経営をしなくても資産形成が可能かを検証します。読んでいただくと、どの投資が資産形成をしやすいかきっとわかるはずです。

投資信託で資産形成は可能か?

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まずは投資信託から検証していきます。

投資信託とは、さまざまな投資を組み合わせた金融商品で、多くの人から集めた資金をファンドマネージャーと呼ばれる専門家が運用し、その利益を投資家に分配します。

メリットデメリット
手軽に分散投資できる売買での大きな収益を得にくい
プロに運用を任せられる複数の手数料がかかる

メリット1:手軽に分散投資できる

分散投資とは投資先を複数に分け、一つの投資収益が下がっても資産運用全体の収益が悪化しないようにするリスク回避法です。

通常複数の投資で資産運用するには資金と手間がかかります。しかし投資信託なら初めから複数の投資を対象にしているため、手軽に分散投資ができます。

メリット2:プロに運用を任せられる

投資信託では、預けた資金で実際に投資するのは金融の専門家であるプロのファンドマネージャーです。

そのため投資知識や経験がなくても、リスクを最小限にしながら資産運用ができます。

デメリット1:売買での大きな収益を得にくい

投資信託は1日の取引が終わった後に、複数の投資の時価をまとめた基準価額が公表されます。

このため株式投資のように、リアルタイムに価格を見ながらより高値で売って大きな収益を得るようなことができません。

中長期的な視点で資産運用を行うのが投資信託になります。

デメリット2:手数料や税金がかかる

投資信託では、収益から手数料が差し引かれます。購入時は販売手数料、保有している間は信託報酬や監査報酬が必要です。

また信託資産を換金するときに信託財産留保額がかかる投資信託もあります。さらに収益は課税対象になるため、最終的に手にする収益が予想より減ることもあります。

※NISA、つみたてNISAは非課税ですが投資金額と投資期間に上限がある

投資信託での大きな資産形成は難しく初心者向け

投資信託は分散投資でリスクを軽減でき、プロに運用を任せるため初心者でも始めやすい投資です。

しかし売買による大きな収益は得にくく、長期に運用しても複数の手数料で収益が想定より少なくなる可能性もあります。

このため、投資初心者が資産運用の一つとして投資するのに適した方法といえます。

株式投資で資産形成は可能か?

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株式投資は株式会社が発行する株式を買い、配当金を受け取ったり買った値段より高く売却して差額の利益を得たりする投資方法です。

メリットデメリット
短期で大きな利益を得る可能性ありこまめな市場チェックや売買が必要
株主優待大きな収益を得るには多額の資金が必要

メリット1:短期で大きな利益を得る可能性あり

株式投資ではこれから株価が上がる銘柄を予測して安いうちに購入し、高値になったときに売却できれば短期間で大きな利益を手にできる可能性があります。

メリット2:株主優待

株式を持つと企業が株主に自社製品を無料で提供したり、サービスを割引いたりする株主優待を受けられます。

全ての企業が行っているわけではありませんが、良く利用する会社の株主優待があれば大きな付加価値になります。

デメリット1:こまめな市場チェックや売買が必要

株式投資で十分な収益を得るには、こまめに市場をチェックし、保有銘柄の企業情報を集めたりしながら積極的に売買しなければなりません。

株式に関する専門的な知識が必要で、さらには市場、経済、政治などの社会情勢や企業の業績などを見てリアルタイムで判断し売買する必要があります。

幅広い知識と株式投資に集中する時間が必要なので、仕事を持っている方がそれを行うのはかなり難易度が高いといえます。

デメリット2:大きな収益を得るには多額の資金が必要

株式投資はマンション経営と違いローンを組んで投資を行うことができないことから、株式を購入する費用は全て自己資金で用意しなければなりません。

2021年の株式投資の単純平均利回りは1.73%と高いとはいえない数字です。この利回りで大きな収益を得るためには、多額の投資を行う必要があります。

知識があれば大きな資産が作れる可能性はあるが難易度が高い

株式投資は短期間で大きな資産を作れる可能性があります。

だからこそ、多くの人を夢中にさせる魅力があるのですが、市場や企業をチェックする知識や時間、株式を購入する多額の自己資金が必要です。

株式投資は投資上級者向けであり、資金や時間に限りがある会社員や投資初心者には不向きといえます。

太陽光発電投資で資産形成は可能か?

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大規模な太陽光発電設備を購入し、発電した電気を売って資産を作るのが太陽光発電投資です。

メリットデメリット
ローンで投資を始められる買い取り価格は縮小傾向
買い取り価格が固定されている中古物件は将来の不安あり

メリット1:ローンで投資を始められる

太陽光発電はマンション経営と同じく、ローンを利用し発電設備などを購入できるため最小限の自己資金で始めることができます。

申込人が亡くなったり重度の障害をおったりしたときに、ローンが完済される団体信用生命保険がローンに付帯する点はマンション経営と同じです。

メリット2:買い取り価格が固定されている

太陽光発電で作られた電気は、電力会社が買い取る価格と期間が国によって固定されます。

例えば投資対象で多い「50kW以上250kW未満」の太陽光発電なら、2022年度は1kwあたり10円で20年間買い取られます。

国による保証があるため、他の投資に比べ安定しているといえます。

デメリット1:買い取り価格は縮小傾向

太陽光発電の買い取り価格は年々下がっており、投資規模の太陽光はスタート当初の40円から2022年度は10円と大きく縮小しています。

今後さらに下がる可能性もあり、新たに設置するとしても初期投資を回収するにはかなりの時間がかかると予想されます。

デメリット2:中古物件は将来の不安あり

太陽光発電投資のなかには、過去の高額な買い取り価格だったころの中古物件を購入して投資する方法もあります。

残りの買い取り固定期間で収益が得られるかもしれませんが、期間終了後の発電はいくらで買い取られるか、設備の寿命がきて廃棄処分する際の費用の負担といった将来の不安があります。

固定価格のメリットはあるが将来が不透明

太陽光発電投資は、国が買い取り価格を保証しているメリットがあります。

しかし買い取り価格は縮小傾向で、さらに固定期間が終わった後の買い取り価格や、設備の寿命がきたときの処分費用など将来の不安があります。長い目で考えたときに不透明な投資といえます。

マンション経営で資産形成は可能か?

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マンション経営は物件を購入し、他の人に貸した家賃を収益にする投資です。

メリットデメリット
ローンを使って始められるすぐに大きな利益を得るのは難しい
長期に安定した収入が期待できる-
時間や手間がかからない-

メリット1:ローンを使って始められる

マンション経営は、ローンを使って物件が購入できるため最小限の自己資金で始められます。

そのため資金の限られる会社員や公務員、忙しい医師や士業の方などが副業として始めやすいというメリットがあります。

また、申込人が亡くなったときには、ローンが完済される団体信用生命保険が付帯します。

家賃収入が続けば残された家族の経済的支えになるため、生命保険の代わりになるといえます。

メリット2:長期に安定した収入が期待できる

マンション経営は景気の影響を受けにくく、安定した収入が期待できる投資です。

実際にコロナウィルス感染拡大による景気の低迷があっても、大都市の物件は家賃が大きく落ち込まず緩やかに上昇さえしています。

新築のワンルームマンションなど長期的に価値が落ちにくい物件を選べば、将来の資産形成がしやすいでしょう。

メリット3:時間や手間がかからない

マンション経営では物件の維持管理を不動産会社や管理会社に委託すれば、オーナーが時間や手間を取られることがほとんどありません。

このため不動産を持ったことがない方でも、気軽に始められる投資になっています。

デメリット1:すぐに大きな利益を得るのは難しい

マンション経営は、毎月の家賃収入をコツコツ積み上げていくローリスク・ロングリターンの投資です。そのため短期間で大きな利益を得たい方には向いていません。

ローリスク・ロングリターンのマンション経営は将来の資産を作るのに最適

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マンション経営は景気の影響を受けにくく、さらにローンを使って始められることから、手間や時間がかからないなどメリットが多いといえます。

短期間で大きな資産を作るのは難しいかもしれませんが、大都市の新築ワンルームのように価値の落ちにくい物件を選べば長くコツコツと資産を積み上げることが可能です。

他の投資でも資産を作れますが、多くの自己資金や経験が必要だったり安定感に欠けたりと難易度が高くなっています。

なるべくリスクを抑えて資産形成をするなら、マンション経営が最適といえそうです。

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