「マンション経営 初期費用」マンション経営の初期費用ってどれくらい?項目、相場、節約方法
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田中 タスク
田中 タスク
エンジニアやWeb制作などを経験した後にFXと出会い、それを契機に投資系ライターとしての活動を開始。自身もさまざまな投資を経験し、その経験をいかした執筆活動に強みをもつ。長期的な視野にたって資産運用の重要性を強く感じ、不動産投資を含む中長期的な投資の生きた情報を発信するための記事制作に取り組む。初心者向けの資産運用アドバイスにも注力、安心の老後を迎えるために必要なマネーリテラシー向上の必要性を発信中。

マンション経営を始めたいと考える人にとって、初期費用がいくらになるのかは大きな関心事です。物件価格は表示されているのですぐにわかりますが、それ以外の諸経費や税金など、初期費用がいくらになるのかは見えにくいものです。

マンション経営を始めるのにあたって、初期費用を正確に知っておくことは適切な資金計画にもつながるので、成功のためにも欠かせない知識です。

マンション経営の初期費用について、必要な知識を網羅していただけるように構成していますので、ぜひ最後までご覧ください。

目次

  1. 1.マンション経営を始める際に発生する初期費用の内訳
    1. 1-1.マンションの購入費用
    2. 1-2.融資に関する費用
    3. 1-3.税金
    4. 1-4.登記費用
    5. 1-5.火災保険、地震保険
  2. 2.マンション経営の初期費用はコストダウンできるか
    1. 2-1.コストダウンの可能性がある初期費用
    2. 2-2.交渉ではコストダウンできない初期費用
    3. 2-3.コストダウンするべきではない初期費用
  3. 3.マンション経営に失敗しない初期費用の考え方
    1. 3-1.十分な余裕をもった資金計画を
    2. 3-2.必要なものまでケチらない
    3. 3-3.見えない資産も総動員しよう
  4. 4.まとめ

1.マンション経営を始める際に発生する初期費用の内訳

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最初に、マンション経営を始めるのにあたって必要になる初期費用を項目別に見てみましょう。

ケースによっては発生しない費用もありますが、おおむね以下の5つが初期費用として必要になるとお考えください。

1.マンションの購入費用
2.融資に関する費用
3.税金
4.登記費用
5.火災保険、地震保険

1-1.マンションの購入費用

マンション経営の収入源となる物件の購入費用が必要になります。販売されている物件には価格が表示されており、それが物件そのものの購入費用となります。

新築マンションの場合は修繕などの必要がないので、物件価格がそのまま物件の購入費用だと理解いただいて問題ありません。

1-2.融資に関する費用

マンションを購入する場合、銀行などの金融機関の融資を利用するケースが大半だと思います。その融資に関する費用が初期費用に含まれます。主な項目は以下の3つです。

1.ローン保証料
2.ローン事務手数料
3.融資の契約書に貼付する印紙税

1.ローン保証料
融資を受けたものの、万が一返済不能になってしまった場合に備えて保証会社を保証人とするのが通例です。保証会社はリスクをとって保証人となるため、そのための保証料が発生します。

相場については融資時の一括支払いで融資額の2%程度、ローン金利に上乗せする場合は0.2~0.3%がそれぞれ目安になります。なお、金融機関によってはローン保証料が不要の場合もあります。

2.ローン事務手数料
金融機関のローンを利用する際、金融機関に支払う手数料があります。

これがローン事務手数料で、計算方法には借入額によって変動する定率制と定額制があります。金額は借入先によって数万~数十万円と非常に幅があります。

3.融資の契約書に貼付する印紙税
融資を受ける際には金銭消費貸借契約書を締結します。その契約書には融資契約額に応じた印紙を貼付する必要があります。

これを印紙税といいます。印紙税の一覧は以下の通りです。

融資額(契約額)印紙税額
100万円を超え500万円以下2,000円
500万円を超え1千万円以下10,000円
1千万円を超え5千万円以下20,000円
5千万円を超え1億円以下60,000円

(出典:国税庁 「印紙税額の一覧表」)

契約金額が大きくなるほど印紙税額も大きくなることが見て取れます。

このほかにも金額ごとに印紙税額が細かく設定されているのですが、区分マンションの購入金額に該当する価格帯以上の部分は割愛します。

1-3.税金

不動産を購入すると、不動産取得税という税金が発生します。取得した不動産の価格(固定資産税評価額)に3%を掛けたものが税額になります。

なお、本来の不動産取得税の税率は4%なのですが、特例により土地と住宅については2024年3月31日までは税率が3%になります。

不動産の売買では譲渡契約書を締結します。これは先ほど解説した融資の契約書とは別に売主と買主との間に交わされるものです。

これについても契約金額に応じて印紙を貼付する必要があるので、これが印紙税となります。印紙税額については、「印紙税額の一覧表」を参照してください。

1-4.登記費用

購入したマンション物件が買主のものであることを確定させるために、不動産登記を行います。

この登記に関する費用も初期費用に含まれます。登記費用は税金である登録免許税と、登記を司法書士に依頼した場合の司法書士報酬に分類されます。

登録免許税は購入する不動産の状態によって登記の内容が異なります。

新築マンションを購入する場合は、「所有権保存登記」で、そのマンション購入に融資を利用した場合は貸主の抵当権を登記するため「抵当権設定登記」も必要になります。

なお、所有権保存登記、抵当権設定登記のそれぞれについて登録免許税の税率は0.4%です。

ただし、これらの税率は2022年3月31日まで軽減税率が適用されており、この期日までは所有権保存登記が0.15%、抵当権設定登記が0.1%です。

司法書士に登記を依頼した場合の報酬については、個々の司法書士によってさまざまです。

相場としては10万円前後が目安になります。司法書士に登記を依頼した場合は、登録免許税も実費として一緒に支払います。

1-5.火災保険、地震保険

所有している物件が火災や地震によって損傷してしまうリスクに備えるのが、火災保険と地震保険です。

地震保険は単体の商品ではないため、火災保険に加入する際にオプションとして加入する形になります。

保険料については保険会社や補償内容によってまちまちですが、マンション1戸あたり年間1万〜2万円程度を目安としてみておくとよいでしょう。

2.マンション経営の初期費用はコストダウンできるか

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前章で解説したマンション経営の初期費用をご覧になって、おそらく多くの方は「こんなに費用がかかるのか」との思われたのではないでしょうか。

ここでは、そんな初期費用をコストダウンできるか、その可能性について解説したいと思います。

2-1.コストダウンの可能性がある初期費用

マンション経営の初期費用のうち、コストダウンできる可能性があるのは以下の費用です。

1.登記費用
2.火災保険料

1.登記費用
登録免許税は動かせませんが、司法書士報酬は司法書士が自由に設定できるので、ネットを活用して比較検討をすることにより、安く引き受けてくれる司法書士を見つけることでコストダウンが可能です。

2.火災保険料
保険会社間の差はあまりありませんが、補償内容を見直すことによって保険料を引き下げることが可能です。

2-2.交渉ではコストダウンできない初期費用

税金はすべて税率や税額が法律で定められているので、交渉や比較検討によってコストダウンすることができません。

ただ、期間限定で軽減措置が設けられている場合があるので、その期間内にマンションを購入すれば、通常よりもコストダウンを実現することが可能です。

2-3.コストダウンするべきではない初期費用

初期費用のうち、コストダウンできる余地はあるものの、できるだけコストダウンするべきではないものもあります。その代表格といえるのが以下になります。

1.マンションの購入費用
2.管理費

1.マンションの購入費用
マンションの物件価格は、立地条件や物件のグレードに比例します。厳然とした相場がある世界なので、いわゆる「掘り出し物」はほとんどありません。

つまり、物件価格をコストダウンするということは、それだけマンション経営における集客力や優位性と引き換えになるケースがあるので注意が必要です。

2.管理費
管理費はランニングコストなのでイニシャルコスト(初期費用)ではありませんが、やはり安さを売りにしている管理会社はサービス内容も相応であることが多く、長い目で見ると入居者の満足度低下につながる可能性があります。

これらの点を踏まえると、マンション経営の初期費用のうち必要なものを削ってはいけないのはもちろん、適切なものについてもコストダウンばかりを考えるのではなく、かけるべきところにはしっかりお金をかけるという考え方が重要になります。

3.マンション経営に失敗しない初期費用の考え方

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マンション経営を始めるのにあたって、初期費用よりもさらに大切なことがあります。それは、「成功を目指すよりも、まずは失敗しないことを目指す」です。

誰しも成功を目指すのは当然ですが、そのためには「失敗しないこと」をクリアしなければなりません。そのため「失敗しないために必要な知識」を初期費用の観点からまとめております。

1.十分な余裕をもった資金計画を
2.必要なものまでケチらない
3.見えない資産も総動員しよう

3-1.十分な余裕をもった資金計画を

マンション経営では現物不動産を所有することになるため、それを適切に維持する資金をある程度手元に置いておくことをおすすめします。

新築マンションの場合はあまり考慮する必要はありませんが、入居者の責任によらない原因で設備が突然故障したり、マンションに何らかの不具合が生じたりした場合は、オーナーがその問題を解決しなければなりません。

ローンの融資額を少なくするために手持ちの資金の大部分を自己資金として投じることは決して悪くはないのですが、不測の事態に備え、一定の現金を手元に置いておくことはリスク管理の上で必要です。

マンション経営のために利用する融資は金利がそれほど高くはないので、手元に資金を残し融資を活用してマンションを所有するのが理想的だといえます。

3-2.必要なものまでケチらない

先ほど、初期費用のうちコストダウンが可能なものをいくつか挙げました。

そこでも述べたように、必要なものまでケチってしまうと十分なサービスが得られず、結果として所有物件の集客力や資産価値の低下を招く恐れがあります。

大切な資産であるマンションの価値を長く維持するには、適切な費用感を持って使うべきものにはお金を使うべきです。

3-3.見えない資産も総動員しよう

預貯金など見える資産だけでなく、人には見えない資産もあります。

マンション経営ではこの見えない資産がモノをいうことがあるので、見えない資産もしっかり総動員する考え方を持ちましょう。

この見えない資産とは、会社に勤めるビジネスパーソンあれば勤続年数や年収など、融資の審査で有利になるような属性情報です。

こうした見えない資産が豊富にある人は融資の審査で有利になるので、金利についても有利な条件を引き出しやすくなります。

もし現在会社にお勤めで退職をお考えなのであれば、せっかくの有利な属性を手放すことにもなりかねません。

マンションオーナーとしての成功のためにも退職を再考するなど、ご自身にある見えない資産を戦略的に活用しましょう。

4.まとめ

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マンション経営の初期費用について、おおよそどれくらいの費用を考えておくべきかというイメージを持つことができたのではないでしょうか。

また、記事内ではコストダウンに対する正しい考え方についても述べました。今回解説した内容は、マンション経営を行う上で欠かせない知識ともいえます。

知識不足、経験不足からマンション経営を躊躇されていた方は、この機会に1歩踏み出してみてはいかがでしょうか。

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