マンション経営を始める前に出口戦略を描く重要性
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どんな投資にも必ず終わりがあります。それは不動産を投資対象としたマンション経営でも同じです。「安いときに買って高くなったら売る」といったことが株式投資の成功パターンであれば、マンション経営での成功とは「最終的な収支がプラスになっていること」といえます。つまり最終的にプラスにならなければ何に投資をしても意味はありません。

いかに成功までの道筋を描くかが重要となり、その際に必要とされているのがマンション経営の出口戦略です。「出口戦略」とはどういったもので「成功」とはどの状態を指すのでしょうか。今回は、出口戦略についての正しい認識と戦略の構築法を解説します。

マンション経営の成功は、最終的な収支で決まる

マンション経営の収入や利益と聞くと「毎月の家賃収入」をイメージする人が多いかもしれません。もちろん毎月の家賃収入も重要な収入源の一つです。しかしマンション経営の収入源は、他にも礼金や更新料、場合によっては売却益といった収入もあります。そのためこれらをすべて含めて収支を計算することが必要です。

コツコツと数十年かけて賃料収入を蓄積していっても、最後の物件売却で賃料収入分を吹き飛ばしてしまうような損失となれば元も子もありません。これでは、何のためにマンション経営を始めたのか分からなくなってしまうため、それを防ぐために対策する計画が出口戦略です。マンション経営には、必ず終わりがあるため「どのように終わるかの道筋を立てる」といったことが出口戦略となります。

出口戦略の基本的な考え方

最終的な収支をプラスにするために必要な出口戦略には、大きく分けて以下の2つのポイントがあります。この2つの考え方にしっかりと留意することで出口戦略の方向性を見出しやすくなるでしょう。

  • マンションの資産価値をしっかりと維持する
  • 売却で失敗しない

どんなに頑丈な建物でも経年劣化を避けることはできません。マンションなどの建物は、法定耐用年数が47年と定められていますが、これも「建物が劣化する」という基本的な考え方に基づいています。人間と同じで加齢を止めることはできません。しかし、適切なメンテナンスを行うことにより劣化を最小限に食い止めることは可能です。

また建物は劣化しますが立地条件は劣化しません。(税制でも土地には耐用年数の概念がありません)これらの事実を踏まえると、出口戦略で重要なのは「物件の適切な管理」「立地条件」と定義することができます。

出口戦略を立てるタイミング

マンション経営において、どのタイミングで出口戦略を立てるべきでしょうか?「出口」という言葉のニュアンスから「売却時(つまりマンション経営の最後)に立てるもの」と考えている人もいるでしょうがそうではありません。

出口戦略とは、その売却が不利にならないようマンション購入時に立てておくものです。購入を検討している段階で出口戦略を意識しておき「物件の価値がしっかりと維持されるか」「売却時に大きく価値が下がってしまって損をすることはないか」など考えるのが正しい出口戦略のタイミングとなります。

出口戦略を成功に導く3つのポイント

実際に出口戦略を描いて成功させるにはどうするべきなのでしょうか。ここでは、出口戦略を成功に導くために重要な3つのポイントを個別に解説します。

不動産投資会社の提案

マンション経営の成否は、物件選びでほぼ決まるといわれています。しかし、素人がいきなり「利益の上がる物件」を選定し見抜くのは難しいでしょう。そのため、投資家に向けて物件を提案しマンション経営のサポートをしてくれるパートナーとして、不動産投資会社の役割が重要です。不動産投資会社は、プロの目線で物件を選定および開発、提案を行っています。

そのため「信頼できる不動産投資会社をいかに見極めパートナーとすることができるか」が成否に大きくかかわってくるのです。不動産投資家にとって物件選びは、「不動産投資会社選び」と言い換えても過言ではありません。出口戦略成功の観点から「不動産投資会社からの提案に出口戦略が含まれているか」「その提案にどれだけの具体性や現実味があるか」について重視かつ精査することが必要です。

出口戦略をしっかりと描けているかどうかは、不動産投資会社選びの物差しにもなるため、この点は非常に重要といえるでしょう。

売却タイミングの見極め

不動産の売却を成功させることも出口戦略の重要なポイントの一つです。ご存じの通り、不動産は時間の経過とともに少しずつ資産価値が下がっていきます。そのため最も高く売れるタイミングで売却することが出口戦略の成功につながるといえるでしょう。しかしその売却するタイミングはいつが望ましいのでしょうか。

「当該物件を今売ったらいくらになるのか」という見込み価格と「今後その物件から得られる賃料収入」の総和を比較してみて、どちらが高いかが売却の判断材料になります。今売った場合の売却価格のほうが高ければ売却に動くべきでしょう。見込み賃料収入よりも売却価格のほうが高いタイミングはそれほど多くないため、的確な売却タイミングを逃さないようにすることも重要です。

不動産売却のテクニックを駆使する

先ほど「今売ったらいくらになるのか」という価格について言及しました。その価格を知るにはどうすればよいのか分からない人もいるかもしれません。ここでは有効な方法を2つ紹介します。

・不動産一括査定サービス
ネット上にある一括査定サイトに物件の簡単な情報を入力し、複数の不動産会社から査定の結果が得られるサービスです。このサービスのメリットは、複数の不動産会社に査定依頼が届いていることを不動産会社同士が意識していることでしょう。競争の心理が働くので各社しっかりとした査定結果を返してくれます。

この中から信頼できそうな不動産会社に売却の依頼をするのが基本的な流れです。査定価格が高いことだけで選ぶのではなく、査定内容の整合性や対応のよさなどで選ぶことが得策でしょう。

・不動産取引価格情報検索
国土交通省が提供している不動産売買情報の検索サービスです。「不動産取引価格情報検索」と名づけられたこのサービスでは、実際にあった不動産取引の価格を知ることができます。売却を検討している物件の近隣で類似した物件の取引を探し「いくらで取引されたのか」について調べてみると、相場観をつかむことができるでしょう。

不動産取引価格情報検索

出口戦略では今だけでなく売却時をイメージしよう

マンション経営を始めてから対象物件を売却するのは少なくとも数年後、長ければ数十年後です。そのときに物件の状況がどうなっているかを正確に予測することは出来ません。しかしできるかぎり内的要因と外的要因に分けてシミュレーションするのが出口戦略です。

  • 物件の立地条件や周辺環境が将来どうなっているか
  • 人口動向はどうなっているのか
  • 資産価値をしっかり保持していくためのメンテナンスはどうあるべきか

売却時に不利になりそうなことを開始時からしっかりと対策していくことが出口戦略の成功につながります。今がその数年後、数十年後の売却時だとすると「どうすれば有利に売却できるか?」といった視点を持つことにより出口戦略をよりリアルに考えられるでしょう。不動産投資会社からの提案も重要ですが、投資家自身がそれをリアルに感じることはさらに重要です。

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