不動産投資
(画像=philip-steury/stock.adobe.com)

一戸建てだけではなくマンションにも、空き家があるのはご存じでしょうか。近年、中古マンションは空室が増加しており、収益悪化や物件価値下落のリスクが高まっています。新築マンションの優位性と比較しながら、これからの時代の物件選択を考えます。

築40年以上のマンション数が急増

2019年10月に行われた国土交通省の住宅宅地分科会の資料によると、2018年末時点で築40年超のマンションは81.4万戸。10年後の2028年末にはおよそ2.4倍の197.8万戸に増大するとされています。さらに20年後の2038年末には366.8万戸と4.5倍となり、老朽化したマンションの急増が指摘されています。

老朽化したマンションの問題点

マンションが老朽化するとどのような問題が発生するのでしょうか。

修繕費増大で住環境が悪化

老朽化すれば建物を修繕する費用がかかります。室内ではキッチンや浴室、給湯器、エアコンなどの修理や交換が頻繁に発生します。内装も日焼けや傷、汚れで見た目が悪化し、補修や張替えが必要です。さらに外壁、屋根、照明器具、手摺など外部の修繕も多く、費用が次々とかかるようになります。

しかし、資金不足の物件では修繕不足で住環境が悪化し、入居者が不満を感じて他の物件へ移ってしまいます。また建物の外観も汚れたままで印象が悪くなるため、新たな入居者が集まりにくく空き家が増えていくようになるのです。

入居者の高齢化で空室が増える

築年数が経過すれば、入居者の高齢化も考えられます。若い世代は収入が見込めるため、建物が古くて不便も多いとなれば、住環境の良い物件へ移っていきます。中には住み慣れてしまい異なる環境へ移りたくないとか、引っ越しが億劫だとかの理由から転居しない入居者もおり、結果的に古い物件ほど高齢の入居者が多い状態になります。

前述の国土交通省の資料にも、マンションにおける入居者の高齢化が指摘されています。築30年を超えた物件では4割弱、築40年近い物件では約半数の入居者が60歳以上世帯としています。

入居者が高齢化すると病気などの問題で退去者が増え、空室増加が考えられます。定年退職して収入が減れば、家賃や共益費の滞納などが発生し、修繕費用の不足もあります。すると建物の状態は悪化してしまい、空室がさらに増加することになるのです。

空室が増えると物件状態は一気に悪化

空室が増えるとマンションの状態は、加速的に悪化していきます。人の気配がなく治安が悪化し、余計に退去者が増えて新たな入居者が入りにくくなります。空室が増えると、分譲マンションなら修繕積立金が、賃貸マンションなら家賃収入が減少していきます。

このように空室が増えることで、退去者の増加と建物修繕の放置が繰り返される負の連鎖が始まり、物件状態は悪化の一途をたどることになります。

空室はマンション経営に悪影響

空室の増加はマンション経営の視点だとどのような事態が懸念されるでしょうか。

家賃を下げ収支が悪化

空室の多いマンションで入居者から退去を告げられれば、引き留めるために家賃を下げることが考えられます。あるいは他の部屋が家賃を下げて入居者を募集していれば、それを見て家賃引き下げを求められるかもしれません。家賃の引き下げは収支の悪化を意味し、融資を受けていれば赤字になる恐れもあります。

空室になり収入がゼロ

周囲の空室の波に飲まれ、所有する部屋も空室となってしまい、家賃収入ゼロも考えられます。家賃収入が途絶えても維持費や税金はかかるため、蓄えを削りながらのマンション経営となります。早急に空室を埋めたいところですが、老朽化で高齢者が多く空室も目立つ物件では、入居者探しは困難を極めるでしょう。

売却は難しく価値も下落

空室が多く建物も傷んでおり、家賃が安いとなれば、買い手が付きにくいことは容易に想像できます。所有する物件が空室であれば、売値を大幅に下げる必要もあるでしょう。最悪の場合は赤字物件を所有し続けることになり、マンション経営としては失敗に終わる可能性が高くなります。

新築マンションの優位性が際立つ

老朽化するマンションが急増し、建物状態の悪さや入居者の高齢化で空室が増えると、マンション経営では新築の優位さが際立ちます。改めて新築マンションが入居者に選ばれる理由と、マンション経営でのメリットをお伝えしたいと思います。

新築は人気が高く収益発生が早い

新築の部屋は「新築プレミアム」という言葉があるほど人気が高く、希望する入居者は根強くいます。最新の建材や設備が使われ、住み心地や使い勝手が良く快適に住める点も人気の理由です。

夏は涼しく冬は暖かく、新しいエアコンなら電気代も抑えられます。部屋も建物もきれいな上、防犯面で安心できるなど、入居者にアピールできるポイントは数多くあります。新築は都心のような賃貸需要の見込める地域であれば、入居者集めに苦労することは考えにくく、すぐに収益発生が期待できるでしょう。

空室になりにくく安定する

入居者が住み心地や使い勝手に満足できれば退去する理由がなく、短期間で空室になることも考えにくいです。新築の劣化はしばらく先で、入居者の不満は出にくく安定した家賃収入が期待できます。この収入が継続する点は、所有する部屋が一つのマンション経営では非常に重要です。

新築であれば平均以上の家賃設定が可能であり、長期に高い賃料収入が期待できることも新築マンションのメリットとなります。

売却時に価値が下がりにくい

新築で所有したマンションは、売却する際に価値が下がりにくいメリットもあります。
築年数にもよりますが、たとえば10年所有しても現在の建築技術であれば極端に劣化しにくく、価値を大きく損なう状態ではないでしょう。

マンション経営では売却時の収益が重要なポイントであり、ここでマイナスとなれば所有した意味がありません。売却しやすい状態も、新築を所有するメリットなのです。

建物状態が適切に維持される

建物が適切に修繕されないことは空室発生を加速させるため、決して軽視すべきものではありません。この点で、新築であれば修繕が適切なタイミングで計画されており、入居率が高いため修繕費もしっかり確保されるという安心材料があります。

大きな修繕が必要となるのはしばらく先であり、長期間入居者に不満を感じさせない建物であることは、新築ならではのメリットでしょう。

空室が増える時代こそ新築が有利

老朽化したマンションで空室が増えれば、物件同士の競争が激しくなることが考えられます。家賃を下げても空き家が解消されなければ、そのマンションの住環境はさらに悪化していくでしょう。

新築を求める入居者は環境の整った住み心地の良い物件へ集まると考えられ、特に人口増加が続く都心では継続した需要が見込めるでしょう。環境の悪化で、中古マンションから離れた人たちが、新築の良さを見直すことも考えられます。いずれにせよマンションの空室が増える時代でも、新築の優位性は揺るがないでしょう。

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