2020年に起きた、新型コロナウィルスによる経済の大混乱。いま投資家が注目しているのは、コロナショック後、不動産市場がどのように推移していくかです。本稿では、かつて起きた経済危機、リーマンショック後の不動産市場の推移から、コロナショック後の動向を予測します。

リーマンショックから学ぶ コロナショック後の収益物件の″買い時″は?
(画像=sum41/stock.adobe.com)

リーマンショック後の不動産市場の推移を見てみる

リーマンショックは、2008年9月15日に米国の大手投資顧問会社リーマンブラザーズが、サブプライムローン問題が原因で経営破綻したことにより起こりました。世界の金融市場は大混乱し、不動産市場にも大きな下落をもたらしました。

リーマンショックが起きた2008年の東京圏商業地の地価は、前年比で+12.2%と大幅な伸びを示しましたが、翌2009年は-6.1%に沈み、以降2013年まで5年連続で下落を続けました(国土交通省公示地価)。2014年にプラスに転じるまで5年を要したことになります。

コロナショックの影響はリーマンショック以上といわれており、不動産市場が同じ回復傾向を辿るかどうかは不透明ですが、それでも大きな経済危機の後にどのように不動産市場が推移したかは、おおよその目安になるはずです。

今回はリーマンショック以上の経済不況が予測されることから、不動産市場は終息後も5年程度横ばい状態になる可能性があります。その理由の一つが新型コロナウィルスの影響によりテレワークによる勤務体制が普及したことです。今後日本経済が明らかな回復基調に乗るまでは、オフィスビルの需要は停滞する可能性が高いでしょう。

物件の買い時はいつなのか?

では、物件の買い時はいつ訪れるのでしょうか。当面の焦点になるのが、2021年に延期された東京五輪開催の行方です。東京五輪が開催されるようであれば、コロナはほぼ終息していることを意味します。開催に伴って雇用の回復やインフラの再整備、そして五輪観戦客によるインバウンドの増大と好循環を生むことが期待できます。逆に再延期となれば日本経済の回復は大幅に遅れるでしょう。

東京五輪の開催見通しがつくまでは、オフィス、一戸建て、分譲マンションとも様子見が続くものと思われます。ただし、賃貸経営を目的とした投資用マンションはあまり影響を受けない可能性があります。不況であれば賃貸マンションの需要が相対的に増えるからです。不動産会社のホームページをチェックすると、投資用マンションはSOLD OUTの物件が多く見られます。

2020年5月の時点で展望すると、オフィス、一戸建て、分譲マンションは買い控え、投資用マンションは不動産市場が落ち着いている今が買い時と判断できます。

今からできる準備を進めておこう

投資対象を収益マンションに絞るとして、どのような準備をしておけばよいでしょうか。コロナが終息しても全国的に不動産市場は低迷が続くと思われますので、需要の多い東京23区の収益マンションに限定したほうが安全です。

中でも駅歩10分以内の物件は高い入居率を期待できます。東京23区の物件は複数駅を利用できる例が多く、A駅は歩12分であってもB駅は歩5分というように、駅歩10分以内の条件に適合する物件が多いのがメリットです。今から対象を絞ってリサーチし、パンフレットを取り寄せたり、相談会に参加するのもよいでしょう。

不動産市場が低迷している今だからこそ、考え得る対策を頭に入れておき、すぐさま対応できるよう準備を進めておくことが、不動投資成功への近道といえます。

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