マンション経営のメリットの一つに「団体信用生命保険(団信)」と呼ばれる保険への加入があります。不動産投資をするにあたりローンを利用することで、一緒に保険へ加入することができる仕組みです。

今回は、団信のメリットや既存の生命保険との関係、注意点についてご説明します。

マンション経営で保険に加入!隠れたメリット「団信」とは?
(画像=Kirill Neiezhmakov/Shutterstock.com)

団信とはローン契約者の死亡時に使える保険

団体信用生命保険(団信)とは、住宅ローンや不動産投資のローンに対して付けられる保険です。所有者がローンを完済する前に亡くなってしまった場合、保険会社がローンを借りた金融機関に対してローン残債を支払いしてくれる仕組みです。万が一の事態になってもローンの返済ができるため、家族や親戚に無借金状態の不動産を相続財産として遺せるメリットがあります。

団信に加入することで、マンション経営のリスクの一つである所有者の死亡リスクに対処できます。保険の加入がない場合に、マンションの所有者が亡くなったとき家族・親戚にマンションだけではなく借金返済の義務まで受け継がせてしまう可能性があります。そうしたリスクまで踏まえて、不動産投資に反対してくる家族の方もいらっしゃるのではないでしょうか。団体信用生命保険は、所有者が死亡しても借金を遺さないための「切り札」なのです。

団信の場合、借金がなくなり不動産だけ受け継がれるわけですから、収益性が高まることになります。ローン完済前は、家賃収入から返済分がその他必要経費とともに引かれていました。完済されることでローン返済分が引かれなくなるので、利益が大きくなります。

これにより、一家の大黒柱であった所有者がいなくなっても、家族が生活していくのに必要な安定した収入源を残せる可能性があります。団信のメリットは、ローンの返済のみならず家族の安心をもたらす点にもあるのです。

団信で生命保険に加入しなくても保障を受けられる

団信には「生命保険」と名前が付いていますが、通常の生命保険とは異なり生命保険会社の店舗やインターネットなどから申し込みが行えるわけではありません。金融機関と生命保険会社が連携していて、ローン申し込み時に加入手続きを行うケースが多いです。中には、融資の必須条項として加入が前提となっているケースもあります。保険料はローンの返済額に含まれており、団信単独で支払うわけではありません。

このように団信は生命保険と異なる点を持つのですが、それでも加入者の死亡時に金銭的な安心をもたらしてくれる点は共通しています。団信に加入すれば既存の生命保険がなくても十分な保障を受けられるのです。団信付きのローンを利用して不動産を購入すれば、不動産からの利益だけでなく死亡保障付きの掛け捨て型生命保険と同じような効果を期待することもできます。

団信に加入すれば生命保険は必要ない?

団信に加入する事によって生命保険と同じような効果を期待できるのであれば、既に加入している生命保険を解約しても問題ないと考えるかもしれません。生命保険の内容にもよりますが、すぐに解約手続きを進めることはやめておいた方がよいでしょう。

団信で保険金が支払われるのは、加入者の死亡時や高度障害状態(視力、言語機能、身体機能などの喪失、介護を要するような重い障害など)の場合に限られます。病気やケガで就業不能に陥っても、団信ではカバーすることはできません。

加入している生命保険が団体信用生命保険のカバーする範囲と重複する場合や、保険料負担が大きい場合は見直しが必要ですが、そうでなければむやみに解約する必要はないでしょう。また、生命保険の中にもっと安いタイプがある場合は、団信ではなくあえてそちらを選択する手も考えられます。この判断は個人や家族の事情によっても異なりますので、不安な場合は専門家に相談することをおすすめします。

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