40代からの将来設計。早いほどおトクなマンション経営
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丸山 優太郎
丸山 優太郎
日本大学法学部新聞学科卒業のライター。おもに企業系サイトで執筆。金融・経済・不動産系記事を中心に、社会情勢や経済動向を分析したトレンド記事を発信している。

将来に不安を覚える40代の方が増えています。今や日本人は平均寿命がどんどん延び、「人生100年時代」といわれています。その一方で公的年金制度を含めた社会保障全般が不安定であり、先行きが見えません。少子化もますます進んでいます。そのような中、現役引退後のことを考え、自分でお金を増やす準備をしている方が大変多くなっています。働き盛り世代にとって「今」は、マンション経営を考えるのに、絶好のタイミングなのです。

目次

  1. 1.40代の投資は「守るため」のもの
  2. 2.40代に合った資産形成とは
    1. 2-1.変動10年個人向け国債
    2. 2-2.iDeCo
    3. 2-3.つみたてNISA
    4. 2-4.マンション経営
  3. 3.40代のためのマンション経営にはこんなメリットが
    1. 3-1.他の投資より安定している
    2. 3-2.老後への安心感
    3. 3-3.節税効果が期待できる
    4. 3-4.団信が生命保険代わりに
    5. 3-5.子育てを終えた夫婦の自宅、子どもの一人暮らしの家にもなる
    6. 3-6.住み替え資金にもなる
    7. 3-7.40代は属性が上がるので有利な条件で融資を受けやすい
  4. 4.40代のマンション経営はここに着目
    1. 4-1.管理や修繕は忘れずに
    2. 4-2.長期保有が大前提
    3. 4-3.家賃収入は生活費にならない可能性がある
  5. 5.45歳35年ローン、繰り上げ返済を活用したシミュレーション
  6. 6.安定性の高いマンション経営で豊かな老後を

1.40代の投資は「守るため」のもの

2020年は、新型コロナウィルスの感染拡大で日本もコロナ不況といわれる経済危機に襲われました。不動産業界もその波を受け、オフィスビルを中心に投資するREIT(不動産投資信託)の価格が下落しています。上場しているREITの値動きを示す東証REIT指数は、2020年1月31日の2,215.67から11月30日には1,687.98まで24%の下落となりました。テレワークの普及でオフィスビルの需要が減っている状況ではやむを得ないでしょう。

一方で、マンション賃料は好調に推移しています。東京カンテイの「市況レポート」によると、2020年11月の首都圏・分譲マンション賃料は3,156円/㎡で、前月に比べ0.2%下落しましたが、依然として高値圏を維持しています。コロナが感染拡大する前の2020年1月が2,874円/㎡でしたから、コロナ禍の中でも上昇しているのです。これはもっともな話で、不況だからといって住居をなくすことはできません。住居に対する需要は常に一定であることがマンション経営の強みといえます。マンション経営がどのような状況でも安定した賃料を得られることが数字で証明された形です。

「老後は大丈夫かな」と心配する40代の方は、自己防衛として投資を始めます。投資は一般的に「積極的な攻め」のイメージがありますが、40代にとっての投資はむしろ「自分の老後を守るため」のものなのです。そのため、株や為替のような自分で行うリスクの高い運用よりも、上述した実績でみるように、安定したリターンが期待できるマンション経営がおすすめといえるでしょう。

2.40代に合った資産形成とは

40代は子どもの教育費もかかり、老後の備えもしなければならない、難しい年代です。資産運用で少しでも増やすことを検討しなければなりません。資産を守るために、40代に合った資産形成の方法として、以下の4つが挙げられます。

2-1.変動10年個人向け国債

国債は元本割れのリスクが少ないのがメリットです。半面、利回りがイマイチ低いというデメリットがあります。変動金利10年個人国債の利回りは最低保証金利0.05%(2020年12月17日現在の募集分)で、100万円運用して1年間に500円の利息しか付きません。将来に備えるには少し弱いかもしれません。

2-2.iDeCo

最近、会社員で始める人が多いのがiDeCo(個人型確定拠出年金)です。イデコは、毎月の掛け金を自分で運用しながら積み立てる、個人型年金制度です。運用する商品は投資信託、定期預金、保険商品で、株式に直接投資することはできません。税制優遇があるため節税効果はありますが、60歳まで資金を引き出せないというデメリットがあります。また、投資信託に投資した場合は値下がりリスクがあるため、元本が保証される制度でないことにも注意が必要です。

2-3.つみたてNISA

40代の方が始めるのにサイクル的に合っている投資方法が「つみたてNISA」です。年間40万円までの積み立て投資から得られる分配金の収益が非課税になります。運用期間は20年間なので、40歳から始めると60歳まで積み立てれば老後資金の準備につながります。ただし、投資ですので値下がりリスクがあります。また、対象商品が多いため、どれを選んだらよいか選択が難しいのがデメリットです。

2-4.マンション経営

40代の資産運用としてもう1つ検討したいのがマンション経営です。家賃という安定した収入があり、節税効果もある上、物件を売却すれば現金化できるなど、金融商品に比べて多くのメリットがあります。

3.40代のためのマンション経営にはこんなメリットが

では、マンション経営にはどんなメリットがあるのか、詳しくみてみましょう。

3-1.他の投資より安定している

マンション経営は他の投資よりもリターンが安定しています。代表的な投資である株式は、大きく儲かる場合がある半面、倒産によってほぼ価値を失う場合もあります。

一方、不動産には短期間での激しい値動きはありません。マンションなど保有した不動産に入居者がいれば、毎月必ず賃料をもたらしてくれます。株は、景気が低迷すると、長らく価格が戻りませんが、不動産は、不景気な時でも住む人さえいれば利用し続けてもらえるので、ある日突然、家賃を半額にしなければならないというような事態には陥りません。

3-2.老後への安心感

マンション経営の場合、購入に利用したローンの支払いが終われば、そこから家賃収入を受け取ることができます。老後を迎えるころにローンの支払いが終われば、保有しているだけで毎月「家賃収入」がもたらされます。これは、マンション経営の大きな魅力です。マンションは「買ったほうが得か」「借りたほうが得か」という議論がよくありますが、老後を考えると買った方が得と判断してよいでしょう。

3-3.節税効果が期待できる

マンション経営で支払う毎月のローンの金利、建物の減価償却費、固定資産税などは、必要経費とみなされるので節税効果が得られます。相続を考えた場合も、現金で相続させるより不動産に換えて相続させれば相続税評価額が安くなり、節税になります。

3-4.団信が生命保険代わりに

マンション経営は生命保険代わりにもなります。ローンに加入する際には、原則として団体信用生命保険(団信)に加入することが必要だからです。万一契約者が死亡または高度障害者になった場合は、ローン残債の支払いが免除されます。家族にとっても安心できる仕組みといえます。

3-5.子育てを終えた夫婦の自宅、子どもの一人暮らしの家にもなる

マンションは、ローンの支払いが終了すれば純資産になります。家賃収入でローンを返済する必要もなくなるので、空室が出たら子育てを終えた夫婦の自宅にするのもよいでしょう。あるいは、子どもが一人暮らしするための家にもなります。マンション経営は、ローンの支払い終了後の自由度が高いのもメリットです。

3-6.住み替え資金にもなる

マンションは、ローンの支払いが終了すると住み替え資金として活用することができます。3-5の例のようにローンの支払いが終了したマンションに夫婦2人で住んだものの、例えば病院が近い、緑が多いエリアでのんびり過ごしたいなどと思うこともあるでしょう。そのような時、住んでいるマンションを売却すれば資金をつくることができます。

しかし、単純に売却すると買い手がみつかった場合、すぐに退去しなければなりません。そこで便利なのが「リースバック」という商品です。リースバックは、自宅を売却しても家賃を払ってそのまま住み続けることができる仕組みです。マンションを売却して住み替える場合、リースバックにして現金化すれば、転居するまでは住み続けることができます。ゆっくり住み替え先を探せるのがメリットです。マンション経営の出口戦略としても有効な方法といえるでしょう。

似たような商品に、自宅を担保にして融資を受ける「リバースモーゲージ」がありますが、こちらは単身または夫婦2人で住むことが条件のため、融資を受けたお金でほかの場所に住み替えることはできません。

3-7.40代は属性が上がるので有利な条件で融資を受けやすい

40代は働き盛りでお給料も高くなる傾向があり、属性が上がるので融資を受けるときに、有利な条件で受けやすいというメリットがあります。属性とは、融資の返済に影響する項目のことをいいます。その人のプロフィールといってもよいでしょう。

40代になると、社会での経験値が高くなり、銀行が重視する勤務年数も長くなっています。年収も通常は20代のころより上がっているはずです。さらに、預貯金が増えていることによって物件を購入する場合の自己資金も多く用意できるでしょう。40代は銀行が融資するときにチェックする項目で、よい評価を受ける可能性が高い年代ということになります。

4.40代のマンション経営はここに着目

では、実際にマンション経営をする際、注意点はあるのでしょうか。

4-1.管理や修繕は忘れずに

株式と違ってマンションは「モノ」です。モノは時間が経てば当然ほころびも生じます。放っておくと汚れてしまいます。だからこそマンションは管理が大事なのです。建物が傷んだり、古びた感じがしたりしてきたら修繕することを忘れてはいけません。普段からいつでもきれいな物件として、しっかりと管理しておくことを心がけることが大切です。

4-2.長期保有が大前提

マンション経営は長期保有が大前提です。株や為替トレーダーのように朝から晩までモニターに貼り付いて絶え間ない売買をするものではありません。また、マンション経営というと、なかにはマンションを何度も売買することを想定する方がいるようですが、マンションはあくまでも20年、30年と長期で保有し続けることで本来の価値を発揮するのです。

所有するマンションを短期や中期で売買するものという前提で関わると、投資においてもあまり良い結果は得られません。自分の一生を支えてくれる大切な資産という意識が薄れてしまうからです。だからこそマンション経営をする際は、常に借り手の立場に立って考え、魅力があって長期保有したくなるような物件を購入すべきなのです。

4-3.家賃収入は生活費にならない可能性がある

マンション経営において、家賃収入は生活費にならない可能性があります。家賃収入が入ったとしても、大半はローンの返済に充てられるため、生活費として使える金額はほとんど残らないのが普通です。しかし、ローンの返済が終われば純資産になるので、ローンの返済で貯金をしていると思えば、デメリットとはいえないかもしれません。

5.45歳35年ローン、繰り上げ返済を活用したシミュレーション

ローンの返済金額を少なくする方法に「繰り上げ返済」があります。実際にどれくらい返済負担が減るのか具体例を挙げてシミュレーションしてみましょう。

【モデルケース】25歳で3,000万円の物件を融資を受け購入。借入金利2.0%、元利均等返済、ボーナス払いなし、35年ローンを組み60歳で完済予定。29歳、35歳、45歳に500万円繰り上げ返済した場合で比較。

繰り上げ返済年齢29歳35歳45歳
当初借入元金3,000万円
当初借入期間35年
借入金利初回から2.0%
返済済み期間4年10年20年
繰り上げ金額500万円
繰り上げ前残高2,753万4,584円2,344万6,504円1,544万378円
現在の毎月返済額10万0,006円
残り返済期間31年25年15年
繰り上げ後残高2,248万1,096円1,838万6,203円1,036万9,738円
期間を短縮する場合
繰り上げ後毎月返済額9万9,378円
残り返済期間23年10ヶ月18年7ヶ月9年8ヶ月
減少する利息額362万7,308円271万2,708円138万7,583円
返済額を変更する場合
繰り上げ後毎月返済額8万1,297円7万8,131円6万7,049円
残り返済期間31年25年15年
減少する利息額170万8,226円135万2,993円78万7,015円

シミュレーションするといくつかのことがわかります。まず、返済額を変更するよりも期間を短縮するほうが、圧倒的に利息の減り方が大きいということです。毎月の負担額が減らないのはきついですが、ローンを早く終わらせたい人にとっては、期間短縮を選んだほうがよいでしょう。

一方、返済額の変更で注目すべきは、45歳で繰り上げした場合が最も毎月の返済額を減らせることです。10万円台から一気に6万円台に減るのは、毎月の家計のやりくりがかなり助かるでしょう。ただし、返済利息は期間を短縮する場合よりも60万円ほど多く払わなければなりません。

全体的には若い年代で繰り上げ返済したほうが有利という結果が出ています。しかし、これはあくまでシミュレーションであり、29歳の時点で繰り上げ返済する500万円を用意できるかという問題もあります。毎月着実に積立貯蓄(または積立投資)して、45歳で500万円繰り上げ返済するプランのほうが現実的かもしれません。

繰り上げ返済は40代で行っても決して遅くはありません。現在の資産額によって無理のない範囲で行うことが望ましいといえるでしょう。

6.安定性の高いマンション経営で豊かな老後を

今回は将来設計のために、40代からマンション経営を行うことのメリットについて考えてみました。マンション経営は他の金融商品に比べ安定性が高く、メリットが多い資産運用方法であることがおわかりいただけたと思います。

すでに他の金融商品で資産運用をしている方にとっても、分散投資の対象として魅力的です。社会情勢は常に変化します。マンション経営がいつの時代も変わらぬ価値を保ち続けているのは、住まいが最大の「生活必需品」だからです。自分の将来や豊かな老後のために時代に左右されない、マンション経営を検討することをおすすめします。

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