資産運用を始めたばかりだと、知るべきことややるべきことがたくさんあって混乱してしまう人も多いのではないでしょうか。特に頭を悩ませるのが、投資先です。投資できる商品が多いため選択に迷って行動に移せなかったり、やみくもに手を出して損失を出してしまったりしてしまうのです。
資産運用では、最初に目的を決めることが重要です。今回は目的によってある程度資産運用方法が定まることや目的の決め方、そして不動産投資がどんな目的に適しているのかをご説明します。
「いつ」「いくら」必要?資産運用の最終的な目的が方法を決める
これから銀行預金以外の資産運用に取り組む予定のある人は、ぜひ「どんな方法で資産を運用するのか」「何に投資するのか」の前に、「資産運用の最終目的をどこに置くか」を考えましょう。最も重要なのは細かい方法論より目的であり、目的を決めればその目的に合った方法が自ずと見えてくるからです。
資産運用と言っても、その方法はたくさんあります。銀行預金もその一つですし、株式や債券、投資信託、信用取引、先物取引、FX(外国為替証拠金取引)などといった金融商品への投資、また不動産投資や事業への投資などもあります。
これら資産運用の方法を検討する際は、常にリスクとリターンがトレードオフの関係にあることを意識する必要があります。「リターンが高くてリスクが低い」という夢のような商品は存在しません。信用取引や先物取引、FXなどのように大きな利益を出す可能性のある方法は、大きな損失を出す可能性のある方法でもあります。逆に銀行預金のように損失を出す可能性の低い方法は、大きな利益を得にくい方法でもあります。
実際に資産運用を始めるのであれば、「いつまでにいくらの資産を築きたいのか」を考える必要があります。例えば「5年後までに3,000万円の利益を出す」というような高いハードルを設定するならば、相応のリスクを覚悟して多額の利益を得られるような方法を試みることになるでしょう。「30年後までに3,000万円」という場合は、リスクもリターンもほどほどの方法を試すのがよく、リスクの高いFXなどは避けたほうが無難でしょう。
資産運用初心者が考えるべき「お金の計画」
資産運用の目的を決めると言っても、すぐには頭に浮かばないかもしれません。そんなときは、まずまとまったお金を必要とする将来のイベントを洗い出してみましょう。結婚や出産、マイホームの購入、教育費、医療費・介護費、老後の生活費など人生にはさまざまなイベントがあります。これらのイベントの前にお金を準備できるかどうかを考えるのです。イベントを洗い出すことで、お金を準備すべき時期とその金額が分かります。
次に現在の資産額(貯金額)と収入、支出を大まかに計算してください。現在の貯金額がどれくらいで、1ヵ月当たりどれくらい黒字になっているか分かれば、将来のイベントの時期までにどこまでお金を準備できるか判明します。そしてお金を準備する方法、すなわち資産運用の方法をイメージできるようになるのです。
例えば30年後以降の老後の生活費として3,000万円必要で、現在500万円の貯金があり1ヵ月当たり5万円の黒字だとすると、銀行預金だけでは3,000万円に届きません。他のライフイベントのことも考えると、今後も安定的に黒字5万円のペースを続けられる保証もないでしょう。こうなると、より高いリターンの見込める資産運用方法を検討することが貯蓄を増やす可能性を広げることになります。
不動産投資はどんな目的に合っているか
資産運用の方法の一つとして、不動産投資が挙げられます。投資用不動産を購入して賃貸に出し、家賃収入を得るのが一般的なやり方です。本業以外の収入の柱を作れることで人気があり、会社勤めをしながら不動産投資を行う兼業投資家もたくさんいらっしゃいます。
この不動産投資も、資産運用の目的によって適していることも適していないこともあります。株のように景気に大きく左右されず、安定した家賃収入が毎月入ってくることが特徴です。そのため、「退職後の年金代わりにしたい」「セミリタイアに向けた収入源確保の方法としたい」などの目的に不動産投資は適していると考えられています。
一方で短期的に莫大な利益を出せる可能性は低いので、「5年以内に資産を10倍に増やしたい」というような人には向いていません。不動産投資は、長期的な視野で運用を考えられる人に向いている投資方法といえるでしょう。
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