一極集中は危険?マンション経営にも生かせる「サテライト戦略」とは
(画像=AndreyPopov/stock.adobe.com)

2021年2月時点で新型コロナウィルスは依然として収束せず、また東北地方では再び大きな地震があり、リスク管理の必要性が改めて問われる状況になっています。マンション経営における一極集中のドミナント戦略に一抹の不安が生じてきました。そこで検討したいのが区分所有マンションを複数のエリアに分散して所有する「サテライト戦略」です。

具体的にドミナントと比較してどのような理由でリスクを低減できるのでしょうか。

コロナや自然災害でわかった一極集中投資のリスク

新型コロナウィルスに国の対策が集中する中、2021年2月13日に東北地方で震度6強の大きな地震が発生しました。東日本大震災の余震と見られていますが本震から10年を経てもなお余震が起こることに改めて災害リスクの大きさを感じた人もいるのではないでしょうか。さらに地震の発生から間もない2021年2月21日には栃木県足利市西宮町の山林で火災が発生しています。

3日経過した2月23日には、約70世帯の住民に避難勧告が出る状況になりました。3月1日にようやく鎮圧が発表され難を逃れましたが、もし同地区に集中して賃貸物件を保有していたら火災の状況によっては被害を受けていた可能性もあります。一極集中投資のリスクを改めて感じる出来事といってよいでしょう。

また、新型コロナウィルスの影響で収入が減少したり失業したりするなど経済的に困窮する人も多くなりました。タワーマンションや億ションなどの高額物件に集中して投資すると、万一借主が経済的な影響を受け家賃が払えなくなればオーナーとしては家賃収入を失うことになりかねません。平常時なら高い家賃を得られるメリットがコロナ禍ではマイナスに働く場合もあるのです。

このように投資資金を1ヶ所すべてに注ぎ込む集中投資は、コロナ禍の不動産投資にはリスクが高いといえるでしょう。

サテライト戦略を導入する企業が増えている

新型コロナウィルスによる緊急事態宣言をきっかけにサテライト戦略を導入する企業が増えています。サテライト戦略とは、本社ビルから離れたエリアにサテライトオフィスと呼ばれる小規模の事務所を点在させる戦略です。本社社員を各エリアに分散させることで本社ビルの密を避けることができるためコロナ対策になります。

本社勤務の営業社員も外出先に近いサテライトオフィスから業務報告をすることで本社に帰らずに仕事を終えることが期待できるため、労使双方にメリットの多い戦略といえるでしょう。サテライト戦略は、企業向けの戦略ですが賃貸経営に応用することも可能です。

そこを核として2つ目以降の物件は、離れた別の地区に衛星のように点在させます。物件のエリアを分散させることによって前述したような災害のリスクを最小限に抑えることが期待できるでしょう。「逆に管理が行いにくくなるのでは?」という疑問があるかもしれません。しかし管理に関しては後述する不動産会社の選び方によって解決することができます。

ドミナント戦略とは対極にある考え方

サテライト戦略と対極にある考え方がドミナント戦略です。ドミナント戦略とは、一つの地域に同じチェーン店の店舗を集中的に出店する戦略をいいます。典型例はコンビニです。同じエリアに数店舗展開することにより地元住民への認知率を高めています。同じエリアで確固たる地位を築くことで競合他社が出店しづらくなることを狙った戦略です。

また商品の配送ルートを効率化させることでコストの削減にもつながります。賃貸経営においても同じオーナーが一つの地域に複数物件を展開している例は少なくありません。同じ地域に物件を保有することで管理しやすいのが理由の一つです。しかし災害が頻発する近年、マンション経営も立地の分散が必要となってきました。

前述した地震や火災などの災害だけでなく新型コロナウィルスによる社会構造の変化にも対応しなければなりません。コロナ禍に伴う需要減で一部の工場を閉鎖する企業もあります。大きな工場が閉鎖された場合、その周辺の賃貸住宅に住んでいた従業員が他の地域に転居してしまう可能性は高いでしょう。そうなるとその地域に集中して物件を保有していた場合、一気に空室が増えるリスクがあります。

大学が移転する場合も同じです。そこで地元の物件を本拠地として2つ目以降の物件を各地に点在して保有するサテライト戦略が有効になります。一つの地域で空室リスクが増える出来事があったとしても他の地域の物件は安定して稼働しているため、一気に収入がなくなることはないでしょう。ただしサテライト戦略は、土地の有効活用を目的とした一棟オーナーには向いていません。

なぜならオーナーという立場上地元から離れることは難しいからです。その点区分所有オーナーであればマンション全体に責任はないので地元に限定する必要はありません。

サテライト戦略に向いているワンルームマンション

サテライト戦略が特に向いているといえるのがワンルームマンションの区分所有オーナーです。理由の一つは核家族化の進展です。2019年3月に東京都が発表した「東京都世帯数の予測」によると2020年の東京都の平均世帯人員数は1.96人となっています。もはや2人を割る水準まで世帯人員が減っており、さらに2035年には単独世帯が50%を超える見通しです。

そのため今後ファミリータイプのマンションの需要はエリアによっては弱い状況になるといえるでしょう。一方でワンルームマンションは、価格面でもサテライト戦略に向いています。例えば東京都心の中央区の物件で比較してみましょう。都営地下鉄大江戸線「勝どき」駅から徒歩約9分の物件が新築1R、1Kで3,000万円前後から購入することができます。

ファミリータイプの一例として東京メトロ半蔵門線「水天宮前」駅から徒歩約8分の新築3LDK物件が9,000万円台することを考えるとワンルームなら同じ資金で3件購入することができる計算です(物件価格は一例ですので、参考程度にお考えください)。

ファミリータイプを1件保有している場合は、空室が出ると家賃収入はゼロになります。しかしサテライト戦略で3件購入したワンルームマンションは、1件空室が出たとしても他の2件は稼働しているので家賃収入がゼロになるリスクは低いでしょう。

サテライト戦略に適した不動産会社とは

最後にサテライト戦略を行う場合の不動産会社の選び方について確認しておきましょう。ドミナント戦略の場合は、同じエリアに展開するため、地元に精通している地域密着型の不動産会社が向いています。しかしサテライト戦略の場合は、広範囲のエリアをカバーできる規模の不動産会社を選ぶことが必要です。

「東京23区」「首都圏」といった都市部エリアに優良物件を保有している不動産会社であればいろいろな地区から物件を選択することができます。物件が各地に点在していても管理する不動産会社は変わらないため、利便性の面でも心配ありません。現代は「不確実性の時代」「多様化の時代」などといわれています。

さらに災害はいつ起きるかは予測できず、入居者の趣味趣向といったトレンドは常に変化していく傾向です。金融投資と同様に不動産投資も一極集中は、リスクが高い時代になったといえます。マンションの複数経営を考えているオーナーは、一度不動産会社を訪れ事業展開について相談してみてはいかがでしょうか。

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